顧客別の売上、把握していますでしょうか?優良顧客を見つけるためには、顧客別の売上を求めることが必要です。
売上だけでなく、利益やその他の属性を見ることも重要ですが、売上は最初に確認しやすい項目です。
この記事では、受注データ(注文明細)から、エクセル(Excel)を使って顧客別の売上を求める方法をご紹介します。
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Contents
受注データ(注文明細)はどこにあるか?
まず、元となるデータを準備します。
- 日付(受注日/出荷日など)
- 顧客(会社名/氏名/顧客IDなど)
- 金額
- 商品(商品名/商品IDなど)
- 受注ID(1回の受注を特定するためのID)
これらのデータを準備します。
顧客別売上を算出するのに最低限必要なのは、1~3です。
会社によって、このデータが蓄積されているところは異なります。
- 小売業であればPOS
- ECサイトを運営していれば、そこに蓄積されているデータ
- 営業チームが管理している受注台帳
- 経理で入力している会計ソフト
など、会社によって使えるデータのある場所は変わりますので、まずは確認してみましょう。
補足ですが、データ活用をする上での前提は、自社にとって必要なデータがどこにあるか?を把握することです。
活用するだけでなく、情報を守る(情報セキュリティを高める)ためにも、非常に重要です。
データを生成・整理する
データを生成する
POSやECサイト、会計ソフトなどからデータを出力します。
大抵の場合、CSVファイルで出力することができます。
※かなり古いソフトの場合、CSVですら出力できないことがあります。
今後のデータ活用を考えた場合、そのような古いソフトは変えておきたいです。
例えば2020年1年間のデータを分析したい場合には、その期間を特定して、データを出力します。
そのような期間指定ができない場合には、全部出力して、データを整理する段階で、余計なデータを削除します。
データをデータベース形式に整理する
エクセルで顧客別売上を算出するためには、データを処理できる形に変えておく必要があります。
まずデータを処理する前のダメな状態をご紹介します。
良くあるパターン(その1)は、空白の行や列・セルがある場合です。
表の左側・上側にも、余計な空白行・列を入れないようにしましょう。
(A1セルから詰めてデータを入力します)
良くあるパターン(その2)は、1つのセルに複数のデータが含まれる場合です。
どちらもエクセルでは処理できない形です。
以下のように1行ずつ、キレイにデータが含まれている形式に整えます。
またセル結合は絶対に禁止です。
(エクセルからセル結合の機能が無くなれば良いのに・・と思います)
この例は1回の受注(=受注IDが同じ)で、同じ顧客が3つの商品を購入しています。
同じ受注ID、受注日、顧客IDが繰り返されるのは、人間としては見にくいかもしれません。
ただ、データを一括処理するときには、このような形式(データベース形式)が必須になります。
ちなみにデータ活用する上で、最も手間が掛かるのは、このデータ整理です。
(余談ですが、データ分析における「前処理」と言います)
したがってできる限り最初からデータベース形式で出力できるツール(POSや会計ソフト)を利用することをお勧めしています。
事業の本質じゃないところで、余計な手間をかけたくないですからね。
エクセル(Excel)で顧客別売上を算出する
このようにデータを整理できたら、エクセルで顧客別売上を算出します。
やり方は簡単です。
受注日、顧客ID、金額の3つからなるシンプルなパターンで見てみましょう。
このように整理できているデータがあれば、顧客別売上はSUMIF関数を使って一発で算出できます。
顧客一覧を作成
最初にE列に顧客IDの一覧を作成しておきます。
この例では顧客IDなので、オートフィルによる連続データの作成で一発で作成しています。
これが顧客会社名などの場合は、別途、顧客マスタなどからコピーしてくる必要があります。
顧客一覧がどこにあるか?も会社によって異なります。
これを機会に確認して、いつでも利用できる状態にしておきましょう。
顧客別売上を算出
ここまで長い道のりでしたが、顧客別売上の算出は一瞬です。
エクセルのSUMIF関数を利用します。
顧客(B0001:E2セル)の1年間の金額を算出するには、以下の式を入力します。
F2 = SUMIF(B:B, E2,C:C)
SUMIF関数は、以下のようなものです。
=SUMIF(範囲、検索条件、合計範囲)
- 表内で「範囲」の列と「合計範囲」の列を指定
- 「範囲」のなかで、検索条件に一致するセルを探す
- 「合計範囲」のセルの数値だけを合計する
この例では、B列(顧客ID)の中からE2(B0001)を検索して、C列(金額)の合計を出すことになります。
受注日が2020年1月1日~2020年12月31日までに絞り込めていれば、年間の合計金額を出すことができます。
同じ式を全顧客IDにコピーすれば、顧客ごとの売上が分かります。
順位を把握したり、売れている顧客とそうでない顧客を分類するには、こちらの記事をご覧下さい。
補足
この例では「受注日」を基準としていますので、厳密に言えば「売上」ではありません。
分析するときに、何を基準にしているのか?を意識して、分析するときにいつも同じ基準を使うようにしましょう。
その都度、受注日になったり出荷日になったり基準が変わると、分析結果も変わってしまいます。
また、同じやり方で、商品別売上を算出することも可能です。
顧客別よりも商品別売上が重要な事業の場合には、商品別に分けて分析してみましょう。
- 受注・売上データのあるところは会社によって異なる(把握しておく)
- エクセルで処理する前に、データベース形式に整える
- SUMIF関数を使って顧客別売上を算出する
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【編集後記】
自分でつくる昼食のパターンが少なすぎて飽きてきました。。
昨日は考え事しながら準備したら、ミートソーススパゲティ・トマトスープ・野菜ジュース(トマト中心)と、トマトだらけに(笑)
もう少しレパートリーを増やさないと。
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