前回は飲食店のキャッシュレス化を例に、
現場業務を変えないまま一部をデジタル化しても効果が低い
ことをお伝えしました。またこの事例でキャッシュレス化(デジタル化)の範囲を広げると効果が出る事例(中国の飲食店で広がっている事例)をご紹介しました。
今回は、この考え方を汎用化して、システム化する際の思考法をお伝えします。
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システムを社内専用にするから効果が出ない
従来、システムの多くはお客様から見えないところにありました。
昨日ご紹介したキャッシュレス化の例で見てみましょう。
現金での支払を単にキャッシュレスに変えただけだと、情報はお客様には見えません。
お客様と接するのは、従来どおり、あくまでも人(スタッフ)。
お客様の注文情報はもちろん、メニューも店舗に入るまで分からないのです。
仮に注文情報や売上・入金情報、メニューなどがデータ化されていたとしても、それは社員が活用するものです。
これではビジネスそのものを大きく変えることはできません。
前回のキャッシュレス化で見たように、部分的なツールの活用になってしまい、効果が出にくいのです。もちろん、現場業務に無駄が多ければ、それでも効果が出ることは結構あります。
システムを顧客に見える化することでビジネスを変える
ビジネスそのものをシステム化によって大きく変えようとするならば、以下の2つを検討する必要があります。
- 顧客との接点そのものをシステム化する
- 顧客と会社側(スタッフ)がデータを共有する
図にすると、このようになります。
今まで、人が顧客と接して行っていた業務をシステムに置き換えられないか?
もちろん、人が接するべきと判断したところは積極的に残しておきましょう。全てをシステム化すれば良いという話ではありません。
顧客と会社側で共有した方が嬉しい情報は共有する。
例えば、飲食店のメニューをスマホからでも見られるようにしておけば、季節のオススメを適宜入れ替えることができます。お店に入る前に注文・決済を済ましておけば、お店での待ち時間も減るでしょう。お店側は回転率が上がるので収益が改善します。
もちろん、お店の売上情報や顧客情報など、開示すべきでない情報はお店側だけが見られるようにします。
デジタルとアナログの融合を見据える
このように業務プロセス全体を変えることによって、ビジネスそのものを変えていくのです。実店舗がなくてECだけで運営している会社は、全てをシステム(デジタル)に振り切った例と言えるでしょう。
しかし、Amazonが実店舗を出店したり、逆に従来型の店舗に無人レジなどが導入されたりしています。
- デジタル→アナログへの進出
- アナログ→デジタルへの進出
どちらも加速しています。間違いないのは、デジタルとアナログそれぞれの特徴を知った上で、最適な組み合わせが求められるようになっていることです。
それを実現するためには、今までアナログしか知らなかった会社は、急激にデジタル(システム)のことを学ばなければならないのです。日本だけを見ていると、まだまだアナログ全盛ですが、世の中全体で見ると、一気にデジタルとアナログの融合が加速しています。
社会の変化に取り残されないように、まずはシステム化(デジタル化)を進めていきましょう。
こちらは前回のキャッシュレス化の記事です。
- システムを社内のものから、顧客との接点に変えていく
- それによってビジネスそのものをデジタル化していく
- その先にはアナログとデジタルの融合が求められている
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