経営するなら覚えておきたい用語を連載しています。
今日はちょっと、というか、かなりややこしい「API」を解説します。
いつものことながら、イメージで理解することを優先していますので、
厳密には異なる部分もありますので、ご了承下さい。
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「API」という言葉が使われるシーン
アプリを開発するとき、こんな使われ方をします。
「TwitterはAPIが公開されているから、アプリと簡単に連携できますよ」
A社とB社が連携するときにも、こんな会話がされます。
「御社のシステムはAPI公開されていますか?」
何やらAPIというものが公開されていると、良いことがありそうな気配ですね。
Wikipediaの解説によると、
アプリケーションプログラミングインタフェース(API、英: Application Programming Interface)とは、ソフトウェアコンポーネントが互いにやりとりするのに使用するインタフェースの仕様である。
とありますが、良く分かりません。
私のイメージでは、APIとは「ソフトウェアの機能やデータを簡単に共有する仕組み」です。アタマの中では、コンセント(プラグ)のようなモノをイメージしています。
AというシステムがAPIを公開していたら、その機能やデータを使いたいひとは、コンセントをつなぎに行く。「APIを叩く」というような使い方もされます。
APIが利用されるようになってきた背景
かつて、ソフトウェアは様々な機能を密接に組み合わせて、開発していました。
「密結合」と言われる形式です。
企業の人事システムを例に挙げると、人事・勤怠・給与の機能を1社がまとめてつくるようなイメージです。
しかし、勤怠や給与など、利用する会社ごとに、使いたい機能は異なります。
勤怠はA社のシステムが良いけど、給与はB社のシステムの方が良い、ということがあります。このような場合は別々に購入して、連携してくれた方がありがたいですね。
また昨今では異なるシステムの連携ニーズが高まっています。
いくつか例を挙げてみましょう。
在庫が足らなくなったら発注し、納品されたら、在庫管理システムの数量が増える。
と同時に、会計システムには発注と支払いの取引が記録される。
(いちいち、人が介在していたらミスも発生しますし、面倒です)
受注が入ったら、顧客情報を顧客管理システムに登録し、
それと同時に、会計システムに売上が計上される。
(これも人がやっていたら大変ですね)
Twitterである人がつぶやいたら、それを自動でSlackで通知してくれる。
(人手では、わざわざやりませんね。。)
Gaminでマラソンやトライアスロンをやると、そのデータがGarmin Connectに保存される。と同時に、TrainingPeaksでトレーニングデータを分析したり、さらにStravaで仲間とトレーニング状況を共有したり。(その手の趣味がある人にしか分かりませんね。。)
このように、システム間で機能やデータを共有するために、APIを公開するのです。
「うちのAPIを使ってね。」とコンセントをつないでもらうように、接続口を用意しておきます。
APIを公開することによって、他のシステム開発会社から見ると、簡単に他社のシステムを利用できます。つまり、同じような機能をみんなで開発する無駄を省いて、各社が自分の得意とする領域でシステムを開発できます。
「API」は、社会全体で見たときに、効率性や生産性を高める仕組みなのです。
クラウドはAPI公開が前提
前回、スモールビジネスではクラウドの利用が前提であることをお伝えしました。
その理由はこちらの記事で書きましたが、別の理由もあります。
他のシステム・ツールと連携させたくなったときにラクだからです。
APIが公開されていないシステム・ツールは、連携させようとすると、かなりのコスト(お金・時間)が掛かります。しかし、APIが公開されていれば、手間は少なく、あるいはシステム上で連携の設定をするだけだったりします。
スモールビジネスは小さく始めて、顧客のニーズに応じて、機能を拡大してくことが一般的です。その成長プロセスには、APIが公開されているクラウドが最適なのです。
ちなみに「クラウド」と名前を付けているにも関わらず、APIを公開していないシステムが結構あります。某なんとか会計とか、なんちゃら奉行とか。旧態依然としたシステムですので、これから独立・起業する方には、お勧めしません。
騙されないようにしたいですね。
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