CRMを活用する上で重要なポイントの1つが、顧客データの整備です。同じ顧客が重複して登録されていると、様々な問題が発生します。その問題とデータの整備についてご紹介します。
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顧客データ不備の悲劇
顧客データに重複があったり、入力ミスがあると大変です。具体的に何が大変なのかを見てみましょう。
正しい分析ができなくなる
CRMに限らず、データ分析をする上では顧客データが一意であることが前提です。顧客別売上を出すのに、顧客データが崩れていたら、正しい分析・意思決定ができなくなってしまいます。
マーケティングコストが高まる
メール配信するにせよ、ダイレクトメールを送るにせよ、誕生日のキャンペーンハガキを送るにせよ、1件当たりのコストが掛かります。顧客データが重複していると、同じ顧客に2通以上、送ってしまうことになります。その結果、マーケティングコストが上がってしまうのです。
顧客からの信頼を失う
そして最大の懸念がこちら。同じ会社からメール・DM・ハガキが複数届いたらどう思うでしょうか?
「この会社の個人情報管理体制、本当に大丈夫かな?」
お客様はわざわざ口にしないかもしれませんが、そっと取引を止めるのです。
せっかくお客様と深い関係性を築くために顧客データ・CRMを活用しようとしているのに、顧客データが整備できないことにより、逆に信頼を失ってしまうのです。顧客データの整備が、CRMを運用していく上での重要なポイントである理由です。
顧客データを整備するためには
顧客データを使える状態にし続けるためには、入力時のミス防止と、活用後の定期的なデータ整備が必要です。
入力時のミス防止
顧客データ入力時のミス防止については、こちらの記事をご覧下さい。
この記事はエクセルに入力することを前提に書いていますが、基本的な考え方はCRMに登録するときも同じです。あるひとりの方から社内の複数の人が名刺をもらった場合など、重複を避けながら入力するようにしたいですね。
CRM運用後にデータ不備が起こる理由
CRM運用後、データに不備が発生してしまう理由を確認した上で、定期的にデータ整備を行いましょう。少なくとも年に1回はしっかりと対策したいです。
データに不備が発生する理由の1つは、自動連携です。例えばWebフォームからホワイトペーパーをダウンロードすることから、見込み客(リード)に顧客データが自動登録されます。しかし、この顧客が既に取引のある顧客の場合は、データが重複してしまいます。
また住所変更も不備が発生する理由です。部署異動・オフィス移転などに伴って、住所や電話番号が変わってしまいます。気づかずに古いデータのままになってしまうケースや、新しい名刺をもらったときに古いデータと新しいデータが混在して重複してしまうケースもあります。
重複データを統合するには「主キー」が必要
データを整備する際に良く使われるのが重複データのチェック&統合です。
- 同じ顧客に対して、複数のデータがある
- 別々のデータに過去の購買履歴やコミュニケーションの履歴が分散している
このような場合は一方を消すのではなく、データを結合する必要があります。
例えばZoho CRMの場合は、見込み客・取引先・連絡先などでメニューから「重複データの一括検索と統合」を選択して、統合することができます。
ここで何を持って重複チェックをするか?を判断するのが「主キー」です。私は会社が変わらない限り滅多に変更されないメールアドレスを主キーにすることをお勧めしています。(ただ一部の金融機関など、メールのやり取りが禁止されている企業もありますので、その場合は別の物を主キーにしなければなりません。)
また余計なデータは登録しないのも、データ不備を減らす上では重要です。例えば、私はお客様の住所や電話番号をCRMに登録していません。もっと言うと、姓・名・会社名・メールアドレスしか登録していません。何かを郵送することも電話することもないからです。
データの種類を減らせれば、それだけ運用に掛かる手間が減ります。CRMなどの導入当初は頑張って色んなデータを登録しようとしがちですが、まずは最小限から始めてみましょう。
逆にビジネスをする上で住所や電話番号が重要なデータな場合もあるでしょう。何を主キーとなるような重要なデータと捉えるかは、そのビジネス次第です。その大事なものを決めた上でしっかりとデータの整備を続けるのが、顧客データ活用の最重要ポイントです。
- 顧客データに不備があると、コストが上がり、信用を失う
- 入力時と入力後(データ活用後)にデータの整備を行う
- データは必要最小限にしつつ、ツールを使ってデータの不備を潰す
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