経営

戦略立案にフレームワークを利用するのはなぜ?

経営戦略・戦略を立てようとすると、必ず出てくるのが「フレームワーク」。
なぜフレームワークが必要なのでしょうか?

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理由を考えずにフレームワークを使わない

このブログは基本的に経営者向けに書いています。
しかし今回は、同時に中小企業診断士(の卵)に向けても書いています。

何の理由も考えずに、無邪気にフレームワークを振り回す診断士が後を絶たないからです。
おそらく、

  • 企業経営理論で習い
  • 実務補習で使うように指示され

嬉しくなって使い続けているのでしょう。
(某なんとかバンクとかでも、第1回でSWOT分析するよう、指示してくるみたいですし)

しかし、理由なく使うのは、オモチャで遊んでいる子どもと変わりません。
本当に顧客企業のためになっているのでしょうか?

ちなみに、初期に習うSWOT分析ですが、数ある中でも、難易度が高いフレームワークです。
少し古い記事ですが、大事なポイントは変わっていません。

SWOT分析は難しい(利用シーン・使えないシーン、使い方を解説)SWOT分析は、使い方が難しいフレームワークです。にも関わらず、間違った使われ方をして、残念な結果になっているところを良く見ます。SWOT分析が使えるシーン・使えないシーン、使い方を解説します。...

企業支援にフレームワークを使うのであれば、その背景や使う理由を明確にしてから使いたいものです。

戦略立案時に、最も怖いのは「重大な見落とし」

戦略を立てる際、一般的には以下の手順で進めていくでしょう。

  1. 環境分析(外部環境・内部環境)
  2. 事業領域(ドメイン)の決定
  3. 戦略立案
  4. 戦略実行

もちろん、昨今は市場の変化が激しいので、完全に順番通りには進みません。
商品をリリースして顧客の反応を見てから修正していく、というようなパターンも増えています。
ここでは便宜上、順番に進んでいくものとして話を続けます。

環境分析を行い、事業領域を決めて、いよいよ戦略を立案していくわけですが。
1と2で重大な見落としがあると、致命的なダメージを受けかねません。

例えば、以下のようなものです。

  • 法律が改定されたのを知らずに、戦略を考え・実行してしまう
  • 競合の動きを見逃したまま、販売戦略を展開してしまう
  • 顧客の利用デバイスがパソコン主体からスマホにシフトしているのに、パソコンに最適化したサイトをつくってしまう

繰り返しになりますが、重大な論点を見落としたまま、戦略を立案・実行してしまうと大きなダメージを受けかねません。
そうでなかったとしても、時間・お金・労力の無駄づかいは避けられません。

まとめると、戦略立案時に最も避けたいことが、大事な論点の見落としなのです。

フレームワークを使う理由

私はフレームワークを利用する理由を、最低2つ意識しています。

  1. (その事業に関わっている)経営者自身が気づいていない論点を発掘すること
  2. 得られた情報を構造化すること

上に述べましたように、戦略立案で最も怖いのは、重大な見落としです。
それを避けるために、フレームワークを活用します。
(ただ、これら2点が満たされるのであれば、別にフレームワークでなくても良いのです。手段に過ぎませんので)

先の例で言えば、1つ目は「PEST分析」にて、法改正のチェックを行っていれば見落としません。
同じく2つ目は「3C分析」、3つ目は「顧客の購買行動」を洗い出していれば見落としません。

このようにフレームワークを使って情報を収集した上で、構造化します。
すると、日々様々な情報に流されがちな経営者にも、理解しやすくなります。

その他にもフレームワークを活用する理由には、

  • 理念・ビジョン・全社戦略・事業戦略・機能別戦略の間に整合性(一貫性)を保つ
  • 先達の知恵を拝借して、効率よく戦略立案する

などがあります。

個々のフレームワークには、それぞれの目的や適した利用シーンがあります。
もちろん、それらも意識します。
ただそれ以前に、フレームワーク全体を活用する理由が、あまり意識されていないように感じているので、記事にしてみました。

プロとして使う以上、習ったから・指示されたから・慣習だからフレームワークを使うのではありません。
意味がある(=顧客のためになる)から使うのです。

そして、フレームワークだけに頼らず、足らない論点などがあるときには、ロジカルシンキング全般を駆使して、課題設定・解決策立案を行っていきたいものです。
フレームワークはあくまでもツールの1つです。
だからこそ、ツールの使い方を学び、顧客に価値を提供するために使いたいものです。

まとめ
  • 戦略立案時に最も怖いのは重大な論点を見落とすこと
  • 見落としを防ぎ、情報を構造化するためにフレームワークが有効
  • あくまでも手段なので、使い方をしっかり学ぶ

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【編集後記】
今日は大学生ながら、同時にIT企業を経営している経営者の支援でした。
私の大学生時代とのあまりの違いに驚きを隠せません(汗)


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渋屋 隆一
プロフィール
マーケティングとITを駆使した「経営変革」「業務改善」を得意としています。コンサルティングや企業研修を通じて、中小企業の経営支援をしています。中小企業診断士。ドラッカーや人間学も学び中。趣味はトライアスロン・合気道。 詳細はこちらです。
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