仕事術

前澤さんの宇宙旅行、お金の使い方は正しいのか?

前澤さんが宇宙旅行をされていますね。
わざわざ時間を取ってまで経過観察していませんが、自然とニュースが目に入ってきます。
民間人の宇宙旅行が少しずつ増えていて

この前澤さんの宇宙旅行。
お金の使い方として賛否両論あるようですので、私も思考訓練として考えてみました。

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前澤さんのお金に対する価値観

その前に、お金に対する価値観は、人によってかなり異なります。
前澤さんがどのような価値観を持っているのか、検索してみたら分かりやすい記事が出てきました。

https://r25.jp/article/545051307150263563

  • 限界までお金を使うことが明日の自分への投資になる
  • 人と同じものを買わないほうがいいよ
  • 人間はお金が最優先になってしまうと行動が狭められるし、思考も広がらない

というコメントは、かなり価値観が明確です。

この記事時点で、配当収入だけで毎年35億円を得ていた前澤さん。
明確な価値観を持った上で、お金と向き合ってきたことが分かります。

この価値観を踏まえた上で、私なりの意見を考えてみようと思います。

「他人の財布に手を突っ込むな」という意見

私がこの記事を書こうと思ったキッカケは、Facebookでの知人の発言でした。

「宇宙旅行するくらいなら、恵まれない人に対して寄付などをすべきだ。」
「大金を使って宇宙に行くなんて下品だ」

という意見に対して彼(知人)は

「他人の財布に手を突っ込むようなもので、その方が下品だよね」と。

まぁ、一理ある意見かなと思いつつ、私のなかでは違和感が残りました。
その違和感を掘り下げて出てきた理由が、以下の2つです。

お金はモノではなく、人の気持ち

「他人の財布」という表現には、「お金はモノである」という前提が含まれているように思います。
しかし、私たちがお金を使うときには、相手への共感や感謝など「気持ち」が伴っているはずです。

前澤さんレベルの富豪になると、利用者が直接支払ったお金ではなく、金融システムによって増幅されたキャピタルゲインで得たお金が大半のはず。
しかしそれでも、人から頂いた「気持ち」を粗末に扱ってはならないと思うのです。

お金を多くの方々からの「気持ち」であるとすると、その気持ちに応えるお金の使い方が求められるのではないでしょうか。
私は以前から、前澤さんの「お金配り」は、個人的には品のない使い方だと考えています。
それがなぜなのか?と考えると、お金はモノではなく気持ちだからです。

富むものの責任

違和感の2つ目の理由は、富むものの責任についてです。

前澤さんがゼロからあれだけの事業を立ち上げたことは、凄いことです。
私のような零細事業者に、その努力や苦難は、想像することすらできません。

大きな事業を立ち上げたということだけでなく、6時間労働・ZOZOSUIT(ゾゾスーツ:私も頼んで着てみました)・おまかせ定期便など、革新的なアイデアを形にされてきたことも素晴らしいと思います。

そういう起業家としてのリスペクト前提の上でのことですが・・
あれだけの財を成したのは「社会のおかげ」も大きいのでは、と思います。
ですから、「他人の財布」と100%言い切れないところがあると思うのです。
(お金がモノではなく、気持ちという点とも関連してきます)

もちろん、これまで事業を営んできたなかで、社員への給料・取引先への支払い・税金(法人としても個人としても)など、既に責任は果たしてきていると思います。
しかしながら、あれだけの財を成してしまうと、「富むものの責任」のようなものが生まれてくるのも否定できないでしょう。

例えば、松下幸之助さん(松下政経塾)・稲盛和夫さん(盛和塾)・永守重信さん(京都先端科学大学)のように、私財を有益(公益)に使っている例があります。

前澤さんの価値観からすると、「とにかく楽しそうな体験にお金を使っている」だけなのかもしれませんが、自分という個人レベルではなく、社会というレベルで、楽しくお金を使っていくことが求められるのではないでしょうか。

技術発展への貢献

ここまでは「お金の使い方」視点でしたが、今度は「技術発展」の視点です。

今年の7月20日には、Amazon創業者であり、宇宙開発企業「ブルー・オリジン」も設立したジェフ・ベゾス氏が宇宙旅行を行っています。
前澤さんだけが特別ではなく、富める者であれば、宇宙に行ける時代になったということです。

民間人が宇宙旅行できるようになることで、宇宙船の利用が一般化していくでしょう。
それはかつて、船や飛行機が果たした役割でもあります。

ただ、人類が宇宙に出ていくことは本当に必要なのでしょうか?
人類の歴史は、ひたすら行動範囲を広げ続けてきました。
しかしそれを継続することに、今後、本当に価値があるのでしょうか?
(これからは地球規模で人口が減っていくフェーズに入りますし)

ロケットは1回飛ぶだけで、自動車が地球1周する分の二酸化炭素を出すという指摘もあります。
少なくとも現時点では、「金持ちの道楽」としての宇宙旅行は、地球環境面から考えても成立しないでしょう。

確かベゾス氏だったと記憶していますが、重化学工業を地球ではなく宇宙に移すという構想を描いているそうです。
太陽光エネルギーを有効に活用でき、地球への環境インパクトも減らせると。

これが正しいのか?は分かりませんが、こういう大きな構想を実現するには、技術発展が欠かせません。
そして構想を練るには、宇宙旅行という経験が役立つ可能性も、大いにあるでしょう。

宇宙旅行に限りませんが、もう自分だけ・人類だけ・地球だけという発想は、成立しません。
宇宙環境全体のことを意識しながら、技術発展につながるのだとすれば、良いことだと思います。

宇宙的視点の獲得

最後に、私が一番期待しているのは「宇宙的な視点の獲得」です。

現代の私たちが戦国時代を見たら、武将同士が無駄な戦いを繰り広げているように見えるのではないでしょうか。
何で日本人同士が争っているんだ?と。
それよりも建設的な対話を通じて、日本全体をより良くしていった方が幸せじゃない?と。

今、ビジネス界のリーダー達が、宇宙・地球全体という視点を獲得することによって、「地球人同士」が争っていることが馬鹿らしくなり、人類の価値観がアップデートされるなら、それは価値のあることだと考えています。
(米中の争いが激しくなっている今だからこそ、余計に)

「下らない争いを止めて、地球全体で幸せになろうぜ!」

そんなビジネスリーダーが現れることによって、人類から戦争・差別などがなくなっていくのだとすれば・・というのは、期待し過ぎですかね。

最後に、前澤さんが無事に帰って来られることをお祈りしております。

まとめ
  • お金はモノではなく人々の気持ちなので、お金の使い方には責任が伴う
  • したがって、金持ちの道楽としての宇宙旅行は成立しない
  • ビジネスリーダーが宇宙的な視点を獲得し、技術発展につなげて欲しい

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【編集後記】
今朝も寒すぎたので朝風呂から始めました。
しっかり温まりましたが、もう脚が冷えてきました。。


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渋屋 隆一
プロフィール
マーケティングとITを駆使した「経営変革」「業務改善」を得意としています。コンサルティングや企業研修を通じて、中小企業の経営支援をしています。中小企業診断士。ドラッカーや人間学も学び中。趣味はトライアスロン・合気道。 詳細はこちらです。
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