情報発信(Webマーケティング)

広告宣伝メール(メルマガ等)で守るべき「個人情報保護法」「特定電子メール法」

メルマガやステップメールなど、メールを活用したマーケティングをする際には、2つの法律を押さえておかないといけません。「個人情報保護法」と「特定電子メール法」です。

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個人情報保護法でやらねばならないこと

個人情報保護法は、名前の通り、個人情報をちゃんと守りましょうね、という法律です。

正しくは「個人情報の保護に関する法律」という名称で、この法律は平成29年(2017年)に大きな改正がされました。以前は5,000件以上のデータを持っている事業者が対象だったのに比べて、改正後は1件でもデータを持っている事業者が対象になりました。つまり事実上、全ての事業者(個人事業主やNPOを含む)が、この法律を守らなければなりません

具体的な内容については、こちらの「個人情報保護法 ハンドブック」が分かりやすくまとまっています。初心者でも読みやすく工夫して書かれています。私も法律そのものよりも、このハンドブックを読んでいます。(わたくし法律、苦手ですし・・笑)

では、個人情報を守るために何をやらなければならないのでしょうか?メールマーケティングの視点で見ると、大きく2つです。

個人情報を取得する際、利用目的を提示

お客様から氏名・企業名・メールアドレスなどの個人情報をお預かりする際、その利用目的を提示することです。個別に提示することがあるかもしれませんが、多くは「プライバシーポリシー」「個人情報の取り扱いについて」をホームページ上に記載することが多いでしょう。

個人情報の漏洩を防止するためのルールと仕組みの整備

上述のように「プライバシーポリシー」「個人情報の取り扱いについて」を記載する上で、実際に個人情報をどのように扱うのかを社内で検討し、実際に運用しなければなりません。

  • お客様から、どうやって個人情報をいただくのか
  • それをメール配信のデータベースにどのように登録するのか
  • 誰がメール配信するのか
  • お客様の担当営業は、メールの配信・開封状況をどう確認するのか
  • お客様情報に変更があったときには、どのように変更するのか
  • お客様がメール配信の停止を希望されたときは、どうやって対応するのか

このようなことを1つ1つ考えておかなければなりません。社内の全員が自由にお客様の情報を見ることができて、編集もコピーもし放題・・という状況があったら、誰もが問題だと思うことでしょう。それができてしまうのが、エクセルを使ったメール配信なのです。

メール送信の自動化をエクセル(VBA・GAS)でやってはいけないケースメルマガをエクセル(Excel)とVBAで配信している会社は要注意です。「個人情報保護法」「特定電子メール法」を遵守できる体制ができていないことが多いからです。この記事ではメールマーケティングを実現する上で気をつけなければならないポイントとともにエクセルが事実上、利用できないことをお伝えします。...

なのでメールマーケティングを目的としたメール配信は、専用のメール配信ソフトを使って行いましょう。

特定電子メール法でやらねばならないこと

2つ目の法律が「特定電子メール法」、正式名称は「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」です。平成20年の改正によって、この後説明する「オプトイン規制」が導入されるなど、対策の強化がはかられています。

具体的な内容は、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律のポイント」にまとめられています。法律そのものはこちらです。

対象となるメール

広告宣伝のために送信されるメールが対象になります。本記事の書かれているメールマーケティング(メルマガやステップメールなど)は対象です。ちなみに電子メールだけでなく、電話番号で送付するSMSも対象になっています。

オプトイン方式の順守

本法律ではオプトイン方式を守らねばなりません。聞きなれない言葉かもしれませんが、要するに、あらかじめ同意した者に対してのみ広告宣伝メールを送信することができるというものです。同意のない場合、これらのメールを送付してはいけません

既に取引がある相手は例外として認められています。しかし、いきなりメルマガを送り付けられたら、法律は守っていたとしても気分は嫌なものでしょう。「メルマガに登録させていただいてよろしいでしょうか?」のように確認・同意を得ることは必須と考えて間違いありません。

また、同意をもらった記録をとっておかなければなりません。現実的にはWebフォームに入力してもらった日時を記録することになるでしょう。既に取引がある相手に合意してもらった場合、メール等を保存しておくことが必須になりますが、運用の手間を考えたら、自らWebフォームに入力していただくことが現実的でしょう。

またWebフォームには、合意したボタンのチェックボックスを設置するケースも増えてきているようです。

特定事項の表示義務

広告宣伝メールには、以下の項目を含めておかなければなりません。

  • 送信者などの氏名・名称(ドメイン名などを偽ってはいけません)
  • 受信拒否ができる(「配信停止手続きはこちらから」など)
  • 受信拒否の通知を受けるためのメールアドレスまたはURL
  • 送信者などの住所
  • 苦情・問い合わせなどを受け付けることができる電話番号、メールアドレス、URL

メルマガやステップメールを送るには、最初にメールのフォーマットを決めると思います。その際に上記の項目を忘れずに入れておきましょう。

メールは、ホームページやブログと異なり、手元に届く仕組みです。そのため、より規制が強くなっていることを理解した上で、メールマーケティングに取り組みましょう。

まとめ
  • メールマーケティング(メルマガ・ステップメールなど)では個人情報保護法と特定電子メール法に注意
  • 個人情報漏洩対策をするには専用の配信ツールを活用する
  • オプトイン規制や特定項目の表示義務に注意

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渋屋 隆一
プロフィール
マーケティングとITを駆使した「経営変革」「業務改善」を得意としています。コンサルティングや企業研修を通じて、中小企業の経営支援をしています。中小企業診断士。ドラッカーや人間学も学び中。趣味はトライアスロン・合気道。 詳細はこちらです。
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