会社全体のITスキルを上げるなら、「会社支給のパソコン」を止めれば良いと考えています。
<スポンサードリンク>
パソコン選びから自分事にして、主体性を持つ
会社の経営者・従業員のITスキルが上がらない理由の1つは「ITは自分の仕事ではない」と考えているからです。
パソコン選びをシステム担当者の仕事にして、自分たちは支給されたパソコンを使うだけ。思った通りに動かなかったり、操作に困ったときはシステム担当者を呼びつける。(単に自分の操作が間違っていたり、知らないだけのときでさえ・・)
そうやってITを「他人事」だと思っているから、いつまで経ってもITスキルが上がらないのです。
現代において、パソコンやスマホは仕事をする上での、最重要ツールの1つです。
野球選手がバットやグローブを自分でメンテナンスするように、料理人が包丁の手入れをするように、私たちも自分で使うパソコンは、自分で選び、自分でメンテナンスした方が良いでしょう。
いわゆるBYOD(Bring Your Own Device)です。
自分で選び、仕事で使えるようにセットアップしたパソコンには、愛着がわきます。今までよりも大事に使うでしょうし、困ったことがあっても、まずは自分で調べるでしょう。そうやってパソコンが「自分事」になることで、自ずとスキルは上がっていきます。
疑問が生まれるからスキルが上がる
「自分のパソコンを仕事に使う」ことに関して、様々な疑問が浮かぶでしょう。
- 私用にも使って良いのか?それとも仕事以外の利用を禁止するのか?
- 会社のWi-Fiにはどうやってつなげば良いのか?
- ウイルス対策ソフトがインストールされていることを、どうやって確認すれば良いのか?
- プリンターの設定とかも利用者がやるのか?
- ファイル(データ)はどこに置けば良いのか?バックアップはどうするのか?
- パソコンが壊れたときの修理費用は、会社?従業員?どっちが負担するの?
などなど。技術的な面からも、会社のルール的な面からも疑問点が出てきます。
利用者側は、自分で選んだパソコンに愛着を持ちつつあるので、「こうしたい」という意見を言うようになります。一方、経営者・システム担当者は、セキュリティの問題が起きたりしないように、メーカーやOS(Windows、Macなど)がバラバラになったパソコンを、どう管理するのか?を悩むことになります。
このような疑問を解決するために利用者・システム担当者の双方が今までより頭を使うようになるので、組織全体としてITスキルが上がるのです。
<スポンサードリンク>
システム担当者の負荷が減り、本業に集中できる
会社からは、パソコンを購入・維持するためのお金だけ支給します。さすがにお金も出さずに「パソコン持ってこい」というのは、事実上の賃下げですから、経営者のモラルが問われます。
パソコンは個々人が選んでいますから、その操作方法などの問い合わせは受けず、各自で問題解決してもらいます。会社のWi-FiにつなぐのであればSSIDとパスワードなどのような共通情報だけ伝えて、設定は各自のパソコンで調べてやってもらいます。
一方、会社が提供するシステム(例:勤怠管理システム)に関することは、操作手順も説明しますし、質問も受け付けるようにします。こうすることによって、Windowsの操作方法など、(世の中に転がっている)一般的な問い合わせが減ります。ただでさえリソース不足の中小企業にとって、これはありがたい話です。
さらに、従業員それぞれが自分自身のパソコンを選んで使うと、困ったことをお互いに助け合うようになります。
「私のパソコンでは、こうやったらできるようになったよ」
「そういうときは、このソフトを使えば便利ですよ」
というように。
従業員同士が教え合うようになることで、ITスキルが上がります。
コミュニケーションも促進されて、本来業務の質問もしやすくなります。
実際にBYODを導入するのは、なかなか大変です。
しかし、それを乗り越えるだけのメリットが十二分にある、と私は導入企業を見て感じています。
次回は、BYODを導入するために必要なシステム環境の準備と、従業員が新たに果たす役割についてご紹介します。
- 会社全員のパソコンスキルを上げるなら、パソコンの支給を止める
- 一定金額を支給して、調達もセットアップも各自でやってもらう
- そうすることによって、会社全体のパソコンスキルが高くなる
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
メルマガ『経営は100種競技!』を毎日配信しています。
マーケティングやITを身につけたい。
ビジネスを楽しみたい。
変化・成長したいというビジネスパーソンにお読みいただいています。