IT・システム企画

公益財団法人 神奈川産業振興センターにてセミナー登壇しました

公益財団法人 神奈川産業振興センターにて、セミナーに登壇しました。
タイトルは、

中小企業のIT・IoT活用による働き方改革、生産性向上の方法
~小さく始めて大きな成果を得るノウハウ~

ということで、主催者の方、色々盛り込みたかったようです(笑)
3時間と長めの時間のセミナーでしたので、しっかりと盛り込みました。

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働き方を変えるために必要な3つの要素

前半では働き方を変えるための要素についてお話ししました。
「働き方改革」なんて言葉を政府は推進していますが、モヤッとし過ぎていて、何に着手すれば良いのか?実に分かりにくい言葉です。

私自身も「働き方改革ってどこから始めれば良いのですか?」という相談を良く聴きます。

組織の方向性を決める「意識」

最初に必要なのは経営者がどうしたいのか?という方向性を示すこと。
上図の1つ目「意識」です。

意識が変わらない限り、働き方を変えることなどできません
人間は変化を恐れる生き物ですから、まずは経営者が「覚悟」と「ビジョン」を示します。

理想とする働き方は、組織によって大きく異なるはずです。
単に残業を減らすとか、そういうことではありません。

思いつきで掲げるだけでも、経営者はこのくらいのことには答えられるよう、組織の方向性を描かなければなりません。

  • どこで働けるようにしたいのか?(場所)
  • いつ働けるようにしたいのか?(時間)
  • 1日の総労働時間は?
  • お客様との接点は対面か、ネットか?
  • 減らしたいことは何か?
  • 増やしたいことは何か?
  • どんなチームをつくりたいのか?
  • どのような人達を集めたいのか?
  • どんなコミュニケーションをしたいのか?

まずは「理想(ビジョン)」を掲げる。
そこに向かって、経営者自身が変わっていく「覚悟」を示す。
変化に対して、最も痛みを感じるのは経営者だからです。

働き方を変えると、それに合わないと感じる人は会社を去っていきます。
長年、会社を支えてきてくれた右腕のような存在が、去ってしまうかもしれません。
それでも、ビジョンに向かって進んでいく覚悟を示さなければ、働き方は変わりません。

「なんで働き方を変えるのか?」
「こんな痛みを覚えてまで・・」
「今まで通りのやり方で良いじゃないですか?」

そのような声が聞こえてきたときほど、「対話」のチャンスです。
絶え間ない対話を通じて、経営者の考えを組織にはじめて浸透できます。

1回言ったくらいでは、間違いなく浸透しません。
1人1人との対話を通じて、従業員の気持ちを汲み取る必要があります。
100回でも1,000回でも同じ話を繰り返すうちに、経営者自身の考えも固まっていきます。

就業規則・人事制度の変革

2つ目は就業規則・人事制度の変革です。
働き方を変える上で、現状の就業規則や人事制度では対応できないことが出てきます。

例えば労働時間。
今までよりも柔軟な働き方を実現するために、フレックスタイム制や時間短縮勤務制度を導入する必要が出てくることがあります。

また、働き方を見直すうちに、自社にとっての理想とする従業員像が変わってくることがあります。
その場合は評価制度などを変えなければなりません。

理想とする働き方に追随して、就業規則や人事制度を変えなければならないのです。
この点は私の専門分野ではありませんので、本セミナーでは頭出しだけ行い、必要に応じて専門家を頼ることをお勧めしました。

システム・ツールの活用

3つ目が本セミナーのテーマとなるシステム・ツールの活用です。

理想とする働き方を実現するために、中小企業でも使いやすいツールが増えてきました。
大前提となるのは、クラウドの活用です。

中小企業が選ぶべきITツールは、まずクラウド中小企業におけるITツールの選択肢は、クラウド一択です。自社で購入・運用するオンプレミスには、ほぼデメリットしかありません。この記事では価格の差や得られるものの本質的な違いをご紹介しつつ、クラウドだけで得られるメリットについても解説しました。ITツールを選ぶ方、中小企業経営者は要確認です。...

場所と時間の制約から開放されるには、クラウドを使うのが一番だからです。

また顧客や案件の情報を共有する仕組みも、これからはますます重要になります。
1社1社(一人ひとり)のお客様を大切にしなければ、ビジネスが継続できなくなっているからです。

3つの要素、全体を見渡すのが経営者

これら3つの要素を見落とすことなく、変化させていった結果として、働き方が変わっていきます。
しかし、国が推進する「働き方改革」ですが、多くの支援サービスは偏りが大きいです。

1つ目の「意識」には、ほとんどの専門家が触れません。
ここが出発点であるにも関わらず。
「なぜ」働き方を変えるのか?
この根本に立ち向かわずして、変革などできるはずもありません

2つ目の「制度」、国や自治体のサービスは、ここに偏り過ぎです。
制度ばかりからアプローチするので、単なる長時間労働の短縮などが目標になってしまいます。
言葉を選ばずに言うと、厚生労働省中心のアプローチは機能していないと感じています。

3つ目の「システム・ツール」、この点も国や自治体のサービスは足りていません。
政策を考える人、実際に企業を支援する専門家が足りていないのでしょう。

このような国・自治体のサービスの現状を理解した上で、経営者としては3つの要素全体を見渡し続ける必要があります。

長くなりましたので、レポートは次回に続きます。

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まとめ
  • 働き方を変えるためには、「意識」「規則」「ツール」の3つを変える必要がある
  • 国の支援制度は「規則」に偏り過ぎていて、「意識」「ツール」が弱すぎる
  • 経営者は3つ全体を見渡し、変革を推進しなければならない

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渋屋 隆一
プロフィール
マーケティングとITを駆使した「経営変革」「業務改善」を得意としています。コンサルティングや企業研修を通じて、中小企業の経営支援をしています。中小企業診断士。ドラッカーや人間学も学び中。趣味はトライアスロン・合気道。 詳細はこちらです。
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