人間学

コロナ後、社会の対立構造が根深くなることが懸念

新型コロナウイルス(COVID-19)のニュースが毎日流れてきます。
いつまでこの状況が続くのかは分かりませんが、私たちは「コロナ後」のことも考えておくべきではないでしょうか。

昨今の報道やネットなどを見ていると、個人的に気になるのが「社会の対立構造」の深化です。

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以前からも社会には対立構造が存在します。
しかし、今回の新型コロナ騒動で、その対立構造がより明確になってきていると感じています。

高齢者と若者の断絶

その典型例が世代(高齢者 vs 若者)の対立です。
ご存じの通り、新型コロナウイルスによる致死率が高いのは高齢者。

なのに行動を制限されているのは、なぜか学校(小・中・高校)。
学校が休みになることで、共働き家庭はてんやわんや。
高齢者の命を守るために、致死率が極めて低い10代とその親が振り回されているのです。

若者家庭はそんな状況なのに、

  • 愛知県では陽性診断された50代男性が、自宅待機を無視して飲食店へ
  • 神奈川県では熱が出た70代男性が、スナックやスポーツクラブへ(後から陽性と診断)

飲食店もスポーツクラブも営業停止を余儀なくされています。

「ウイルスをばら撒いているのは、子供じゃなくて高齢者じゃないか!」
「行動制限は子供じゃなくて高齢者にしろ!」
「政治家は票が欲しいから、自分たちも高齢者だから、動かないんだろ!!」

そんな声を何度も聴きました。
(まぁ、私もそう思っている部分がありますが)

こうやって世代間の断絶が強くなっているように感じるのです。

世代の問題ではなく、個人の問題

ただもちろん、ニュースにされないだけで大人しく自宅待機している高齢者もいるはずなんですよね。あくまでも年齢の問題ではなく、その個人の問題です。

徳のある方は、「子供やその親も行動を制限されているのだから、私も気をつけておこう」と考えているでしょう。実際、色んな場所から人が少なくなっているのは、そういう考えの人がいる証拠です。

しかし、ここ数年くらいでしょうか。
「老害」という言葉が目立つようになってきたのは。

ここにも世代間に壁をつくろうとする、何者かの意図を感じます。
何らかの対立があった方が、報道する側は楽です。
マーケットも操作しやすくなります。

SNSでも良く見かける言葉ですが、年齢とか性別、国籍とかだけで、その群を一括りにするのは、私たちが陥りやすい勘違いです。

「日本の企業は・・」
「欧米は・・」
「中国人は・・」

という論調、全てに共通していることではないでしょうか。

日本の企業だけで300万社以上ありますから、一括りにできないでしょう。
「欧米」って、ヨーロッパとアメリカを一緒にするのは、あまりにも雑すぎます。
中国人だって13億人以上いますから、同じわけがありません。

こういうステレオタイプに踊らされるのではなく、もっと1人1人に向き合う方が、私たちは正しい判断ができるようになると考えています。踊らされないためにも、やたらとステレオタイプを強調するメディアには触れない方が良いかな、と。

もう1つの対立構造

そして、もう1つの根深い対立構造が生まれるような気がしています。
まだ上手く言語化できないのですが。

トンデモ客に悩まされるB to Cビジネス

愛知県で陽性が分かっているにも関わらず、「うつしてやる!」と飲食店に行った男性。
どう考えても、営業妨害・損害賠償ものですよね。
ただ、その男性が資産を持っていなければ、何も補償はされません。
この飲食店経営者の心情を考えると、何ともやるせない気持ちになります

私も先日、ある飲食チェーン店でとんでもない人を見かけました。

店員さんにワケの分からないクレームをつけたかと思えば、全面禁煙にも文句をつけ、その場でタバコに火をつける。。
「俺は早く死にたいんだ。タバコくらい吸わせろ!」と全く理由になっていない理屈を。。

一般消費者を相手に商売をしている経営者は、こういうトンデモ客に対応してきました。
私の父親も、B to Cで商売をしていたので、難儀な対応をしていたことを思い出します。

「信用」で分断化される社会

私は顧客を選ぶB to Cビジネスが増えるのでは?と感じています。
こんなトンデモ客がいたら、自社のブランドが一瞬で破壊されてしまいます。
対応するスタッフも、精神をすり減らして働きたくなくなってしまいます。

経営者として「マトモなお客様だけを相手に、商売をしよう」と思うのは、自然なことだと思うのです。また顧客としても「周りにトンデモ客がいない空間で過ごしたい」と思うでしょう。

個人を特定して、点数をつけたり評価をするのは、技術的に可能になってきました。
あるところでトンデモ客と評価された情報は、他の場所にも共有されます。
クレジットカードの信用情報のようなものが、より様々な要素で一般的に広がるイメージです。

このような信用情報が広がるほど、一度でも悪評価を受けた人は、店に入るのを拒否されてしまいます。ロボットが自動対応してくれるような場所にしか行けなくなります。当然、採用時にも信用情報を見られるので、良い職には就けなくなります。

社会が「信用される人」と「信用されない人」に分断されていくのです。

前者は人と交じり合いながら、さらに学んで成長していく。
良い仕事をして、経済的にも精神的にも満たされていく。

後者は人と交じり合うことがないので、ますます孤立していく。
あるいは、後者同士で交じり合うので、ドヤ街のようになっていく。
経済的に満たされず、ますます心も荒んでいく。

このようにして富裕層と貧困層、経営者と被雇用者、人格者と非人格者など、社会の中で様々な対立構造が深まっていってしまうのではないか?と懸念しています。

人が正しく評価される社会は、より良い社会だとは思います。
しかし、無駄な対立構造が生まれることは、歴史的に見ても、決して良いことだとは思えません。

良いアイデアがあるわけではないので恐縮ですが、自分自身、気をつけようと思い、記事にしてみました。

まとめ
  • 社会の対立構造が深くなっている
  • 群ではなく、個人を見よう
  • 信用情報で社会が分断されていくのでは

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【編集後記】
横浜市も、他の都道府県同様、ずっと学校が休みになることが決まりました。
うちの子供は、もう卒業式に行くだけです。
急に残りの時間を奪われてしまったような心境です。。


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渋屋 隆一
プロフィール
マーケティングとITを駆使した「経営変革」「業務改善」を得意としています。コンサルティングや企業研修を通じて、中小企業の経営支援をしています。中小企業診断士。ドラッカーや人間学も学び中。趣味はトライアスロン・合気道。 詳細はこちらです。
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