データ活用

データ活用は過去→現在→将来の流れで身に着ける

データを活用するには、まず過去の分析から。
そして現在→将来へとデータ活用範囲をステップアップしていくのが良いでしょう。

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今あるデータを活用して過去を探る

最初に過去を探る理由は大きく2つあります。

既にデータがあるので、データ活用の第一歩にしやすい

データを活用する上で、大事なことは「データがあること」です。
当たり前のことと感じられるかもしれませんが、データが使えないことは、実務では非常に多いです。

  • 使いたい・欲しいデータがない(取れない)
  • データはあるのに活用できる状態になっていない(紙のまま、使えるデータ形式になっていないなど)

例えばお客様の情報(会社名・氏名・メールアドレス)がキレイにデータ化されていれば、すぐに利用することが出来ます。
しかし、各営業が個人ごとに名刺を紙のまま持っている状態では、すぐに利用できません。

目の前にすぐ使えるデータが無いと、データを集めたり、使えるデータ形式にするまでに手間が掛かってしまいます
余計にデータ活用の難易度が上がってしまうのですね。

そのため、まずは比較的簡単に使える過去データを使います。

過去~現在を正しく把握することはビジネスの基本

過去から現在の起きたことを正しく把握するのは、ビジネスの基本です。
これまでのことが理解できていないのに、将来を予測することに、どれだけの意味があるでしょうか?

例えば私は、社長に以下のような質問をすることがあります。

  • 売上ベスト10のお客様名
  • 売上ベスト3商品の金額(商品ではなく顧客の場合も)
  • 売上の既存顧客・新規顧客の割合(件数)
  • 顧客獲得ルートごとの売上(件数)
  • 流出してしまったお客様の数
  • ホームページを訪れる経路(検索、SNSなど)
  • ホームページにたどり着く検索キーワード

将来のことを聴いているわけではなく、ここ最近のことを聴いているだけです。
しかし、解答できる社長は実に少ないです。
(最初の2問くらいは答えられる方も多いですが)

日頃から数字(データ)を見る習慣がないことが分かります。

まず、自社に何が起きているのか?現在はどのような状態なのか?を把握し、
次にその原因は何か?を明確にしていきます。

例えば、売上を分析してみたら、少しずつ低下していることが分かった。
顧客別の分析をしてみたら、重要顧客A社からの売上が月々下がっていた(原因)。
こうして現実を正しく把握することが、データ活用のスタート地点です。

現在、やるべきことを示す

過去~現在を正しく把握したと仮定します。
売上を分析してみたら、少しずつ低下していることが分かった。
さらに顧客別の分析をしてみたら、重要顧客A社からの売上が月々下がっていた。

このように原因まで分かったとしても、何もやらなかったらビジネスは良くなりません
今から、何か手を打つためにデータを活用しているのです。

重要顧客Aからの売上は、なぜ下がっているのでしょうか?
おそらくデータだけからでは、理由は分かりません。

  • 実際にA社とやり取りしている営業担当者に聞く
  • A社と自社のやり取り(訪問・メール・電話など)を確認する
  • A社のビジネス環境を調査する
  • A社以外にも売上が下がっている顧客が居ないか、確認する

などが必要になります。
このように必ずしもデータだけでなく、他のものも組み合わせて理由を掘り下げていくことになります。

ここでは調査をした結果、アフターサポートが弱いので、それを強化することにしました。

将来、何をすると良いかを推測する

経営者は、「今何をすべきか?」だけではなく「将来、何をすべきか?」も考えなければなりません。

将来を推測するのにデータ活用をするには、主に3つのハードルがあります

  1. 単なる四則演算だけではなく、数学的な知識が必要になる
  2. 数学的知識を利用するためのツールが必要になる
    (分析系のツールや、プログラミングなど)
  3. 自社にあるデータだけではなく、外部データも必要になる

1について、例えば「回帰分析」のような手法が必要です。
エクセルを使えば数学を知らなくても手法を使うことはできるのですが、その意味を理解するには、数学的な意味を知らねばなりません。

2について、最初はエクセルから始めることになるでしょう。
しかし、より高度な分析をするためには、BIツールやプログラミング(PythonやRなど)が必要になります。ただ、これらの高度なツールを使っている一般的な中小企業を、私はまだ見たことがありません。

3について、非常に一般的なものでは、天気データがあります。
売上と天気(気温・湿度)が関係しやすい小売業などでは、非常に重宝するデータです。
その他にも、将来を予測するために、人口動態や産業ごとの成長率など、様々なデータを扱います。

まとめ
  • まずは過去データを分析して、過去から現在を理解する
  • 今、何をすべきかをデータ(とその他)から判断する
  • 将来を予測するには、数学的知識・ツール・外部データが必要

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【編集後記】
昨日はある仕事の関係でZoomを7時間以上。なかなか疲れました。
やはりオンラインとリアルを組み合わせられると嬉しいのですが、そう感じてしまうのは、私がオールドタイプだからなのかもしれません。


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渋屋 隆一
プロフィール
マーケティングとITを駆使した「経営変革」「業務改善」を得意としています。コンサルティングや企業研修を通じて、中小企業の経営支援をしています。中小企業診断士。ドラッカーや人間学も学び中。趣味はトライアスロン・合気道。 詳細はこちらです。
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