書籍紹介

効率化よりも重要な活動の計画的な廃棄

業務の改善を行う際、大切なのは効率化よりも廃棄(その活動を止めること)です。
私たちは、つい新しい活動を足し算するばかりですが、その前に引き算しなければ、時間がたりなくなってしまいます。

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スモールビジネスが成果をあげるには「集中」が必要

人材・お金というリソースが限られているスモールビジネスでは、基本的にニッチな市場を狙うのが一般的な戦略です。

会社の適切な規模はどれくらいなのか?会社の規模は適切にマネジメントしなければなりません。単に大きくするだけの時代は終わりました。規模に応じて指数関数的に複雑性が増すからです。スモールビジネスでは、機会を見つけニッチ市場にアプローチする戦略が必要です。...

そして成果をあげるためには集中しなければなりません。

成果をあげるための秘訣を一つだけ挙げるならば、それは集中である。成果をあげる人は最も重要なことから始め、しかも一度に一つのことしかしない。
(P.Fドラッカー 『経営者の条件』)

「あれもやる、これもやる・・」と活動が分散していたら、なかなか成果をあげることはできないのですね。

しかし、私たちの業務は放っておくと、どんどん増えていきます。
社会・市場が常に変化していますので、それに追随するためです。
だからこそ、私たちは生産的であるために、予め計画的に止めること(廃棄)を組み込んでおく必要があります。

計画的に業務の廃棄を行う

では、どのように業務の廃棄を行えば良いのでしょうか。
ここでもドラッカーは1つの提案をしています。

成果をあげる者は、新しい活動を始める前に必ず古い活動を捨てる。肥満防止のためである。組織は油断するとすぐ体型を崩し、しまりをなくし、扱いがたいものとなる。
(P.Fドラッカー 『経営者の条件』)

このように、新たな活動を行う前に、必ず古い活動を捨てることです。
ただ、現場にヒアリングをすると全ての仕事に対して「これは必要です」と言われます。
理由は過去に囚われているからです。

今、ゼロから始めるにしても、その活動をスタートするか?
この視点で、各業務をチェックしていくことが求められます。
業務の優先順位(実際には捨てる順位を決めるので劣後順位)を決めていきます。

私は業務を棚卸しするとき、このような表を使っています。

目的が曖昧なものは、業務を止める対象にします。

  • 惰性で行われている定例ミーティング
  • 上司がどのように活用しているのかが見えない日報提出

などが典型例でしょうか。

問題になるのは、過去に成功した業務です。

馬車で成功している事業があったとして、今まで上手く継続できないのは、現代から見れば明らかです。しかし、馬車が上手くいっているときから、計画的に廃棄しなければ、自動車時代に対応することはできませんでした。

この辺りは、現場の業務プロセスレベルではなく、経営者が決断しなければなりません。

業務の優先順位の決め方

既に述べたことを含めて、優先順位を決めるときにチェックしたいことをご紹介します。

目的(=成果)から逆算する

私たちはつい、過去からの流れで業務を行ってしまいがちです。
しかし業務は過去のためではなく、将来のために行うもの。
1つ1つの業務に対して目的を確認するのは、そのためです。

目的が曖昧なもの。成果が定義されていないものについては、止める対象にします。

問題よりも機会に着目する

私たちは、つい目の前の問題に対処してしまいがちです。
お客様からクレームがきたら、その対応に追われ、問題が解決したら安堵します。
もちろん、問題には対処しなければなりません。

ただ、それだけではジリ貧です。
機会を見つけ、その機会に対応していかなければ、組織は変化できません。
言い換えると過去よりも将来に時間を使うべきです。

顧客への価値を創造しているか

その業務は、顧客にどのような価値を提供しているでしょうか。
顧客への価値を生まない業務は、極論を言えば全て無駄です。
全ての価値を数値化することは難しいですが、より大きな価値を提供する業務を優先します。

「1つのことに集中せよ」「過去を計画的に廃棄する」は、ドラッカーの有名な言葉です。
こちらの本の第5章に書かれています。

まとめ
  • スモールビジネスは、1つのことに集中した方が良い
  • そのために膨れ上がる業務を計画的に廃棄すべき
  • 目的から逆算し、機会・顧客価値に着目し、業務の優先順位を定める



【編集後記】
今朝、初めて参加するドラッカー読書会に参加しました。
ちょうど朝食の時間と被っていたので、参加するか悩みましたが・・
45分で数人の小さな勉強会でしたが、意見交換から学ぶことも多かったです。


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渋屋 隆一
プロフィール
マーケティングとIT、そしてデータを使った「売れ続ける仕組みづくり」「業務改善」が得意。コンサルティングや研修・セミナーで中小企業の経営支援をしています。元IT企業でエンジニア→マーケティング。中小企業診断士。
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