「マーケティングミックス(4P)はもう古い」と言われますが、私は使えるフレームワークだと感じています。商品・サービス企画の場面で使えるのです。他のフレームワークと比べながら、ご紹介します。
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マーケティングミックスとは?
マーケティング戦略において、望ましい反応を市場から引き出すために、マーケティング・ツールを組み合わせることである(Wikipediaより)
何だか抽象的で分かりませんね・・
私の理解では、ここで言う「マーケティング・ツール」とは「切り口」のことです。
4Pでは、Product(商品)、Price(価格)、Promotion(プロモーション)、Place(流通)の4つの切り口でマーケティングを実施しましょう、ということです。なお、この4Pは、1960年頃にマーケティング学者であるジェローム・マッカーシーによって提唱されました。
提唱されてから既に60年近く経っており、市場環境も変化しています。
そりゃあ、少しくらい、古くなるのも当然です。
古いと言われる理由は、売り手の視点に立ちすぎているからでしょう。
その後、買い手の視点に立った「4C」が、ロバート・ローターボーンによって提唱されました(1993年)。この4Cについては、今回は割愛します。4Cの方が30年も後に提唱されているので、新しいのは当然ですね。
4Pは、確かに売り手の視点に立ちすぎているのかもしれませんが、商売の基本は、売り手も買い手も社会も幸せになること(いわゆる三方良し)。だとすれば、売り手自身の視点も、忘れてはならないのだと思います。
そして4Pは商品・サービスを企画するときに、非常に使えるのです。
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顧客の定義が前提となる
4Pは、英語のままだと分かりにくいので、私は「売り物」「売り場」「売り方」「売り値」と日本語で理解しています。
ちなみに、商品・サービスを企画するときに、4Pをいきなり使うことはできません。その前に「顧客」を定義しなければならないのです。
- 顧客を定義し
- 顧客が感じる価値を探求し
- その価値を届けるための商品・サービスを企画する(→ここで4Pを使う!)
という流れになるからです。
この顧客を定義し、競合と自社の立ち位置を差別化するフレームワークとして、STP分析が使われます。(詳細は割愛します)ただ、STP分析は、個人的には使いにくいと感じているので、自作のフレームワーク(戦略マップ)を使っています。
いずれにせよ、商品・サービス企画時に4Pを使うのであれば、その前に顧客の定義が必要と覚えておきましょう。
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商品・サービス企画時に使う4Pの良いところ
商品やサービスを考えるとき、4Pが使いやすい理由は・・
一度でも、商品・サービス企画をしてみると分かりますが、私たちは、ついつい「売り物」に集中し過ぎてしまうのです。「売り場」「売り方」「売り値」については、後回しになってしまいます。しかし、それでは商品・サービスが提供する「顧客への価値」を見過ごしてしまうかもしれません。
例えばAmazonで売っているものの多くは、どこにでも手に入るものです。
つまり、「売り物」については、何の差別化もできていないのです。
しかし、他の3つで差別化したことで、Amazonはここまで成長してきました。
- 売り場:ネットで販売する、すぐに届く流通
- 売り方:今月のキャンペーン、ポイント制度、Web・メール・LINEなどでの広告
- 売り値:クレジットカード払いや、1Click注文など決済のしやすさ
このように、顧客が感じる価値とは、4P全てを統合して感じられるものです。
必ずしも「売り物」が特別なものでなくとも、4Pを通じて価値が伝われば良いのです。この抜け漏れをなくしてくれる点が、4Pの素晴らしい点だと感じています。
- マーケティングミックス(4P)は商品・サービス企画に使える
- 4Pは、売り物・売り場・売り方・売り値を表す
- 企画時は、売り物に集中しがちなので、4Pで抜け漏れをなくす
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