業務プロセス

業務プロセスをまとめるときの考え方

業務プロセスを整理したり、一部をシステム化するときには、業務プロセスをまとめる必要があります。私がお客様の業務を分析してまとめるときの考え方をお伝えします。

業務プロセスとは何か?については、こちらの記事をご覧下さい。

業務プロセス(ビジネスプロセス)とは何か?業務プロセスの見える化とか生産性向上とか、色々と言われています。AIだRPAだと騒がれている現実もありますが、まずは自社の業務プロセスに正面から向き合うことが、本当のスタートです。では、業務プロセスとは何なのでしょう?その特徴や忘れてはならないことをご紹介します。...

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業務プロセスをまとめることで得られること

業務プロセスをまとめることで、様々なメリットが得られます。

  1. その業務に関わる登場人物(ステークホルダー)が明確になる
  2. 管理項目が明確になり、改善のキッカケになる
  3. 共通認識を持って教育できる

この3つについては、こちらの記事でご紹介しました。

業務プロセスを見える化(可視化)する3つのメリットとは?業務プロセスを可視化することで、大きく3つのメリットが得られます。1つ目は業務に関わる関係者を洗い出せること。2つ目は管理項目を定義して、改善のキッカケができること。3つ目は、共通認識を持って教育に活用できることです。今の仕事をあいまいにせず、まずはしっかりと可視化してみましょう。...

その他には「システム化の対象となる部分を明確にする」ことも、業務プロセスをまとめることの目的になります。何をシステム・ツールで行うのか?行わないのか?を明確にすることで、システム設計がやりやすくなります。

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業務全体を一覧にまとめる

業務プロセスをまとめるときに難しいのは、抜け漏れをなくすことです。

現場の方からヒアリングをすると、目の前の細かな業務ばかりをまとめることになりがちです。しかしそれでは、抜け漏れが出てしまうことが多くあります。そのため、個々の業務を細かく整理する前に全体を一覧にすることが大事です。

これは我が家の「夕食」に限った業務プロセス(笑)です。
しかし実際には「家事」全般があり、その中に「食事」、そして「夕食」があるはずです。

この例では業務を大・中・小に分けています。
実際には、もっと階層が深くなることも多いです。
大項目は経営層や組織全体で把握するもので、深くなるほど個人に紐づく細かな業務になっていきます。

必要に応じて、階層を深くしていきます。

例えば個人として無駄を減らして生産性を向上させる場合は、自分の業務を最低でも1時間単位、できれば15分単位くらいまで分解すると良いでしょう。
組織全体に対する改善の場合には、そこまでは細かくしません。

我が家の夕食(大項目)の例では、中項目は以下の4つです。

  • 買い物
  • 料理
  • 食べる
  • 片付け

料理・片付けには小項目の業務があります。

これら縦軸に対して、横軸は以下の項目があります。

  • 目的:あらゆる業務には目的があります。目的が書けない場合は、その業務は不要なのかもしれません。
  • 開始条件:何かの状態変化(顧客への訪問を終えた)や、定期(月末になったら)など
  • 終了条件:何をしたらその業務プロセスを終えられるのか
  • 制約条件:使えるお金や時間・期限など、業務には制約条件があることが多いです
  • 担当者:その業務の主担当者です
  • 承認者:承認を必要とする業務の場合には、その承認者を明確にします
  • アウトプット:終了条件に近いものですが、システム設計をする場合には、データだけで良いのか?Wordなどへの出力が必要なのか?紙の帳票が必要なのか?など、よりアウトプットの形式までハッキリさせておく必要があります。

この点についての詳細は、次回の記事をご覧下さい。

業務プロセスで確認しておきたい項目業務プロセス全体を一覧にした後、個々の業務プロセスを確認していくことになります。この記事では、個々の業務プロセスを確認する際の、確認しておきたい項目をご紹介します。簡単な業務であれば、図式化しなくても、この項目だけで内容が理解できるようになります。...

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業務全体を一覧にする際、抜け漏れをなくす方法

業務全体を一覧にする際、怖いのは抜け漏れがあることです。重複がある場合には、まだ検討できますが。

見落としがあると後から追加するのは大変です。それがシステム化する対象だったりすると、最適なシステム・ツールが変わってしまう可能性すらあるからです。

大きな単位から小さな単位に分解していく

1つ目の方法は、我が家の夕食の例で示した通り、業務を大きな単位(経営・全社レベル)から小さな単位(チーム・個人レベル)へ分解していきます。

仕事の流れで再現する

2つ目の方法は、仕事の流れをそのまま再現することです。
営業プロセスを整理する場合、

  1. アポイント
  2. ヒアリング
  3. 提案
  4. 見積
  5. 交渉
  6. 受注

というような流れになるでしょう。
大きくこのような流れを固めた上で、「提案」を行うには具体的に何をするのか?と細かな単位に分解していきます。

製造業でも、切断→加工→組立のような流れがあります。

お客様から見た流れで再現する

3つ目はお客様から見た流れを再現することです。
お客様が商品・サービスを購入するまでには

  1. 認知(知る)
  2. 興味(興味を持つ)
  3. 比較(他社・他商品と比較/検討する)
  4. 購入する

というような流れがあります。
これを大項目として、「【認知】してもらうために行う自社の業務は何か?」と業務を分解していきます。

年間スケジュールから分解する

多くの組織が年間スケジュールを持っています。
年初に今年度の目標や計画を策定し、それを組織の実行計画やKPIに落とし込んでいきます。

この年間スケジュールを元に大項目を洗い出すことで、抜け漏れをなくします。

ここでは4つの考え方をご紹介しましたが、実際にはこれらを組み合わせながら、抜け漏れのない一覧表を作成していきます。この一覧をしっかりとつくることが個々の細かな業務プロセスを把握する前に大切なことです。

まとめ
  • 細かな業務プロセスの前に、業務全体の一覧表をつくるのが大事
  • 抜け漏れをなくすことで、業務を改善したり、システム化の検討ができる
  • 全体を把握するには、大→小、仕事の流れ、顧客視点、年間スケジュールなどの方法がある
業務プロセス改善の思考法「引っ越しに伴う住民票の異動」から考える業務プロセスを改善するには鉄板とも言える流れがあります。その最初は、その業務の目的を明確にすること。その上で、ECRSの原則を活用して、業務を改善していきます。1. 無くせないか? 2. 一緒にできないか? 3. 入れ替え・代替できないか? 4. 簡素化できないか?です。...

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渋屋 隆一
プロフィール
マーケティングとITを駆使した「経営変革」「業務改善」を得意としています。コンサルティングや企業研修を通じて、中小企業の経営支援をしています。中小企業診断士。ドラッカーや人間学も学び中。趣味はトライアスロン・合気道。 詳細はこちらです。
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