中小企業では、情報システム(IT)担当者が1人しかいないことが多いです。
いわゆる「ひとり情シス」です。
しかし、今の世の中において、ひとり情シスは経営リスクが高い状態と言えます。
経営者として、最低限、そのリスクは理解しておかねばなりません。
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情報システム(IT)に関わる仕事は広範囲
今はITなしで経営することはできません。
既にITが社会インフラになっているので、情シス(IT)の仕事は、非常に広範囲にわたっています。詳細はこちらの記事をご覧ください。
概要だけお伝えすると、以下の仕事があります。
- サポート・ヘルプデスク
- ITインフラの企画、構築、運用、保守
- 情報システムの企画、構築、運用、保守
- 業務プロセス改善
- 事業計画、商品・サービス企画
- その他
このような広範囲な仕事を、ひとりで行うことは不可能です。
理由は以下の2つです。
スキルの問題
20年以上、IT業界に関わっている私も、これらの業務全てに対応するのは不可能です。
ちょっとパソコンが詳しいくらいで選ばれた人が、すぐに対応できるようなものではありません。
それに人それぞれ、得意分野があります。
製造業でも企画・設計・製造・試験・メンテなどに役割が分かれています。
同様に情シスの仕事も、得意分野ごとに人を割り当てた方が良いのです。
時間の問題
例えば、何らかのシステム障害が発生すると、その対応に時間を取られてしまいます。
その間、他の仕事は一切行えなくなってしまいます。
システム障害以外にも、以下のようなことが考えられます。
- ひとり情シスの方が新型コロナやインフルエンザに罹ってしまったら?
- 交通事故に遭ったり、ご家族に不幸が遭ったりしたら?
情シス(IT)の仕事に限ったことではありません。
仕事をたった1人に任せきりにするのは、リスクが高すぎます。
新型コロナの件を見ていると、2週間くらい休まれても大丈夫な体制を整える必要がありそうです。
システム停止は、信用の失墜を招く
システム障害が発生したとき、情シス担当者が動けないと、業務が停止しかねません。
- 現場は生産が止まったり、お客様対応ができなくなったりして、焦るばかり
- 経営者は何とかしたいけれども、情シス担当者がいないと、何もできない
こんな状態が続けば、お客様からの信用を失ってしまいます。
「おたくの体制、どうなっているんですか?」と。
少なくとも業務に密接に関係するシステムは、いつでも障害対応できるようにしておかなければなりません。
小売店なら、POSレジが止まってしまったら、お客様に迷惑をかけます。
製造業なら、生産管理システムが止まったら、その日の業務が止まってしまいます。
営業時間・業務時間中は、これらのシステムはすぐにでも復旧できる体制が必要です。
一方、勤怠管理システムや会計ソフトなどは通常、1日止まったくらいでは、大きな損失は発生しません。このようにシステムごとに、必要な体制は変わってきます。(SLAと言います)
休めない体制は人を疲弊させる
「ひとり情シス」の最大のリスクは、その人が辞めてしまうことです。
情シスの仕事は、多くの企業にとって「裏方扱い」です。
経営者もITに疎い人が多いので、担当者を決めたら、後は丸投げしがち。
私の知人(情シス)が言っていました。
「良かれと思って企画を提案したのだけど、ITに疎い役員から『止めてくれ』と言われた」と。
会社のためを思っての提案が、中身以前に「分からないから」と却下される。
その上で、システム障害があったときだけ、「何をやってんだ!」「早く直せ!」と罵倒される。
自分の仕事の価値を、誰一人理解してくれない環境で、人は幸せに仕事をすることができるでしょうか?決して長くは続かないでしょうし、少なくともモチベーションは全く上がらないでしょう。私だったら、即辞めてしまいそうです。
このような追い込んだ環境にしないためにも、「ひとり情シス」を脱却し、何名かの体制を整えましょう。人員が限られた中小企業では「そんな人はいない」と言われがちです。具体的にどうすべきかは、次回にお伝えします。
- 情シス(IT)の仕事は多岐に渡り、1人で対応するのは不可能
- 1人に依存していると、社会的な信用を失いかねない
- 丸投げして辞められるリスクに対応するためにも、「ひとり」は脱却する
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【編集後記】
ほぼ全ての仕事をリモート対応にしています。
今月は仕事で電車に乗ったのは3回だけですが、さすがにメリハリをつけるのが難しく感じます。
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