日々の気づき

社会の中心にある「価値観」が変わろうとしている

突然ですが「社会」とは何でしょうか?
日常的に使っている言葉とは言え、自分の中で定義が曖昧だったので、整理してみました。
結論から言えば、社会の中心にある「価値観」が変わりつつあるようです。

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ドラッカー思想における社会

「マネジメントの父」と言われるドラッカーですが、企業経営だけを見てきた人ではありません。むしろ個人と社会の接点として、企業に着目した。その後、NPOなど企業以外の組織にも目を向けていきました。

約40冊に及ぶ著書を見ていると、個人・組織・社会それぞれに該当する著書があります
代表的な著書をあげると、以下の通りです。

  • 個人:『経営者の条件』(1966年)、『プロフェッショナルの条件』(2000年)
  • 組織:『マネジメント』(1974年)、『イノベーションと企業家精神』(1985年)
  • 社会:『経済人の終わり』(1963年)、『ポスト資本主義社会』(1993年)、『ネクスト・ソサエティ』(2002年)

(こうしてみると、社会に関する著書は、まだ全然読めていないです。。)

このようにドラッカーは企業(マネジメント)だけを見ていたのではなく、個人が活かされる組織、社会に貢献する組織を見ていたのでしょう。自分のことを「社会生態学者」と呼んでいたのも、このような背景があったからでしょう。

そのため、社会の変化をいち早くとらえ、その変化を機会と捉える組織マネジメントを提唱し、強みを活かす知識労働者たる個人にセルフマネジメントを伝えました。

社会を構成する中心は何か?

ところで「社会」とは何でしょうか?
私は今まで、おぼろげなイメージで社会という言葉を使っていたことに気づいたので、辞書に当たってみました。

社会の辞書における定義

辞書の定義は以下のようなものです。

  • 人間が集まって共同生活を営む、その集団。諸集団の総和から成る包括的複合体をもいう。自然的に発生したものと、利害・目的などに基づいて人為的に作られたものとがある。家族・村落・ギルド・教会・会社・政党・階級・国家などが主要な形態。(広辞苑)
  • ある共通項によってくくられ、他から区別される人々の集まり。また、仲間意識をもって、みずからを他と区別する人々の集まり。「学者の社会」「海外の日本人社会」「上流社会」(goo辞書)

社会が「人の集まり」であることは間違いないようです。

社会における「位置づけ」と「役割」

では「社会」は「群衆」「群れ」と何が異なるのでしょうか?
構成する要員の間に役割や、恒常的な相互作用があることでしょうか。

ドラッカーは以下のように述べています。

位置づけと役割をもたなければ、見捨てられし者、根なし草である。(『産業人の未来』)

社会において、その構成要員が自らの位置づけ・役割がなかったら、確かにどうしようもなさそうです。定年退職した人が、生きがいを失ってしまうのも、このためでしょう。

そして、構成要員が相互作用することから、社会は「複雑系」であると言えます。
(複雑系については長くなるので割愛します)

社会の中心にあるものは何か?

また、現代の哲人ノア・ハラリ氏(『サピエンス全史』『ホモ・デウス』など)、ケン・ウィルバー氏(『インテグラル理論』『無境界』など)は、社会を構成する中心には「価値観」がある、と主張されているそうです。

goo辞書の定義における「ある共通項」が「価値観」であると言っているわけです。
例えば、中世は「神が存在する」、近代は「世界を科学で理解できる」という価値観が席巻していました。
中世に神の存在を否定した人は、魔女狩りに遭って社会から迫害されました。

このようなことを考えると、社会とは「同一の価値観を持った人の集まり」と言えるのかもしれません。

価値観の変化と発達理論

私は自分の感覚的に、社会が大きな変革期に入っていると感じています。
あくまでも感覚なので、何の根拠もないのですが。
と言いつつ、何もあげないと伝わらないので、ひねり出してみますと・・

  • 規模や売上を追求しない経営者
  • 瞑想や坐禅する人
  • 社会起業家(社会問題を解決する)
  • 稼ぐことよりも楽しさ・自分らしさ・社会への貢献を目指す人
  • ロジックよりも感覚を重視する人
  • 会社以外の自分の居場所を求める人

などなど、10年前くらいにはあまり見かけなかった人が増えてきているように思います。

社会の中心に「価値観」があります。
その社会が変革するということは、前提となる「価値観」が大きく変わってきているということです。

レッド→アンバー→オレンジ→グリーン→ティールという発達理論があります。
(詳細は長くなるので割愛します。ググれば色々出てきますので)
現代の価値観はおそらくオレンジからグリーン。

日本の組織はオレンジが多いのではないでしょうか。
論理的な正しさを追求しようとしたり、目標や利益に振り回される辺りは、まだまだオレンジな気がします。

ただ、上述したような組織規模や売上(利益)を追求しない人たちの例は、グリーンからティールへの変化を感じさせます。
おそらく世界全体的な価値観は、グリーンからティールに変化しつつあります。
格差が広がり続ける資本主義に無理を感じるのも、価値観が変化しているからでしょう。

しばらくこの視点を持ちながら、色んな書物や人と出会いたいと思います。

まとめ
  • ドラッカー理論は「個人」「組織」「社会」を横断する
  • 「社会」とは「価値観」を元にする人の集まりで、複雑系である
  • 価値観が次のステップ(ティール)へ移行しつつある。社会が変わる

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【編集後記】
こういうのを調べるほどに、自分の教養の無さが明らかになります。。
今まで学びが足りなかったことを後悔しつつ、これからの学びへのエネルギーに変えたいと思います。
まずは積読本を何とかしたいです・・(汗)


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渋屋 隆一
プロフィール
マーケティングとITを駆使した「経営変革」「業務改善」を得意としています。コンサルティングや企業研修を通じて、中小企業の経営支援をしています。中小企業診断士。ドラッカーや人間学も学び中。趣味はトライアスロン・合気道。 詳細はこちらです。
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