データ活用

市場が小さいほうが個が突出しやすい

大企業が狙ってくるような大きな市場よりも、細分化された小さな市場の方が、個人や小さな企業が突出できると感じています。

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日本における各スポーツの競技人口

「細分化された小さな市場の方が、個人や小さな会社が突出しやすい」

この仮説を抱いたのは、私が趣味としているスポーツを通じてでした。
ちなみに日本における各スポーツの競技人口を検索したところ、以下のような情報がありました。

ランニング系

ジョギング・ランニングの競技人口は、1000万人近いと言われています。
(年1回という頻度なので、レースに出ないような緩い層も含まれています)
レースに参加している人口は、どのくらいなのでしょうか。

ジョギング・ランニングは、とにかく手軽です。
ウェアとシューズがあれば始められますし、近所を走れば良いだけです。
人口が多いのは頷けます。

これが山を走るトレイルランニングになると、一気に20万人にまで減ります。

水泳

ランニングと同じく、年に1回泳ぐ程度の愛好家は、約1000万人だそうです。
学校の授業にもありますし、小さな頃からスイミングに通わせる親も多い。
国民的スポーツと言えますね。

なお、日本水泳連盟が発表している、同連盟に水泳選手登録を行っている人数は「約21万人」だそうです。
私は、月に数回程度は泳ぎますが、同連盟には登録していません。

自転車系

サイクリングを楽しむ「スポーツサイクリスト層」は300万人。
結構多いですね。

新型コロナ以降、自転車は売れ続けているそうです。
「通勤がリスク」という認識が広まっているからでしょうか。
また「弱虫ペダル」を筆頭に、自転車マンガがいくつもヒットしているのも、背景にありそうな気がしています。

この中で、レースやトレーニングを楽しむ「アスリート層」は30万人だそうです。
私は昨年11月、初めてロードレースに参加しました。
(圧倒的に遅すぎて笑いましたが)

トライアスロン

トライアスロンは、日本は米国に次いで競技者が多く、37.5万人がレースに参加しているとのことでした。
個人的には「そんなにいるのか?」という感じですが。

大きく見ると、愛好者が数100~1000万人単位でいるランニング・スイミング・自転車。
その中でレースに出るようなガチ勢は20~40万人前後、ということになりそうです。
(マラソンは100万人くらいいるように思いますが)

市場調査をするときの数字との向き合い方

ちなみに、事業計画を立てるときなど、

  • 市場規模
  • 自社のシェア

に精緻なデータを求められるケースを拝見することがあります。

しかし、細かな数字に振り回される必要はありません。
数字を見る目的は、意思決定をするためです。
「何倍もズレてなければOK」くらいの感覚で十分でしょう。

実際、各種データには相応の「ズレ」が含まれています。
正確なデータを得ることは、不可能に近いのです。
(既に正確なデータがある市場は、既に飽和しているという面もあります)

市場が小さいほうが個が突出しやすい

さて、ここからが本題です。

マラソンや水泳など、市場が大きなスポーツで思い浮かべる人と言えば?
オリンピックに出場するような有名人(プロ)ばかりではないでしょうか。
川内選手も市民ランナーからプロに転向しました。
あるいは、プロになる前の箱根駅伝ランナーとかですよね。

市場が大きいのでスポンサーやメディアの動きも活発。
そう簡単に個人や小さな会社が割り込める隙はありません。
しかし、市場が小さくなると事情が異なってきます。

20万人と言われるトレイルランニングでは・・
世界最高峰のUTMBで世界3位になった鏑木さんが有名です。

30万人規模のロードバイクでは・・
ホビーレーサーの甲子園と言われるツール・ド・おきなわで6勝をあげている高岡さんが活発な活動をされています。

1000万人規模の市場だと、テレビやラジオ・新聞といった大衆向けメディアで攻める必要があります。
一方、20~40万人くらいの尖った市場規模になると、WebやSNSでも狙いを定めやすくなります。
日々の活動などをブログやSNSで発信しやすく、ファンとつながりやすくなります。

これが個人・小さな会社が突出できるチャンスになります。
ただ、WebやSNSでの発信は欠かせません。

例えば上述の鏑木さん・高岡さんの場合は・・
日常のトレーニングやレース・イベントなど頻繁に活動して、それをネット上で発信されています。

個人や小さな会社は、いかに小さく尖った市場を対象にするか。
特化した世界でコアなファンとつながることができるか。
マーケティング戦略として、重要な視点だと考えています。

まとめ
  • 大きな市場は、大企業がうごめきあっていて攻めにくい
  • 個人や小さな会社は、小さな(尖った)市場を攻めるべき
  • WebやSNSで頻繁に発信してファンとつながることが重要

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【編集後記】
昨日、バイク(自転車)に乗っていたら、道路の溝にタイヤがはまってしまい落車しました。
アスファルトにカラダを強く打ったので、今日は歩くのも痛いです。。
最近、トレーニング中に転んだりぶつけたりを繰り返しているので、もっと注意しないと。。


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渋屋 隆一
プロフィール
マーケティングとITを駆使した「経営変革」「業務改善」を得意としています。コンサルティングや企業研修を通じて、中小企業の経営支援をしています。中小企業診断士。ドラッカーや人間学も学び中。趣味はトライアスロン・合気道。 詳細はこちらです。
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