新規事業に取り組むときなど、既存事業と比べると売上が小さくて、なかなか成長を感じられないことがあります。また、数ある商品の中から伸び率の高い商品を見つけたいときがあります。そのようなときには「ファンチャート」を活用すると便利です。
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事業別売上グラフからは、成長率が読み取れない
研修・コンサルティング・コンテンツの3つの事業からなる会社があったとします。コンテンツ事業は、新規事業として始めたばかりです。このように毎月の売上を事業別に出しています。
これを一般的な事業別の棒グラフにすると、新規事業(コンテンツ事業)の存在感が全くなくなってしまいます。微かに読み取れるかな、くらいの寂しい感じです。
100%積み上げグラフにしても、新規事業(コンテンツ事業)の存在感は微々たるものです。
なんかちょっとは頑張っているように見えるかもしれないけど、まだまだだよね。というのが既存事業から見た、新規事業のポジションです。
ファンチャートで成長率を
このようなとき、ファンチャートを使うと成長率が良く分かります。このようなグラフです。
最初の1月時点での売上を100%として、毎月の売上がどのように変化したのかを割合で表したグラフです。この例では2年間分の売上に対して、最初の1月時点の売上で割り算をしています。
売上の絶対値ではなく、変化率で表すことで伸び率が見やすくなります。ちなみにグラフが扇(ファン)のように広がることから、ファンチャートと呼ばれています。
このファンチャートからは、以下のような傾向が分かります。
- 新規事業(緑線)は、凄まじい勢い急成長している(2年で約9倍)
- 売上が最も大きいコンサル事業は少しずつ売上が減少している
- 2番手の研修事業は、売上が増加傾向にある
なお、事業ごとの売上の傾向を把握するには、毎月の移動平均を把握するのが、より良いです。季節変動などの影響を吸収して、売上の傾向(トレンド)が分かるからでした。
このように、事業ごとの売上傾向を把握するには移動平均を利用し、事業ごとの成長率を比較したいときには、ファンチャートが便利です。なお、この例では事業別にしましたが、商品別・顧客別などでもやるべきことは同じです。
- 事業別/商品別/顧客別のデータだけを見ても、伸び率・成長率は分かりにくい
- ファンチャートを使うことで成長率が一目瞭然になる
- 個別の売上傾向を把握するには、移動平均の方が適している
本連載の記事を以下にまとめておきます。
- 売上の傾向を把握するためのデータ分析(移動平均)
- 売上目標(予算)の達成状況を把握するためのグラフのつくり方
- 顧客別・商品別・部門別の売上を割り出す方法
- 売れ筋商品を見つけるためのデータ分析(パレート図をつくる)
- 事業ごとの成長率を把握するためのデータ分析(ファンチャート)(←今回はここ)
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