新規受注を焦るほど、ドツボにハマりやすいもの。
罠に陥らないためには、「川下」から改善していきましょう。
BtoBのビジネス全体像
多くの BtoB(対法人向け)ビジネスにおいては、以下のような流れで進むことが多いです。
- 見込み客を獲得するための活動
- 受注するための活動
- 受注後の商品・サービス提供&アフターフォロー
1~3 全ての活動において、より詳細な業務プロセスがあります。
個々の企業によって異なる点もありますが、ここでは割愛します。
改善は川下から
この 3つの活動において、経営者はつい最初の「見込み客を獲得するための活動」に力を入れがちです。
しかし、改善をするための基本は、川下から行うことです。
川下(受注後の商品・サービス提供&アフターフォロー)が満足いかないレベルで、新規の見込み客を獲得したところで、すぐに顧客は離れていってしまうからです。
クレームばかりが増えて、ずっと新規顧客を獲得し続けなければならず、疲弊してしまいます。(そういう組織は、実に多いです)
まるで穴の開いたバケツに水を入れるようなもので、水漏れし続ける感じです。
したがって、まずは川下(受注後の商品・サービス提供&アフターフォロー)のレベルを上げて、顧客満足度を高めることから始めます。
次いで、受注するための活動のレベルを上げ、最後に新規見込み客を獲得するための活動に着手します。
この順番で進めていくことで、
- 既存顧客を大切にする組織文化が醸成される
- 高い満足を感じて頂ける
- リピート案件が増える
- ファンとなる顧客が増えていく
- クレームが減る
- 利益率が高まる
- 経営が安定する
というようなメリットが得られます。
受注後の満足度を左右するプロジェクトマネジメント
ここからは、顧客とコミュニケーションしながら、何かを創り上げていくサービスを想定した話です。
- システムの受託開発
- SaaS などの導入
- コンサルティングなどのプロフェッショナルサービス
- デザインの受託
などが対象になります。例として挙げましたが、その他にも様々なサービスがあるでしょう。
「受注後の商品・サービス提供&アフターフォロー」の質を上げるためには、プロジェクトマネジメントをしっかりと行うことが重要です。
自宅のリフォームを行うことを考えてみましょう。(BtoBではありませんが)
契約を終えた途端に職人さんたちがやってきて、何の説明もないまま工事を始められたら
ビックリするのではないでしょうか。
工事の前に、以下のようなことを行うはずです。
- いつ?どこを?どんな工事するのか?全体工程を説明する
- そのためにお客様側でやっておくべきことを説明する
- 毎日の作業前に予定されている内容を説明
- 毎日の作業後に終わったことと、残課題や問題があれば、それを説明
こうすることで、お客様は安心できます。
しかし、例えばシステムの受託開発などで、こういう説明・情報共有がないケースを何度も見てきました。
それは受託した企業が、プロジェクトマネジメントをしっかり行っていないためです。
IT企業にプロジェクトマネージャーが必要なことは、こちらの記事でもご紹介しています。
ただ、そこまで複雑なことを考えなくとも、
自社は(高度な知識を活用する)サービス業である
という意識を徹底すれば、顧客の立場に立った説明・情報共有が行えるのではないでしょうか。
専門家ではない顧客は、不安を抱えています。
その不安を払拭して満足いただくには、適宜、説明・情報共有が大切です。
プロマネに必要な基本的な知識は身につけるべきですが、まずはこのような意識が大切だと考えています。
- 改善は川下から行うべき
- 川下を改善するには顧客の立場からの視点が重要
- プロジェクトマネジメントを行うことで、顧客の満足度が上がる
【編集後記】
今日はすさまじい雨・風です。
できることならリモートワークで対応したい日ですね。
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