従業員一人ひとりのパソコン・ITスキルを向上させるための策として、会社支給のパソコンを止めることを提案しています。
前回は、BYODを実現するために新たに従業員が果たすことになる役割をご紹介しました。
今回は、会社側(情報システム担当者・経営者)が果たす役割と、スキル向上以外のメリットについて、お伝えします。
<スポンサードリンク>
Contents
情報システム担当者・経営者が果たす役割
BYODを実現するに当たり、当然ながら会社側(情報システム担当者・経営者)にも果たす役割があります。BYOD化することによって、新たに発生する役割と、なくなる役割があります。
パソコンを購入、維持するための費用を支給
新たに生まれる役割は、従業員がパソコンを購入・維持するための費用を支給することです。給料と一緒に振り込むのが一般的ですが、年に1回・毎月など、いくつかのパターンがあるようです。
ちなみにBYODを実現すると、今まで会社で購入していたパソコンよりも、より良いパソコンを買えるだけの金額が支給できるようになります。後述しますが、会社側のやることが減りますから、その分、費用が浮くからです。
従業員がスキルアップするほどに、良いパソコンが使えるようになると分かれば、モチベーションにもつながりますね。
パソコンの指針や、セキュリティポリシーを徹底周知
BYODを実現するための肝になる部分です。従業員がパソコンを選ぶための指針が必要です。例えば、Webミーティングを行うことが日常なら、カメラ付きのノートパソコンが推奨となるでしょう。
そして組織としてはセキュリティポリシーが重要です。個人のパソコンから情報漏洩が起きたとしても、それが業務上のことであれば、当然、会社の責任が追及されます。
アンチウイルスソフトを必須にしたり、会社標準ツールとしてインストールするなど、ポリシーを作成し、それに応じていないパソコンは使わせないようにするなどの教育も必要です。
おそらくこの点が、最も高いハードルになるでしょう。最初のルール作りまでが大変ですが、運用が始まれば慣れてきます。最初だけ専門家を頼るなどして乗り越えましょう。
Wi-Fi、インターネット、プリント環境の提供
この辺は、従来と変わりません。今までパソコンのWi-Fiやプリント環境の設定を全部会社側でやってあげていた場合は、その仕事はなくなります。あくまでもインフラ側を提供するだけで、1台1台のパソコンの設定は従業員が行います。
業務で利用するソフトウェアの購入
マイクロソフトのOfficeなど、業務で利用するソフトウェアは会社が選定し購入します。これも従来と変わりません。ただし、どのパソコン(ユーザー)が利用しているのか、ライセンス管理の徹底が今まで以上に重要になります。
利用者のID管理
利用するソフトウェアがクラウド化されるほど、ID管理が重要になります。
仮に5つのクラウドを利用していると、1人の従業員が辞めたときに5回のID削除の作業が必要になります。良く辞めた従業員のアカウントがそのまま残っているケースを見かけますが、費用面からもセキュリティ面からも、健全ではありません。
なくなる作業
一方、無くなる作業も結構あります。以下のようなものです。
- パソコンの備品管理
- 故障時の対応
- パソコンの選定・購入
- キッティング作業
1つ1つ、地味に時間が取られる作業ばかりです。これらの作業がなくなることによって、システム担当者の仕事はより企画に寄っていきます。システム運用や従業員のフォローという業務が軽くなり、ポリシーを策定したり、業務に合ったツールの選定・導入などに時間を割けるようになるのです。
<スポンサードリンク>
会社にとってのBYODのメリット
これまでも触れてきましたが、BYODを実現することによるメリットをまとめておきます。
- 従業員のITスキルが向上する
- 従業員が自分に合ったパソコンを選べて、モチベーションが上がる
- パソコンへの投資額を上げることができる
- システム担当者のパソコン関連業務が減り、企画などに集中しやすくなる
最後に、パソコンでこのような運用ができるようになると、スマートフォンでも同様の運用ができるようになります。
- 会社側は、新たに発生する役割と、無くなる役割がある
- 全体的に企画側に仕事をシフトすることが可能
- 使いやすいパソコンが使えるようになることで、従業員のモチベーションが上がる
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
メルマガ『経営は100種競技!』を毎日配信しています。
マーケティングやITを身につけたい。
ビジネスを楽しみたい。
変化・成長したいというビジネスパーソンにお読みいただいています。