「ITが苦手」という人は、パソコンやスマートフォンを触るのが苦手、というイメージが強いかもしれません。
中小企業の経営者に関して言えば、これらを触れるようになるも重要かもしれませんが、それ以前に「システム的な発想法」を身につけることの方が重要です。
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システム的な発想法ができるとどうなるか?
システム的発想法の具体的な内容に入る前に、そういう発想・思考ができるようになると、何が嬉しいのでしょうか?私は以下のように考えています。
- ITの活用に対して、表面的ではなく本質的に考えることができる
- AI、IoT、RPAなどという流行り言葉に振り回されなくなる
- 経営とITを一体に考えることができる
- システム・ツールを活用したときの評価基準を持つことができる
確かに基本的な単語を知ることも必要です。
例えばクラウド、ブラウザ、IPアドレスのような言葉は、今や一般用語として使われるようになりました。ですので最低限の知識・単語は必要です。
とは言え、新しい言葉をひたすら暗記するようなことは不要ですし、役に立ちません。
一応、ITの専門家を名乗っている私も最新の言葉には、必ずしも着いていけていません。それよりも、これからご紹介するような発想法・思考法を持つことにより、経営視点でITを考えることができています。
システム的発想法とは?データを元に考える
データを中心として考えられる
1つ目はデータを中心に考えることです。
例えば、色んな商品を扱っているビジネスであれば「商品マスタ」があります。各商品に一意の番号をつけて区別できるようにすることです。その番号に対して、商品名・価格・商品カテゴリ・原価などがひも付きます。
社員数が多い会社には「社員番号(従業員コード)」があります。これは「社員マスタ」のことです。社員に一意の番号をつけて、同姓同名の社員が居たとしても区別できるようにしています。この社員番号に対して、職位・基本給・住所・個人番号などが付与されていきます。
このように何らかの軸となるデータ(マスターデータ)があり、そこに関連するデータを紐付ける考え方です。
別にデータベースの勉強をしようという話ではありません。
- 一意に区別したいものは何か?
- それに紐付けられるデータは何か?
というデータの「軸」と「関連性」を考える癖をつけることです。
この1つだけでも、かなり思考法が変わると思います。
データの入力・処理・出力を分けて考える
マスタデータと、他のデータの関連性を考えれるようになったら、次はそのデータに対して、入力・処理・出力を分けて考えることです。詳細はこちらの記事をご覧下さい。
これらを分けて考えることができないと、最初から出力(欲しい形)でデータを入力させることになってしまい、この記事のように笑えない事例が多発します。同じデータを何度も入力したり、転記したり、業務に無駄が多いケースでは、入力・処理・出力を分けて考えられていないことが多いです。
余談ですが、中央官庁・役所はお願いだから、この考え方を身に着けていただきたいです。
補足しますと、データには生まれてから削除されるまでのライフサイクルがあります。例えば社員の方の個人情報は、採用活動時に入手し、退職して一定期間経ったら削除されます。
このようにシステム的な思考法を身につけておくと、ITベンダーと会話するときに表面的な用語に振り回されず、むしろ自社にとって必要なことを主張したり、質問したりすることができるようになります。
- 細かな単語や操作を覚えるよりも、経営者はシステム的発想法が重要
- それによって経営とITを一体のものとして考えることができるようになる
- データの軸と関連性を意識する
- データの入力・処理・出力を分けて考える
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