「マネジメント」という言葉は、ビジネスシーンで日常的に使われています。
しかし、この言葉の意味を理解し、きちんと実践している人は少ないように思います。
「マネジメント」とは何なのでしょうか?
そして、身に着けるには、どうすれば良いのでしょうか?
自戒を込めて、記事にしてみました。
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「マネジメント」は立場や権利・権限ではない
マネジメントというと、立場や権利・権限のことを主張する声を聞くことがあります。
「権限さえ与えられれば、私がやるのに・・」というように。
しかし、マネジメントの本質は「責任」です。
manage to~という言葉が「なんとか~する」という意味であるように、マネジメント(management)とは、なんとかして成し遂げるする人のことを指すのではないでしょうか。
そこに立場や権利・権限は関係ありません。
実際には、組織においては立場や権限がないとできないこともあります。
しかし、真のマネジメントたる人は、そういう立場や権限を持っている他者を動かしてでも、なんとかするでしょう。
また、日本語で言う「管理」はマネジメントの一部に過ぎません。
英語だと管理は control です。
management の機能のごくごく一部として、control は紹介されています。
例えば、労働時間だけ管理しているのは、マネジメントでも何でもないわけです。
「マネジメント」の3つ役割
ドラッカーは言います。
組織は、目的ではなく手段である。
「その組織は何をなすべきか。機能は何か」
さらに、マネジメントの果たすべき3つの役割として、以下を挙げています。
- 自らの組織に特有の使命を果たす(成果をあげる)
- 仕事を通じて働く人たちを生かす(人を生かす)
- 自らが社会に与える影響を処理するとともに、社会の問題について貢献する
マネジメントの本質は責任(なんとかする)こととしつつ。
しかし、ただ成果をあげれば良いというものでもないのです。
2つ目は、そこで働く人たちの強みを生かすこと。
ドラッカーは、働く人たちの幸福を非常に重んじていました。
そして3つ目は、社会的責任です。
1974年に著した本書にて、現代型の企業における社会的責任を謳っています。
その背景として、以下の2つを挙げています。
- 企業の大きな実績に対し、過大な期待を生んだため(成功の代償)
- 政府に対する幻滅が進み、企業マネジメントが社会のリーダーとしての地位を受け継いだ
マネジメントたる人は、この3つの役割を果たさなければなりません。
日本の大企業における管理職研修は、戦略・会計・マーケティングなど、MBA的な内容が多いように思います。
しかし、その前に、このような基本(原理原則)を把握し実践することの方が、より重要であるように感じています。
最初はセルフマネジメントから
ドラッカーは『マネジメント』を1974年に出しています。
しかし、その前に『経営者の条件』を1966年に書いています。
この本は、タイトルに「経営者」とありますが、立場は関係なく、セルフマネジメントの本です。
英語のタイトルが『THE EFFECTIVE EXECUTIVE』であるように、成果をあげようとする人のための本です。
自分一人をマネジメントできない人が、組織をマネジメントできるはずもありません。
それに人を動かすことは簡単ではないですし、できる保障もありません。
だからこそ、最初にやるべきことは、自分自身を成果をあげられるよう、マネジメントすること。
全てのマネジメントは、ここから始まるように思います。
単に時間やタスク(やること)を把握するだけでなく、
- 達成したいものは何か?
(社会の常識などに囚われずに、自分が心から成し遂げたいことは?) - 思わず夢中になってしまうものは?
など、自分の心と対話することも含んでいるように思います。
自分の行動を客観的に振り返りつつ、自分にフィードバックする。
そして、明日からの行動を変えていく。
そういうセルフマネジメントができた上で、組織(他者)のマネジメントに取り組むと良いと感じています。
会社員として管理職(初級マネジメント)をやっていた当時の自分に言いたいです。
「人をどうこう言う前に、まず自分をしっかりマネジメントした方がいいよ」と。
- マネジメントの本質は責任、なんとかしてやり遂げる人のことを指す
- マネジメントが果たすべき役割は、成果をあげる・人を生かす・社会問題に貢献する
- まずやるべきは、セルフマネジメント
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【編集後記】
昨日、子どもがねん挫した関係で、病院に行ったり、学校に送り迎えしたり。
1日のスケジュールが大幅にズレてしまいました。。
もっと余裕をもったスケジュールを組んでおかないといけませんね。
(これもセルフマネジメントです)
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