仕事術

私のキャリアに大きな変化を与えてくれた研修

会社員時代に受講した研修で、思い出に残っているモノがあります。
その研修は、私のキャリアに大きな変化を与えてくれました。

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脳ミソを絞り切る体験

私がその研修を受講したのは 2010~2011年頃です。
「参加者に選抜したから行ってこい」と。

当時、ITエンジニア部門からマーケティングに異動したばかりでした。
上司にとっては、受講者として選びやすい存在だったのでしょうね。
ただ、振り返ってみると、このときにこの研修を受講できたのはラッキーでした。

新しい事業アイデアを出す研修です。
研修の内容そのものは、さほど覚えていません。
ただ同じグループになった他事業部の人たちと、必死に脳ミソを絞り切ったことを覚えています。

(イメージです・・笑、当時は 4人でしたし、男しかいませんでしたが)

土日や平日の夜に集まって、ホワイトボードに書いては消して、消しては書いて。
個々人の体験をお互いに理解し、問題意識を共有して、アイデアを練り続けました。
今振り返ると、SECIモデル的な活動だったのかもしれません。

(出典:『知識創造企業』(東洋経済新報社)より著者作成)

  • 自分達の個人的な経験を共有
  • 事業部の違いによる問題意識を共有(今でいう越境学習?)
  • 中期事業計画など経営メッセージをコンセプトに反映させる

数ヶ月のディスカッションから生まれたアイデアを、私たちは自信を持って発表しました。

しかし、プレゼンを聞いた社長は、(何に触れたのか分かりませんが)顔を真っ赤にして、机をバンバン叩いて怒り出しました。
「お前ら、ちゃんと中計(中期事業計画)読んでるのか!」と。
周りの経営者たちは、怒りに触れないように静かなもので。。(笑)

いや、読んだ結果、このアイデアになったのですが・・と。
(今振り返ると、経営層が出せなかったアイデアを現場から出されて、腹が立ったのではないか・・と笑)
私がこの会社を卒業した数年後、ほぼ同じアイデアが事業化されていました。

体験から生まれた研修

この体験から生まれたのが、「ビジネスプランニング研修」です。
弊事務所が行っている企業研修としては、最も歴史が長いです。
(もちろん、コンテンツはアップデートを続けています)

企業研修・セミナー企業研修やセミナーの講師、講演を承っております。 コンサルタントとして、日常的に企業の現場に携わっています。 そのため「明日から...

新規事業、新商品・サービスを生み出すためのグループワークが中心です。
最終回には、経営層やマネジメント層に参加いただき、生み出されたアイデアを聴いていただきます。

新たなアイデアを生み出し、事業(新商品)として展開していくには、様々なスキル・経験が求められます。

(研修中に利用する戦略マップ)

現場の経験(お客様の困りごとに接している)が何よりも大事です。
ただ、それを事業に落とし込むためには、マーケティングやお金・法律など、様々なスキルを総合的に活用しなければなりません。
実際に事業展開していくには、プロジェクトマネジメントも必要になります。

本研修では、受講者の方々にこれらの必要性を体験して頂きます。
全てのスキルを一気に習得することはできませんが、その必要性を感じることで、キャリアの幅を広げることができます。

そういう幅を持った社員が増えることで、会社としては「懐の広い・深い」組織への成長を狙っています。
単にビジネスプランニング経験をするだけでなく、日々の仕事に役立つスキルを習得いただきます。
(例えば、顧客の課題整理を行うことです)

(スライドイメージ)

私がこの研修で大切にしていることは、「脳ミソを絞り切る体験」。
そのために最終回に経営者向けのプレゼンテーションを行いますし、グループワークを中心にしているのも、私の体験同様です。

ただ、アイデアを出すための「問い」やプロセスなどは、私のオリジナルが大半を占めています。
実行計画に落とし込むためのシミュレーションを行うことも。

考えに考え抜いた経験は、何物にも代えがたいものとなるはずです。

研修講師としてのモチベーション

私は今、研修講師としての仕事をしています。
過ごす時間としては、コンサルティングよりも講師の方が長くなりつつあります。

研修講師をやっている理由は、過去の私のように、研修を通じて可能性を切り開く人々のお役に立ちたいからです。
その時々で、登壇した研修に対する反応は異なります。
受講時点では、価値を感じて頂けないことがあるかもしれません。

ただ、全ての学びは事後的にしか理解できません
何かを身につけた後、振り返ってみると「そういうことだったのか」と。
私の例で言えば、当時の研修の価値を理解できたのは、受講して 5年以上経ってからでした。

私は、そういう研修を提供したいので、実施直後のアンケート結果に、あまり惑わされないように気をつけています。
そのため、ときには研修企画者に対して意見をすることもあります。
経営者・企画者・受講者の全員が、中長期で見たときに(ここ大事!)良い研修だったと感じられるのが、私の一番のモチベーションです。

まとめ
  • 脳ミソを絞り切る体験、他の人の経験を共有する体験が重要
  • 良い研修は、その場だけでなく、中長期でジワジワと効いてくる

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【編集後記】
昨日、久しぶりに 30km 走りました。
本当はもっと長く走る予定でしたが、故障中の足首の調子が悪くて止めておきました。
しっかり疲れたので、30kmくらいで良かったのかもしれません(笑)


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渋屋 隆一
プロフィール
マーケティングとITを駆使した「経営変革」「業務改善」を得意としています。コンサルティングや企業研修を通じて、中小企業の経営支援をしています。中小企業診断士。ドラッカーや人間学も学び中。趣味はトライアスロン・合気道。 詳細はこちらです。
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