経営者が頭を悩ませることの1つが、会社の規模をどうすれば良いか?です。
際限なく人を増やしてしまうと、マネジメントできなくなりますし、固定費が増大します。
しかし人が少なすぎると、せっかく得たチャンスを失ってしまうかもしれません。
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規模のマネジメントが難しい日本
経営者が規模のマネジメントに苦しむのは、日本特有なのでしょうか?
私は海外の経営者とはお付き合いがないので、良く分かりません。
ただ、人材の流動性が低いことから、規模がマネジメントしにくいのは確かです。
仮に大きくなり過ぎたことが分かったとしても、簡単にレイオフ(縮小)できません。
ただ最近は、大手メーカーや自動車など、大規模な人員削減のニュースも増えてきました。
肥大化し過ぎた分野・活動・機能を維持できなくなってきたのでしょう。
逆に、採用しようと思っても、すぐには採用できなかったりします。
ただ採用の真剣さが増すので、人材の流動性が低いことは、必ずしも悪いことだけではないと感じています。
規模は複雑性を生む
なぜ大企業は意思決定が遅いのでしょうか?
中小企業なら社長の即断即決で済むことが、普通に1ヶ月2ヶ月掛かったりします。
それは組織の規模は複雑性を生み出すからです。
組織が大きくなるほど、外部と接している人は割合的に少なくなり、内部の仕事をする人が増えていきます。
外(市場)と接している人と、社内だけを見て仕事をしている人とでは、同じ会社で働いていても全く価値観が異なります。
大企業だと現場を知っている経営者は非常に稀です。
年に1回も自社の社長と会わない、という方も多いでしょう。
このように、現場と経営者の乖離も大きくなります。
こうして組織全体が指数関数的に複雑になっていきます。
100人の組織をマネジメントするのは、10人組織をマネジメントする10倍複雑なのではありません。
感覚でしかありませんが、100倍は複雑なのではないでしょうか。
その問題を知ってか、ボーダレスジャパンという社会課題の解決に取り組んでいる会社は、事業・サービスごとに分社化しています。
10人チームで10億円事業をまわすリーダーを1,000人集める。
その方が1人で1,000億円、1兆円の会社を目指すより簡単だと言います。(記事はこちら)
適切に規模をマネジメントしている例と言えそうです。
スモールビジネスは戦略を必要とする
さて、本ブログをお読みの方は中小企業が多いでしょう。
ドラッカーは「小企業」を12~15人までと言っています。
社長が直接把握できる人数の上限がこれくらいとのことです。
私自身、チームを預かっていたときの感覚としても、10人を超えると直接、把握し続けるのは大変になりました。
人数がこのくらいだと、業種にもよりますが、売上規模は10億円くらいが上限になるのではないでしょうか。
上述のボーダレスジャパンの10人10億円にもつながります。
私はスモールビジネスにこそ、チャンスが得られる時代になってきたと信じています。
ニッチを見つけなければならない
さて、スモールビジネスには戦略が必要です。
市場規模がさほど大きくない、ニッチを見つけなければなりません。
限定され特化したニーズに応える。
10億円程度の市場規模であれば、大企業・中堅企業は魅力を感じずに入ってこれません。
実際、私が大企業で商品企画をしていたときも、市場規模で1,000億円ないものは、起案しませんでした。
そういうニッチを発見するためには、お客様と深く対話するなど、組織として精巧なセンサーを持ち合わせていないといけません。
1,000億円くらいの単位でザックリとしか市場を見ていない大企業には、精巧なセンサーは不要です。
問題ではなく機会に目を向ける
では、その精巧なセンサーで何を見つけるのでしょうか?
またしてもドラッカーの言葉を借りると「問題ではなく機会に目を向けよ」と言います。
その代表例として挙げられるのが、「予期せぬ成功」です。
複数人で楽しむはずのカラオケに、なぜか1人でやってくる。
そんな疑問から「一人カラオケ」が生み出されました。
なぜか受験シーズンになると売上が伸びるキットカット。
「きっと勝つ」との関連付けから、新たな商機を発掘しました。
そんな予期せぬ成功を筆頭に、機会を見つけニッチ戦略につなげることが、スモールビジネスにおける戦略と言えるでしょう。
- 会社の規模は適切にマネジメントしなければならない
- 規模に応じて指数関数的に複雑性が増す
- スモールビジネスは、機会を見つけニッチ市場にアプローチする
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【編集後記】
九州の大雨は大丈夫でしょうか。。
心配でなりません。
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