時間管理と言うと「どんなツールを使うのか?」など、表面的なノウハウに振り回されがちです。
しかし、それ以前の基本を知っておかなければ、どんなツールを使っても空回りするだけ。
この記事では、知識をベースに働く私たちが知っておきたい、時間管理の基本をご紹介します。
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計画からではなく、時間からスタートする
私たちは目標を立てるとき、何をやるか?という計画からスタートしてしまいがちです。
組織の目標を個人目標に落とし込み、この半年(四半期)で何を達成するか?
そんな目標管理制度に巻き込まれていると、計画重視になってしまいます。
しかし、計画から始めると、ほぼ失敗します。
(私も何度も経験があります・・)
何かをやるのに最も貴重なリソースである「時間」が足りないからです。
したがって、まずは時間からスタートしなければなりません。
どんなお金持ちも、社長も、平社員も、時間は増やすことができません。
等しく限られた資源に着目することが重要です。
時間を記録→整理→まとめる
では、どのように時間からスタートするか?
時間を記録し、整理、まとめていきます。
時間を記録する
私たちは普段、時間の使い方を把握していません。
思っている以上に、余計なことに時間を取られています。
お金を貯めるなら、お小遣い帳をつける。
ダイエットするなら、体重を記録する。
それと同じように、まずは現実を正しく把握しなければなりません。
やってみるとショックを受けることも多いですが、だからこそやってみるべきです。
仕事の種類にもよりますが、3~4週間は記録を取ってみると良いでしょう。
この記事では具体的なツールのご紹介はしませんが、タイマーをかけておき、30分~60分毎に何をしていたかを振り返って記録すると良いでしょう。
この活動は組織でやると業務プロセスの改善にも役立ちます。
時間を整理する
記録をつけたら、自分の時間の使い方を診断・改善します。
- 時間の浪費である仕事を止める
成果につながらない会議など、浪費だけの仕事を排除します - 他の人・ツールでできることを考える
自分が時間をかけずとも、より適した人に任せる。あるいはITツールを活用して自動化するなどが考えられます - 時間の浪費を見つけたら、原因を見つけて排除する
例えば私は以前、SNSの時間が長すぎることを見つけて、アプリの利用時間を制限しました
ただ、やってみると分かるのですが、実は個人が原因の時間浪費よりも、組織(マネジメント)の問題に起因する時間浪費が多いはずです。日頃から個人で時間管理に取り組んでいる人ほど、そう感じるでしょう。
会議の過剰などは、その典型例です。
社内の情報共有が機能していないことで、時間を浪費させられていることもあるでしょう。
マネジメントや組織構造の間違いに起因する時間浪費については、機会があれば、別途記事にしたいと思います。
時間をまとめる
知識を使う私たちの仕事は、まとまった時間がなければ成果を上げられません。
肉体労働者と異なり、時間と成果は比例しません。
細切れ時間を有効に活用することにも意味がありますが、それだけでは無理があります。
特にアイデアを出すことや、バラバラなことを体系化することなど、ある程度まとまった時間がなければ難しいです。
そのため、時間を整理した後で、まとまった時間をつくり出しましょう。
- 週に1度は自宅に籠って仕事をする
- 午前中は自宅で仕事をする
- 日常の仕事は週2日にまとめてしまう
など、工夫してみましょう。
自らへフィードバックする
時間を記録→整理→まとめた上で、実際の仕事をします。
仕事をした結果は定期的に振り返る(フィードバック)と良いでしょう。
振り返る目的は、自分のことを知り、自分をより上手に活用することです。
基本的には毎日、振り返るようにしています。
私の場合は、以下の点に着目して振り返っています。
- (感覚的に)今日は何点だったか?
- その理由は?
- 今日発揮できた関心・強みは何だったか?
人間ですから、良い日もあれば悪い日もあります。
1日だけの100点を狙うのではなく、高い平均点を狙っていきます。
調子の良い日は頑張り過ぎない。
調子の悪い日に点数を落とし過ぎないようにする。
そんなことを気をつけています。
私の場合は、前日の夜に翌日やることをまとめてから寝ると、調子が良いことが多いです。
寝ている間にタスクやアイデアが熟成?されるのでしょう。
最後に、この記事でご紹介したことは、ドラッカー『経営者の条件』に書かれていることがベースです。
54年前(1966年)に書かれた本ですが、本質は何も変わっていません。
むしろ肉体労働者が中心だった当時に、これだけ先を見据えた提言ができるドラッカーの慧眼に驚かざるを得ません。
自らを「傍観者」と言っていたドラッカーですが、時代・世界を広く深く傍観されていたのでしょうね。
ご興味のある方は、読んでみると発見があるでしょう。
邦題は『経営者の条件』ですが、ここでの「経営者」とは知識労働者のことです。
成果を上げたい方には、お勧めです。
フィードバックの手法については、こちらの本が参考になります。
- 成果を上げるには計画ではなく時間からスタートする
- 時間を記録・整理・まとめる
- 毎日振り返り、自らを知る
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【編集後記】
最近、ドラッカーばかり読んでいますが、色々経験してきた後に読むと「ぐるっと1周まわってきて基本に戻った感」満載です。
本質を突きまくっていて楽しいので、しばらくドラッカー漬けになります。
(並行して他の本も読んではいますが・・)
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