私は経営支援をするとき、人的資源に乏しい中小企業でも「使える」フレームワーク(考え方)をお渡しするように気をつけています。その理由と、私がそのような考えに至った原点を振り返ってみます。
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「使えないフレームワーク」には、何の意味もない
世の中には、色んなフレームワーク(考え方)があります。例えば、良く間違った使い方をされるSWOT分析。
他にも3C分析・マーケティングの4Pなど。また、人のやる気に直結するマズローの欲求段階説やアルダファーのERG理論などもあります。
ただ、どの理論も、人的資源に乏しい中小企業では使いこなすことが難しいと感じています。そして、使えなければ、どんなに正しいフレームワークにも(経営者にとっては)意味がないのです。
一般的な中小企業では、「大企業では当たり前なこと」ができていないことが多々あります。まずはその当たり前を普通に行えるようにすることが大切です。ややこしいフレームワークを使う必要はなく、一見すると簡単すぎることを徹底すれば、確実に組織はより良くなっていきます。
シンプルな考え方を繰り返し徹底する
そのため、私は非常にシンプルな「戦略マップ」というツールを提供しています。
良く同業者には「シンプル過ぎない?」と言われます。例えば、このマップには「競合」の概念がありません。意図的にそうしているのです。
前述の通り、フレームワークは使えなければ意味がないからです。フレームワークとは、思考の切り口なので、筋トレのように何度も何度も使って身につける必要があります。シンプル過ぎるくらいシンプルにして、使いこなせるようになったら、次のステップに進めば良いのです。
この戦略マップに限らず、私はコンサルティングでも研修でも、「使えるものを提供する」ことに注力しています。
理論追求よりも、使いこなすことを優先したキッカケ
私がこのような考えに至った原点は、学生時代にあります。幼いころから算数・数学が一番好きな科目でした。大学受験も数学科ばかりを受験しました。しかし現役合格はならず、1年間浪人したいたときに、私は物理の面白さに惹かれました。
高校の後半くらいから、数学そのものは面白いものの、「これはどういうシーンで使うのだろう?」と疑問に思っていました。積分を使って面積を求めたりするのは分かるけど、どこで使うの?と。
大学になると、数学はより哲学的な色合いを増していきます。「ゼロとは何か?」「無限大(∞)とは何か?」などを追求していくことになります。
一方、物理は数学的厳密性よりも、数学を使いこなすことで理解できる学問でした。当時の私にとっては。
微分・積分は力学(位置・速度・加速度など)の関係を数式で表してくれますし、電磁気(電荷・電流・電圧など)も同様です。確率論は量子論を学ぶときの基本になりました。
このとき私は、純粋な学問として何かを追求するよりも、実践で使う理論の方に興味があることに気付いたのです。学者として生きるよりも、実社会の中で活動したいと思うようになったのも、根本は同じです。(学者になれるような脳ミソを持ち合わせていなかったのもありますが・・笑)
いずれにせよ、このときの発見から既に20年以上。私は実践で使えるものを提供するというスタンスにこだわり続けています。
- 使えないフレームワークは、無視して良い
- 簡単すぎるフレームワークを筋トレのように繰り返し使う
- 慣れたら次のステップに進めば良い
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