「リベラルアーツとマネジメント」の勉強会に参加して感じたことの第2回です。
今回はマネジメントたるリーダーが変容するための3つの要素について考えます。
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リーダーの変容に必要な3つの要素
この勉強会では講師の方から、リーダーの変容に必要な要素として3つが挙げられていました。
- 外部の情報刺激
- 内的探求
- 実践の場
言われてみると、本当にそうだなぁと思います。
これらは3つの掛け算です。どれか1つが欠けただけで、リーダーは変容できなくなってしまいます。リーダーたる人間は、これら3つを貪欲に追いかけ続けなければならないのです。
知識は武器であり、前提である
「外部の情報刺激」とは、前回の記事でお伝えしたリベラルアーツ・サイエンスの両方を含む知識と考えて良いでしょう。
私たちは知らないことは認識できません。人間を含む自然の「視点」を持つためのリベラルアーツと、自然法則を「発見」するサイエンス、両方から学ぶ必要があります。様々な知識を得ることで、何らかの「尺度」や「参照枠」をつくることができます。
例えば「AI(人工知能)」という概念を知らなければ、それが社会に与える影響や、自社で活用できるかどうか?も判断できません。ここ数日、Facebookが仮想通貨(Libra)を取り扱うことがニュースになっていますが、それも仮想通貨(正しくは暗号通貨)やブロックチェーンのことを知らないと、理解ができません。
人間がどういうときにやる気を持つのか?生きがいを感じるのか?そういうことを知りもせず、「うちの社員はやる気がない」と言い放つことは、果たして正しいのでしょうか?
組織を率いるリーダー(マネジメント)である以上、知識は必要なのです。誰よりも学ばなければならない。本勉強会に参加して痛感しました。こんな記事を書いている私は、恥ずかしながら教養が全くないので、必死に学ばないと・・と感じたのでした。
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内的探求で、まずは自分のこころと対話する
では、知識さえあれば世の中は良くなっていくのでしょうか?
そうではないことは、既にこの世の中が証明しているでしょう。
世界の歴史上、現代ほど情報に溢れた世界はありませんが、人類全体が幸せになっているとは思いませんし、少なくとも日本は相変わらず自殺数の多い国のままです。
知識やロジックだけでは、人は幸せになれません。
もっと「こころ」を捉え、鍛える必要があるのでしょう。
リーダーに必要な2つ目の要素は、「内的探求」です。
偶然ながら数年前、私は本能的にそれを感じたので、自己探求やこころの動きを察するための学びに行きました。良いタイミングで学びに行ったと思います。他者だけでなく、自己のこころの動きを見るためにも、リベラルアーツが役立ちます。
リソースの限られた中小企業の経営者にとって、やりたくない仕事・合わない顧客は苦痛でしかありません。それがどんなに稼げる仕事であったとしても。
本当にやりたいことを実現する。そのために多くの社長が起業したはずです。
しかし、経営者という責任や、家族の中での役割、周囲からの期待・・そういう服を着込みすぎて、裸の・素直な自分の「こころ」を感じなくなってしまいがち。
(何も中小企業経営者に限った話ではなく、多くの大人がそうでしょう)
内的探求によって、自らの「こころ」を開放する。
こころの向かう方向性と事業の方向性を一致させることで、エネルギーが出る。
スピリチュアルな話に感じられるかもしれませんが、こういう話は仏教など、古くから語られています。こういう話を信じられないのは、論理や数字・データに思考が偏りすぎているのかもしれません。
実践の伴わないマネジメントは絵に描いた餅に過ぎない
リーダーの変容に必要な3つ目は「実践の場」です。
どんなに外部から知識を仕入れ、自己と対話を繰り返したところで、それで終わってしまっては現実世界は何も変わりません。
余談ですが、坐禅は半眼で行います。目を完全に閉じるのではなく、少しだけ目を開くのです。その意図は、完全に自分だけの世界に入り込むのではなく、外部の情報を捉えるため、という説があります。外の世界があり、同時に自分があるのです。
マネジメントも同様です。
知識を仕入れ、社会の変化を感じたなら、何らかの意思決定を下す。
自社を動かし、市場や顧客に何らかの影響を与えていかなければなりません。
それが戦略であり、戦術です。
ときには失敗するでしょう。
というよりも、失敗のない経営など、聴いたことがありません。
でも、致命傷を負わなければ良いのです。
スポーツなどと同じで、やってみなければ身につかない。
マネジメントには、そういう側面があります。
だからこそ、場数を踏むことが必要なのですね。
リーダーが変容するためには、
- 外部の情報刺激
- 内的探求
- 実践の場
の3つが必要で、これらは掛け算の関係にある。
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