データ分析

いきなりデータ分析を始めると失敗する

「データ分析の失敗パターンとは?」
数ある失敗の典型的な1つが、いきなりデータ分析を始めてしまうことです。
データ分析して、グラフをつくるなどしていると「仕事をした気分の沼」にハマります。

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データ分析の前に必要なこと

データを見るのが好きな人は、ついついデータとにらめっこしてしまいます。
データを分析して何らかの傾向を掴んだり、グラフを描いたりしていると、仕事をした気分になってしまうのです。

しかし、言うまでもなく、データ分析は手段であり、目的ではありません

では何の手段かと言うと、現状の把握や意思決定をすることです。

  • 今、自社で何が起きているのか?(現状把握)
  • その結果、何をすれば良いのか?(意思決定)

ビジネスを行っていると、自社の状況が見えにくくなることが頻繁にあります。
これだけ変化が激しい時代になると、経営者のカンが働きにくくなることも多いようです。
そんなときに自社の状況を把握し、何らかの意思決定を行う。

そうやってビジネスを変えていくために、手段の1つとしてデータ分析があります

データ分析を行う順序

いきなりデータ分析を行うのではなく、実際にはやるべきことの順序があります
これを意識している・していないだけで、データの使い方は格段に変わるはずです。

  1. 課題・目的を設定する
  2. 現状を把握する
  3. 仮説を立てる
  4. データを収集する
  5. データを分析する(現状分析)
  6. 施策を検討・実施する(意思決定)
  7. データを分析する(効果測定)

特に最初の「課題と目的を設定する」がメチャメチャ大切です。
課題と目的が設定されていなければ、データ分析をやっても意味がありません。

以下、私が対応した事例を元に見ていきましょう。

データ分析の前に課題と目的を設定する

A社はあるサービス業です。

創業以来、少しずつビジネスを成長させていますが、売上高1億円を目前にして、この数年間は足踏みが続いています。柱となるエース営業が売上の大半を上げていますが、新規採用した他の営業の売上が期待したほど伸びていません。

社長やエース営業に依存しない営業組織をつくるために、支援を行うことになりました。

課題と目的の整理

最初にやるべきことは「課題と目的の整理」です。
まずは現状分かっていること(課題)を整理します。

  • 営業Aが売上の70%を上げている
  • 営業BとCは、目標予算を大幅に下回る状態が続いている

目的を確認したところ

  • 毎月1,000万円(年間1億2,000万円)を受注する営業組織をつくる

と決まりました。

実際には会社のミッション・ビジョン・バリューを定義するなど、長い時間をかけました。
この目的を達成するために、データ分析を行って、今後の施策を考えていこうということになりました。

現状を把握する

営業毎の売上は大まかに把握できていましたので、次に顧客別売上を確認しました。

顧客別・商品別・部門別の売上を割り出す方法毎月の総売上だけ見ても、経営の状況は見えてきません。顧客・商品・部門別など、それぞれの切り口で売上を分析する必要があります。この記事ではPOSや会計データからエクセルでそれぞれのデータを出力する方法をご紹介します。...
  • 上位3社で売上の50%以上
  • 上位10社で売上の80%以上

という典型的なスモールビジネスのパターンでした。
そして、この上位3社を営業Aが担当していたので、数字が上がりやすかったのです。

今後の施策次第ではありますが、営業B・Cにも上位顧客の担当を引き継ぐ可能性もあり得ることを伝えました。

このとき営業Aの数字が落ちることが予想されるので、評価制度を含めて社長と検討しました。今は営業組織として強くなることを優先したいので、個人コミッションからチームコミッションに移行しました。そして営業Aが持っているノウハウを営業B・Cにも共有していくことで行動評価を足すことにしました。このようにデータ分析だけではできない対策もあります

また、上位3社で売上の半分以上を占めるのは、リスクが高過ぎると判断しました。
1社と解約することになったら、ダメージが大きいからです。
せめて50%を上位5社にできたら・・という話になりました。

つまり上位3社の数字を伸ばすよりは、その他のお客様とのビジネスを伸ばすことが目的になりました。毎月1,000万円の中身が少し具体的になりました。

仮説を立てる

もう1つ、顧客の流出状況を調べるために、請求書の発行データをもらいました。
顧客との接触頻度が下がっていないか?を確認したかったからです。

顧客流出を防ぐためのデータ活用方法前回、集客の真の問題は「新規顧客獲得」ではなく、むしろ「既存顧客の流出」であることをお伝えしました。 https://100ath...

こちらも予想通り、接点が1年以上なくなっている顧客が数多く出てきました
その中には、かつての優良顧客・大型顧客も。

「そういえばこの会社、最近、連絡取ってないですね~」
「っていうか、これヤバイですよね」

成長企業ですから、目の前の案件(商談)ばかり追いかけてしまい、アフターフォローが雑になっていたのです。

  • 新規顧客を獲得するよりも、既存顧客との取引を復活させる
  • 4位以降の顧客とのビジネスを伸ばす

という方針が決まりました。
この方針にしたがって、収集するデータや具体的な施策を考えていきました。
施策を行った後は再度データを分析し、効果を測定しました。

ここから先は省略します。

何れにせよ、いきなりデータ分析を始めるのではなく、何のためにデータ分析を行うのか?を決めることが大切です。データそのものは答えを持っているわけではありません。目的を明確にし、それを組織で共有できれば、データ分析の手法は後からでも習得できると考えています。

まとめ
  • いきなりデータ分析を行うと失敗する
  • データ分析の前に課題と目的の整理が超重要
  • 目的に沿って、データ収集・分析を行う
  • 施策実施後の効果測定もデータ分析が活きる



【編集後記】
横浜市は今日まで小学校があります。
が、明日から(とりあえず)2週間はお休み。
卒業式の練習もできませんし、卒業式があるのかも怪しいです。
子供を持つ親はてんやわんやではないでしょうか。。


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渋屋 隆一
プロフィール
マーケティングとIT、そしてデータを使った「売れ続ける仕組みづくり」「業務改善」が得意。コンサルティングや研修・セミナーで中小企業の経営支援をしています。元IT企業でエンジニア→マーケティング。中小企業診断士。
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