新規顧客と会うと、まずは会社紹介をし、それから…というような流れで、従来のビジネスは行われていました。しかし、顧客に会ってからじっくりと自社紹介をするのは、「時間の無駄」と思われるケースが増えています。
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担当者に会った時点で勝負は終わっている
B to Bのビジネスにおいて、営業担当に会う前に、買うものは決まっているのをご存知ですか?
株式会社グリーゼの「B to B購入プロセスの実態調査」(2016年7月)によると、78%の顧客が営業担当と会う前に製品絞り込みを終えている、と回答しています。
11.0%が「決定していた」
67.1%が「いくつかに絞り込まれていた」
という内訳です。
顧客は自ら情報を集めている
ではなぜ、営業担当に会う前に買うものが決まっているのでしょうか?
言うまでもなく、インターネットの影響が大きいでしょう。
B to Cに比べて専門性の高いB to Bにおいてすら、大半の情報がネットで獲得できる時代です。
また、展示会も専門特化が進んでいます。高い専門性を持った人が、ネットで事前に情報を収集した上で、ピンポイントに確認・質問をするために展示会に足を運びます。
このように顧客は自ら情報を集めているのです。
「パンフレット営業」や「押し売り営業」は嫌われる時代です。
不要な情報を受け入れているほど、皆さん暇ではありません。
営業担当に連絡を入れている時点で、ある程度の購買方針が決まっているのは、うなずけるでしょう。
情報発信しない企業は知らずに負けていく
この傾向は、ますます強くなっていくと思われます。パンフレット的な情報はWebで十分伝えられるからです。動画だけでなく、VRなども合わせて、今後はもっと広がっていくでしょう。
ということは、情報発信していない企業は、営業に連絡が来ないまま、案件があったことすら気づかないまま、負けていくことになるでしょう。
ネットで検索して出てこないということは、顧客側から見れば、「存在しない」のですから当然です。
営業には課題設定・問題解決能力が求められる
では、営業は不要なのか?というと、そんなことは全くありません。
むしろ逆で、お客様が抱えている「真の問題」を捉え、その問題を解決する「提案」をできる営業は、間違いなく必要です。
B to Bビジネスは専門家同士のガチのやり取りです。
専門外の人から見たら、何を話しているのか分からないほど、微に入り細に入るもの。
お客:「こういうケースではどうすれば良いの?」
営業:「そのケースというのは、実はこういう問題ではありませんか?」
お客:「そうそう。理由はこういうことがあって・・カクカクシカジカ」
営業:「ということでしたら、これとこれを組み合わせると・・云々」
というようなやり取りが最終的には必要です。
先日、私は専門外である電子基板の商談に同席したことがありますが、何を喋っているのか?サッパリ分かりませんでした。でも、それこそがB to B営業に望まれることです。
ヒアリングを重ね、真の問題を捉え、その上で解決方法を提案するのは、営業の仕事です。
人工知能(AI)が発達しているとは言え、現時点でこれを顧客が気持ちいいレベルでやるのは困難です。少なくとも今は、営業が行う仕事でしょう。
- 顧客が商品の当たりをつけるまでは、ネットを活かして情報発信をして、自社に興味を持ってもらう(マーケティングの仕事ですね)
- 購入フェーズに入ってきたら営業が真の問題を特定し、その問題を解決するための提案を行う
ということで、マーケティングから営業へのスムーズな流れづくりが必要になります。
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