価値を伝えるためには、いくつかの「パターン」があります。価値を伝える必要性や、「使い方の提案」については前回の記事で触れました。
今回は、業種・業界に関わらず利用できるテッパンの価値の伝え方「Before/After」をご紹介します。
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一番最初に覚えたいBefore/After
価値を伝える方法として、一番最初に覚えたいのが、この「Before/After」です。
こちらのページより
テレビでリフォームを扱った『劇的ビフォーアフター』という番組がありました(今もたまにやっているようです)。これは価値を提案する上で、非常に参考になる内容です。
(Before)狭い区画に分けられた家では、家族の会話がほとんどありませんでした・・
(After)温かい陽がさす温かいリビングに、家族の声が集まるようになりました
というように。
あらゆる商品・サービスは、お客様に対して何らかの価値を提供します。それを売り手の視点ではなく、お客様の視点で伝える必要がありますがBefore/Afterを意識すると、それを表現しやすくなるのです。
BtoBの場合は目標となる指標のBefore/Afterを提案する
お客様が法人の場合は、感情に訴えるBefore/Afterだけですと、なかなか稟議を通すことができません。そのお客様が目標(KPI)としているような指標に対して、どのような変化をもたらすのか?を提案してみましょう。
例えば、製造業であればQCD(品質・コスト・納期)を重要視していることが多いでしょう。別の企業は売上や原価、そして利益(損益計算書P/L)を重視しているかもしれませんし、他の企業はROAのような貸借対照表B/Sに関する指標を重視しているかもしれません。
対法人に何らかの提案をする場合、それ以前にヒアリングをしていることが多いでしょう。そのヒアリングの時点で、何を目標指標として活動している会社なのかを、把握しておく必要があります。
その上で、「弊社の商品・サービスでは、貴社の目標指標をこのように変化させる貢献ができます」と提案します。いくつか例を挙げると、以下のようなものです。
(Before)歩留まり率99%から、(After)99.5%へ改善します
(Before)原価率30%から、(After)25%へ改善します
(Before)納期のコントロールを日付単位から、(After)半日単位で指定できるように
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ヒアリングが重要
もちろん、QCD、PL、BS以外にも部門ごとに重視している指標があるでしょう。例えば情報システム関連であれば、「稼働率(正常に動いている時間の割合)」を目標値にしているかもしれません。
あるいは決算書に直接関係しない指標を大切にしているかもしれません。例えば、新たな方針に対して「俊敏性」を求めている企業があります。新規出店をすると決めたら、2週間以内に関連するシステムを全部準備してね、と。
経営に対して何が重要なのかは、その会社や部門毎に大きく異なります。ここまでは典型例を示してきましたが、お客様にヒアリングを行い、深く理解することが大切です。
その意味で、自社の業務内容に直接関係ないとしても、お客様のビジネスを理解する程度のビジネス知識が求められます。一朝一夕にはビジネスに関連する知識を身につけることはできません。例えば私はIT以外のことは全く知らなかったので、中小企業診断士で学習する以下7科目の知識を網羅して試験に合格するまで、約1,000時間を使いました。
- 企業経営理論(戦略論、人事・組織論、マーケティング論)
- 財務・会計
- 運営・管理(店舗や工場のオペレーション)
- 経済学・経済政策
- 経営法務
- 経営情報システム
- 中小企業経営・政策
それでも知識は足りないので、日々、インプットを続けています。ヒアリングの経験を通じて、足りない知識を都度、インプットしていきましょう。
あなたの商品・サービスは、お客様の状態をどのように変化させるものでしょうか?
「Before(現在)」「After(商品・サービスの利用後)」を書いてみましょう。
- Before/Afterは価値を伝える上でのテッパンの手法
- Before(現在)とAfter(商品・サービス利用後)の状態を比較する
- 法人の場合は、目標としている指標の変化が求められる
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