人間学

幅広い人間関係が「強み」をつくる

最近、うちの子どもが飛行機を撮りに行くのにハマっています。

共通の趣味から生まれる対話

空港で何時間も過ごし、カメラを構えていると、色んな人との人間関係ができるそうです。

飛行機・カメラという共通の趣味を通じて、おじさん・社会人・大学生などの年上から、年下の中学生まで、話をすることも多いそうな。
毎週のように羽田・成田に通って好きなことをしながら、幅広い人間関係を築いてほしいと考えています。

(息子撮影)

同じ理由で、私は子どもが学校だけでなく、アルバイトを含む別の場所で活動するのに、大いに賛成です。

核家族化が進み、ご近所とのやり取りが減っている現代。
子どもが、自分の親・学校の先生以外の大人を知ること。
親世代や同学年以外に幅広く、色んな人と触れ合うことが大切だと感じています。

(私が生前の父親からもらって、さらに息子にあげたカメラ。父も喜んでいることでしょう)

余談ですが、うちの息子は趣味を通じて、パソコンやカメラの扱いなどを、自分で学んでいるようです。(パソコンについては、私もたまに教えます。カメラは素人なので放置です・・笑)

そして、大人達が超・高スペックなカメラを使っているのを見て、「早く稼ぎたい」という欲が出てきたようです。
私はこういう欲は、(暴走しなければ)人間を成長させてくれるエネルギーになると思います。

学校教育だけに時間を割きすぎ

話は少し変わりまして。
私は昨今の学校教育や、受験を取り巻く塾業界の動きに、大いに疑問を抱いています。

大学の問題

少子化に伴って、大学は定員割れを起こす勢いです。
大学関係者に話を聞くと、

  • 大学で学ぶための前提知識が足らない
    (高校課程の復習に時間を取られ過ぎる)
  • 授業に来ない生徒などのフォローに時間を取られ過ぎる
    (留年・退学させると実績に傷がついてしまうので放置できない)

このような状況だそうです。
もはや大学を「大学」と呼べない状況になりつつある、と認識しています。

大学は高等教育機関であることを考えると、少子化しているなら、余っている大学は閉じてしまえば良いと思うのですが。
そして、子ども達全員が高校卒業後、ストレートに大学に行く必要もないと思うのです。

  1. 義務教育から、高校・大学と学ぶ流れ(これまでの主流)
  2. 働く経験を積んでから、必要性を感じたときに大学などで学び直す流れ
  3. 老後になってから、さらに学ぶ流れ

など、様々な流れがあった方が良いと考えています。
特に 2番・3番が増えてくれば、親の意思・お金ではなく、自分の意思・お金で大学に通うこともできます。

それこそが多様性ですし、社会人・老後など幅広い人たちに門戸を広げた方が、大学の経営も上手くいくのではないでしょうか。

受験に捉われる親たち

もう1つ気になるのが親たちです。
これだけ時代が変わっているにも関わらず、受験に捉われる親が多すぎるように思います。

中学受験をする子どもも増えました。
ただ、深夜時間帯に塾帰りの小学生が1人で歩いているなんて、尋常ではないと感じます。
言うまでもなく、仕向けているのは親です。

そして、義務教育に関わる学校も親も、価値観が変われないまま現在に至っています。

過去最多「不登校」のニュースから思うこと久しぶりの投稿です。 「もっと役に立つ記事を書かなければ」と勝手にプレッシャーを感じるほど、書けなくなってしまいました。 なので...

多様性と言いつつ、1つの価値観に縛られ過ぎている親が多いのは疑問でしかありません。

  • 現在の学校教育を通じて得られるものは何か?
  • 逆に得られないものは何か?
  • 得られないものを得るための手段は何か?

これらを親が、子どもを通じて、感じ考えるべきだと思います。
(他人の意見に振り回されたり、世間体などを気にするのではなく)
1人の親として、学校に全てを期待するのではなく、「数多くある選択肢の 1つでしかない」という現実を受けとめるべきだと思います。

私なりに「学校で得られないこと」と考える 1つが、上述の「幅広い人間関係」です。

  • 学校の先生という限られた大人しか知らない
  • 同学年の同質性の高い生徒としか付き合わない
    (特に高校になると学力・価値観も同質性が高まるので)
  • 塾に通うと「受験ファースト」という価値観に縛られる

学校の勉強・受験というのは、数多ある学習対象のごく一部に過ぎません。

子ども達が受験に対する価値を腹の底から理解していない状態で頑張らされているのを見ると・・
会社が「売上」「利益」に縛られ過ぎて、社員が疲弊しているのと、同じ構造が透けて見えます。

幅広い人間関係から得られるモノ

そういう限られた「枠」から脱出し、幅広い人間と付き合うことにより

  • 多様な価値観に触れる
  • 自分の人間性を磨く
  • 自分の「強み」を発見する
  • 自分が最も大切にしているモノを発見する

などの効果が得られるのではないでしょうか。

そして、ここまで書いたことは、子どもに限った話ではありません。
働いている多くの大人にも該当することです。
いつも同じ人たちだけで働いていたら、価値観が固定化し、自分の人間性・強みを磨く機会もなくなってしまいます。

社会人は越境学習すべき

いわゆる「越境学習」に注目が集まっています。
日頃とは異なる人と付き合って、人間性・価値観・スキル・強みなどを見直す良い機会です。

  • 自社内では当たり前にやっていたことが、実は他社に価値貢献できることだった
  • 他の業界では当然にやられていることが、自業界では完全に放置されている

などなど、「驚き」を感じることでしょう。

そうやって大人(親)が幅広い人間関係を構築して、日々、新たな学びから刺激を受けていれば。
子どもに「受験だけ」という価値観を押し付けないはずです。
(学校の勉強も大切だと思います。ただ、それ”だけ”に捉われていることを問題提起しています)

まずは私たち自身が、より幅広い人間関係を築き、日々、色んな学びをすることが重要だと感じています。

まとめ
  • 幅広い人間関係を通じて、人間性・価値観・強み・スキルなどを磨くことができる
  • 単一の指標・価値観に捉われてしまうのはリスクが大きい
  • まずは大人である私たちが、日常の人間関係から「外に出て」行こう

【編集後記】
私は人見知りなので、外に出ていくことには、ストレスを感じてしまいます。
それでも間違いなく自分を成長させてくれるので、色んなところに顔を出しています。


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渋屋 隆一
プロフィール
マーケティングとITを駆使した「経営変革」「業務改善」を得意としています。コンサルティングや企業研修を通じて、中小企業の経営支援をしています。中小企業診断士。ドラッカーや人間学も学び中。趣味はトライアスロン・合気道。 詳細はこちらです。
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