昔ながらの業界ほど、ITなどテクノロジーの活用が遅れています。
「自分たちには関係ない」というわけです。
逆に言えば、そういう業界こそ、ITを活用することで、劇的に変わることができます。
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産業別労働生産性の国際社会との比較
『シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成』(図2-5)に、他国(ドイツ・イギリス・フランス・アメリカ)と比較した面白いデータがあります。
日本を1としたときに、他国の産業別労働生産性が示されています。
それによると、他国よりも生産性が高いのは、
- 機械・電気・情報通信機器(他国平均は0.86)
- 輸送用機械(同0.92)
の2つだけ。主だったところを挙げると
- 飲食・宿泊(同1.96)
- 卸売・小売(同2.02)
と約2倍の差をつけられている産業。
- 情報・通信(同3.22)
テクノロジーを活用する産業の生産性が低いという実態。
- 鉱業(同6.68)
- 農林水産(同21.72)
これらはボロ負けと言って良いでしょう。
私が面白いと思うのは、これだけ生産性に差をつけられているにも関わらず、日本という国が国際社会で見れば、まだ豊かなこと。
もっとテクノロジーを活用できるようになれば、より豊かになるのではないでしょうか。
〇〇テックを考えてみる
昔からある産業・分野にて、テクノロジーの活用が進んでいます。
- FinTech(フィンテック:金融におけるテクノロジーの活用)
- EdTech(エドテック:教育)
などはいち早く取り組みが始まりました。
今回の新型コロナウイルスの休校で、学校がリモート授業すら始められないところを見ると、日本の義務教育の現場には、まだまだEdTechは浸透していませんが・・
2016年にオリンピックが開催されたときには、Sports-Tech(スポーツテック:スポーツ)という言葉が流行りました。その他、以下のようなものが生まれています。
- FoodTech(フード)
- AdTech(広告)
- HRTech(人材)
- FashionTech(ファッション)
- HealthTech(健康)
- AgriTech(農業)
- CleanTech(環境)
ただ、まだまだ開拓の余地はあるのではないでしょうか。
例えばHRTech(人材)を見ても、採用から適材適所な配置、スキル管理など、多岐に渡ります。1つ1つ見ていくと、全く未開拓な領域が残っています。また、何よりも日本の現場に浸透していないからです。
また農業とテクノロジーの掛け算も進んでいますが、日本の狭い農地では制約条件が多いです。日本独自で開拓しなければならないことも多いのです。
今、自社が行っているビジネスに「テック(Tech)」を掛け算したら、どんなことができるだろうか?そんな発想を常に持っておきたいものです。私自身、コンサルティングやセミナー・研修とテクノロジーの掛け算を考え続けています。
〇〇テックはスタートアップの専売特許ではない
このような話をすると
「ウチはベンチャー(スタートアップ)じゃないから」
という答えが返ってくることも多いです。
しかし、〇〇テックはスタートアップにしか行えないものではありません。
確かにIT(情報通信技術)を中心とするテクノロジーに詳しい人はいないかもしれません。
一方で、既存の業界のことは、スタートアップよりも深く深く知っているはずです。
現状、業界が抱えている問題を痛いほど認識しているのではないでしょうか。
その問題をどう解決していくのか?
ITの専門家と組んで、知恵を出し合いながら、取り組んでいくと良いでしょう。
まずは問題を認識し、テクノロジーを活用できないか?そういう視点を持ってみると良いでしょう。
なお、ITの専門家は、いきなりシステム開発するよりも、既にあるシステムを活用する提案をしてくれるベンダーが良いですね。
- 産業別生産性は欧米と比べて、ほとんどの産業が低い
- 既存の業界で「〇〇テック」できないか?を考えてみる
- 外部のIT人材を活用しつつ、目の前の問題を解決する
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【編集後記】
もうすぐ4月とは思えぬ雪がガッツリと。
既に止みましたが、自宅近辺は、かなり積もりました。
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