以前にこちらの記事でコンサルティングとは何か?2つの条件をお伝えしました。
1つ目の条件は、現状と理想像、その間のギャップを洗い出すことでした。
その具体的な手法としてデザイン思考と相性が良いのではないかと考えているので、まとめてみます。
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コンサルティングが機能する2つの条件
以前の記事で紹介したコンサルティングの2つの条件は、以下の通りです。
- 現状と理想とする将来像のギャップを明確にする
- ギャップを埋めるための仕組みを導入する
この2つの条件を満たすために、以下のような流れでコンサルティングを進めていきます。
- まずは現状を正しく理解する
- そして理想像を描く
- 現状と理想像の間のギャップを明確にする
- そのギャップを埋めるための仕組みを導入する
という流れです。
ただ、実際にこの流れをどのように進めていくか?について、もう少し掘り下げが必要だと感じていました。そこで発見したのが「デザイン思考」。この1~4の流れをスムーズに進めるのに相性が良いのが「デザイン思考」なのでは?と仮説を持っています。
デザイン思考とは?
では、デザイン思考とは何でしょうか?
デザイナーがデザイン業務で使う思考方法のプロセスを活用して、ビジネスなどにおける前例のない問題や未知の課題に対して最も相応しい解決を図るための思考法(こちらのサイトより)
多くの組織は「初めて」の出来事や取り組みに困惑しています。その分、このような未知の課題に対する思考法が求められていると言えます。
世の中の複雑性が増せば増すほど、前例に囚われた問題解決手法だけでは、次のステップに進めなくなってきているのです。従来型の論理思考中心のコンサルタントが苦しんでいるのも、そのような理由でしょう。(もちろん、論理思考にも優れている点はあります。適材適所と言いたいだけです)
私自身、コンサルティングをさせて頂くなかで、似たようなパターンや根本的には同じ問題に当たることは多々あります。しかしそれでも、辿り着きたい理想の状態は、社長・組織によって異なります。
新しい発想を生み出すことへの期待が増しているからこそ、デザイン思考がコンサルティングの場で有効に働くのではないでしょうか。
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ギャップを明確化するまでの流れとデザイン思考の流れ
一般的なデザイン思考の流れ(プロセス)は、以下のように進みます。
- 共感
- 問題定義
- アイデア創造
- 試作
- テスト
この流れを知って、私が無意識に感じていたことの裏付けがされたように感じています。
と言うのは、私はコンサルティングのスタートを「兎にも角にもまずは徹底的に聴く」だと考えています。
お客様の話す表面的な言葉だけではなく、その裏にある背景や想いに対しても興味を持ち、共感できなければ、信頼されることなどないと感じているからです。以前に行ったコンサルティング・メソッドのセミナーでも、そのようなことをお伝えしています。
しっかりと話を聴いて信頼を得なければ、会社・人生の重要なことを話してくれることはありません。目の前にコンサルタントが居るというだけで、何でも正直に話せるわけではないでしょう。なのに話を遮って勝手に話し出す士業・コンサルタントが後を絶たないのです。
まずは聴く。そして共感しつつ、お客様から人間として信じていただく。そうして共感から得られた気づきを元に、問題定義を行います。ここでの問題定義とは、理想の状態を描くことと同義と考えて良いでしょう。
次にアイデア創造です。ギャップを埋めるための仕組みをどうするか?具体的なアイデアを挙げていきます。理想の状態を描くと言っても、「どうですか?」と聴くだけでは出てきません。様々なアイデアをぶつけて議論し合うなかで、少しずつ形が見えてくるのです。
この辺りからソフトウェアで言うアジャイル開発の考え方にも近いものが出てきているように感じます。
そしてギャップを埋めるための仕組みとして、モノやシステムをつくる場合には、試作・テストと進んでいきます。
このようなデザイン思考の流れとコンサルティングの流れを関連付けると、今まで以上に、コンサルティングがスムーズに進むように感じています。
- コンサルティングの条件の1つは、現状・理想像・ギャップを描くこと
- これらを描くのに、デザイン思考の相性が良い
- デザイン思考は共感・問題定義・アイデア創造・施策・テストと進む
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