CRM(顧客・案件管理)

受注データ(注文明細)から顧客別の売上を求める方法

顧客別の売上、把握していますでしょうか?優良顧客を見つけるためには、顧客別の売上を求めることが必要です。
売上だけでなく、利益やその他の属性を見ることも重要ですが、売上は最初に確認しやすい項目です。

この記事では、受注データ(注文明細)から、エクセル(Excel)を使って顧客別の売上を求める方法をご紹介します。

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受注データ(注文明細)はどこにあるか?

まず、元となるデータを準備します。

  1. 日付(受注日/出荷日など)
  2. 顧客(会社名/氏名/顧客IDなど)
  3. 金額
  4. 商品(商品名/商品IDなど)
  5. 受注ID(1回の受注を特定するためのID)

これらのデータを準備します。
顧客別売上を算出するのに最低限必要なのは、1~3です。

会社によって、このデータが蓄積されているところは異なります。

  • 小売業であればPOS
  • ECサイトを運営していれば、そこに蓄積されているデータ
  • 営業チームが管理している受注台帳
  • 経理で入力している会計ソフト

など、会社によって使えるデータのある場所は変わりますので、まずは確認してみましょう。

補足ですが、データ活用をする上での前提は、自社にとって必要なデータがどこにあるか?を把握することです。
活用するだけでなく、情報を守る(情報セキュリティを高める)ためにも、非常に重要です。

データを生成・整理する

データを生成する

POSやECサイト、会計ソフトなどからデータを出力します。
大抵の場合、CSVファイルで出力することができます。

※かなり古いソフトの場合、CSVですら出力できないことがあります。
今後のデータ活用を考えた場合、そのような古いソフトは変えておきたいです。

例えば2020年1年間のデータを分析したい場合には、その期間を特定して、データを出力します。
そのような期間指定ができない場合には、全部出力して、データを整理する段階で、余計なデータを削除します。

データをデータベース形式に整理する

エクセルで顧客別売上を算出するためには、データを処理できる形に変えておく必要があります。
まずデータを処理する前のダメな状態をご紹介します。

良くあるパターン(その1)は、空白の行や列・セルがある場合です。
表の左側・上側にも、余計な空白行・列を入れないようにしましょう。
(A1セルから詰めてデータを入力します)

良くあるパターン(その2)は、1つのセルに複数のデータが含まれる場合です。

どちらもエクセルでは処理できない形です。
以下のように1行ずつ、キレイにデータが含まれている形式に整えます。

またセル結合は絶対に禁止です。
(エクセルからセル結合の機能が無くなれば良いのに・・と思います)

この例は1回の受注(=受注IDが同じ)で、同じ顧客が3つの商品を購入しています。
同じ受注ID、受注日、顧客IDが繰り返されるのは、人間としては見にくいかもしれません。
ただ、データを一括処理するときには、このような形式(データベース形式)が必須になります。

ちなみにデータ活用する上で、最も手間が掛かるのは、このデータ整理です。
(余談ですが、データ分析における「前処理」と言います)

したがってできる限り最初からデータベース形式で出力できるツール(POSや会計ソフト)を利用することをお勧めしています。
事業の本質じゃないところで、余計な手間をかけたくないですからね。

エクセル(Excel)で顧客別売上を算出する

このようにデータを整理できたら、エクセルで顧客別売上を算出します。
やり方は簡単です。
受注日、顧客ID、金額の3つからなるシンプルなパターンで見てみましょう。

このように整理できているデータがあれば、顧客別売上はSUMIF関数を使って一発で算出できます。

顧客一覧を作成

最初にE列に顧客IDの一覧を作成しておきます。
この例では顧客IDなので、オートフィルによる連続データの作成で一発で作成しています。

これが顧客会社名などの場合は、別途、顧客マスタなどからコピーしてくる必要があります。

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顧客一覧がどこにあるか?も会社によって異なります。
これを機会に確認して、いつでも利用できる状態にしておきましょう。

顧客別売上を算出

ここまで長い道のりでしたが、顧客別売上の算出は一瞬です。
エクセルのSUMIF関数を利用します。

顧客(B0001:E2セル)の1年間の金額を算出するには、以下の式を入力します。

F2 = SUMIF(B:B, E2,C:C)

SUMIF関数は、以下のようなものです。

=SUMIF(範囲、検索条件、合計範囲)

  1. 表内で「範囲」の列と「合計範囲」の列を指定
  2. 「範囲」のなかで、検索条件に一致するセルを探す
  3. 「合計範囲」のセルの数値だけを合計する

この例では、B列(顧客ID)の中からE2(B0001)を検索して、C列(金額)の合計を出すことになります。
受注日が2020年1月1日~2020年12月31日までに絞り込めていれば、年間の合計金額を出すことができます。

同じ式を全顧客IDにコピーすれば、顧客ごとの売上が分かります。

順位を把握したり、売れている顧客とそうでない顧客を分類するには、こちらの記事をご覧下さい。

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補足

この例では「受注日」を基準としていますので、厳密に言えば「売上」ではありません。
分析するときに、何を基準にしているのか?を意識して、分析するときにいつも同じ基準を使うようにしましょう。
その都度、受注日になったり出荷日になったり基準が変わると、分析結果も変わってしまいます。

また、同じやり方で、商品別売上を算出することも可能です。
顧客別よりも商品別売上が重要な事業の場合には、商品別に分けて分析してみましょう。

まとめ
  • 受注・売上データのあるところは会社によって異なる(把握しておく)
  • エクセルで処理する前に、データベース形式に整える
  • SUMIF関数を使って顧客別売上を算出する

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【編集後記】
自分でつくる昼食のパターンが少なすぎて飽きてきました。。
昨日は考え事しながら準備したら、ミートソーススパゲティ・トマトスープ・野菜ジュース(トマト中心)と、トマトだらけに(笑)
もう少しレパートリーを増やさないと。


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渋屋 隆一
プロフィール
マーケティングとITを駆使した「経営変革」「業務改善」を得意としています。コンサルティングや企業研修を通じて、中小企業の経営支援をしています。中小企業診断士。ドラッカーや人間学も学び中。趣味はトライアスロン・合気道。 詳細はこちらです。
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