商品・サービス企画

トップダウンとボトムアップの関係(商品企画と業務改善)

企業にはトップダウンとボトムアップが必要です。
しかし、これらが同時に上手く機能している組織は、そう多くないのではないでしょうか。
この記事では、トップダウンとボトムアップの特徴と適していることをまとめてみました。

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ボトムアップの特徴と適した対象

ボトムアップとは、普段の仕事における現場から声を上げて、何かに取り組んでいくことです。一般的に日本の組織は現場が強く、ボトムアップが馴染みやすい文化です。

そして業界・業種関係なく、現場で取り組みやすいのが業務改善です。
私はITツールの導入・活用を通じて、業務改善を支援することが多いので、その考え方などを、こちらでまとめています。

https://100athlon.com/category/process/

ボトムアップの良いところは、その組織の全員が取り組めるところです。
新人もベテランも関係なく、その業務を少しずつ改善していくことができます。

全員で取り組めるので、継続することによって、組織の雰囲気が良くなっていきます。
目の前の業務に取り組むだけでなく、改善業務を部門横断的に行うことによって、普段とは異なる人との接点も生まれてきます。

一方、デメリットもあります。
発想が現状からスタートしますので、飛び抜けた発想ができません。

馬車をいくら改善しても、速い馬車が生まれるだけで、鉄道や自動車は生まれなかった。

という言葉がイノベーションの世界にはありますが、要するにボトムアップではイノベーションが生み出せません。この点は後述するようにトップダウンが必要な領域です。

トップダウンとの特徴と適した対象

トップダウンは、経営者などトップから現場に向かって何かを伝え、変革していくことです。日本の企業で実行するのは、なかなか難しいと感じています。

しかしながら、トップから強い想いを伝えない限り、組織が進むべき方向性を示すことはできません。トップの強い覚悟が必要です。

会社としての理念、ミッション、ビジョンなどを浸透させるには、最終的にはトップダウンが必要です。なぜなら、理念などには正解はなく、最後は経営者の強い想いから「こうしたい!」と決めていくからです。

もう1つ、トップダウン的に進めなければならないのが、商品・サービス企画です。
上述の通り、現場からのボトムアップでは、非連続的な発想をすることができません。
馬車をいくら改善しても、鉄道や自動車は生み出せないのです。

ですから、中小企業の多くは経営者自身が、新しい商品や生み出していく必要があります。(大企業の場合は商品企画部や新規事業部などが担当)

非連続な発想をするためには、業界に関係のない情報を拾い続けるしかありません。そのためには現場を張り付いていてはダメで、適度に現場から距離を取り、全く仕事と関係のないところで知識・見識を蓄え続ける必要があります。

社員からは「遊んでいる」と思われるかもしれませんが、きちんと説明をしつつ、外に行く機会を設けましょう。

そのように外で情報を拾いながら、「自社が顧客に提供している価値は何か?」という経営の本質を問い続けることが必要です。

「自社は馬車を提供している」と考えると改善しかできませんが、「顧客に快適な移動手段を提供している」と発想すれば、鉄道や自動車が生まれたかもしれません。

こちらで商品・サービス企画についての記事をまとめています。

https://100athlon.com/category/marketing/planning/

経営者が取り組むトップダウンとボトムアップ

経営者は現場がボトムアップでの改善に取り組みやすいような、環境づくりの支援を行いましょう。新人が意見を出したときに、それを先輩や上司がつぶさないようにします。

例えば有名な「未来工業」さんは、社員がアイデアを出すたびに、報奨金500円を出しています。しかもそれが採用されたら3万円の報奨金が追加されます。お金を支払う以外にも、現場が改善に取り組みやすいよう、組織文化を育んでいきましょう。

もう一方のトップダウンは、既に述べた通りです。
何かを決めたなら、それを現場まで浸透させるためには、強い想いと覚悟が必要です。
あるいは、反対意見が出てきたときなどには、深い対話が必要になるかもしれません。

経営者には、トップダウンもボトムアップも求められます。
強い現場をつくりつつ、市場変化にも耐えられる組織にするために、トップダウンとボトムアップを、うまく両立させていきましょう。

まとめ
  • ボトムアップは全員参加。より良い組織文化がつくられる
  • トップダウンは非連続的な発想。経営者の強い想いと覚悟が問われる
  • どちらもうまく活用すると、強い組織づくりができる

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【編集後記】
子供がインフルエンザに。
私は本日登壇予定だったセミナー(山梨・甲府)が雪で中止になったので、子供の様子を見つつ、自宅で仕事をしています。

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変化・成長したいというビジネスパーソンにお読みいただいています。

渋屋 隆一
プロフィール
マーケティングとITを駆使した「経営変革」「業務改善」を得意としています。コンサルティングや企業研修を通じて、中小企業の経営支援をしています。中小企業診断士。ドラッカーや人間学も学び中。趣味はトライアスロン・合気道。 詳細はこちらです。
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