一時期ほどは聞かなくなりましたが、一般用語として浸透しつつある「インダストリー4.0」。
「中小企業には関係ない」と誤解されがちですが、経営者であれば、世の中が確実に向かっている方向性として理解しておきたいことです。本記事では、インダストリー4.0の概要について、ご紹介します。
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「インダストリー4.0」とは何か?
結論から書きますと、現在起きている4回目の産業革命のことです。「革命」というくらいですから連続的な変化ではなく、不連続な大きな変化が起きようとしています。
この図は以下のように読んでいただければと思います。
- ある「基礎技術」が生まれたことによって
- 具体的な「商品」が世の中に出回り
- 「キーワード」で示すような大変化が起きた
最初の産業革命は、18世紀半ば~19世紀のイギリス。蒸気機関が生まれたことにより、それまで手作業で行なっていたことが、機械でできるようになりました。例えば「蒸気機関車」が生まれたことにより、長距離輸送が従来よりも簡単にできるようになりました。キーワードは「機械化」です。
第2次産業革命での基礎技術はエンジン(内燃機関)と電気モーター。自動車などの「大量生産」の時代がやってきます。
第3次産業革命では、半導体・コンピュータが登場して「自動化」が進みました。工場にはNC機械が利用されましたし、その後のインターネットの登場によって、私たちの生活は激変しました。
そして現代に起きているのが第4次産業革命です。人工知能やブロックチェーン、あるいはIoTにより、社会は「自律化」に向かっています。
自律化というキーワードを知っておくと、今、この世の中に起きている大きな変化を理解しやすくなります。それに例えば「キャッシュレス」が世界中で注目を浴びている本当の理由を理解することもできます。
経営者としては、そういう大局的な視点を身につけたいですね。
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自律化とは何なのか?
では「自律化」とは何なのでしょうか?
自動化は、簡単に言えば、人が指示をして、機械がその通りに動くこと。1つ1つ人間がプログラミングしたり、ボタンを押すなどして、指示を出す必要があります。人が都度指示を出して、機械がそれを受けて動くのです。
一方の自律化は、機械が最適な答えを導き出し、上手く動いてくれることです。自動運転車は、周りの自動車や歩行者・信号や渋滞状況、あるいは天気などの情報を得て、最適な運転方法・ルートを決定してくれるようになります。
このようにして自動運転車が「移動サービス」を提供してくれるのが「MaaS(Mobility as a Service):マースと呼ばれます」が目指しているものです。
また、1つの街全体でエネルギーやモノの流れが最適に制御されるようになる。それが「スマートシティ」の考え方です。街全体を自律化の対象と捉えた考え方です。
このような「自律化」が実現される世界が、第4次産業革命で起こる変化であり、「インダストリー4.0」です。
そして、この自律化を実現するための仕組みとして「IoT(Internet of Things):アイオーティ」の概念を知っておかなければなりません。次回は、このIoTの概念についてご紹介します。
- インダストリー4.0は、現代に起きている大きな産業革命
- 今回の産業革命が目指している方向性は「自律化」
- モノが相互にやり取りをして、全体最適に動くのが「自律化」
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