組織

敢えて「一見無駄なこと」を行う組織づくり

傍から見ると「一見、無駄なこと」を行っている組織や人が強いと感じています。
ひたすら効率化を追い求めている組織は、一時的には合理的かもしれませんが、長い目で見ると衰退していくように見受けられます。

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衰退していく組織の特徴

効率化ばかり追い求めている組織には、ゆとりがなく、面白みや人間味に欠けるなぁ〜と考えていた矢先、面白い雑誌を見つけました。

Wedge 8月号
特集は『ムダを取り戻す経営 データ偏重が摘んだ「創造の芽」』です。
ちなみにKindle Unlimitedを契約しているとタダで読めます。

この特集で心に刺さったのが日本企業における「3つの過剰」。

オーバープランニング、オーバーアナリシス、オーバーコンプライアンスの3つです。

計画ばかりに注力していて、実行が伴わない。
分析ばかり行っているが、仮設や前提条件がないので、次の計画につながらない。
コンプライアンス遵守ばかりで、付加価値の創造ができない。

私が長い間見てきた大企業には、この傾向がかなり強く見受けられます。
より詳細な解説と、どうすれば良いのか?は、本誌をご参照いただければと思います。

本当の無駄と意味のある無駄

「無駄」と一言で言っても、以下の2つに分かれます。

  1. 本当に止めた方が良いこと
  2. 一見、無駄に見えるけれども、実は意味のあること

前者は、付加価値を生まないし、組織をより良くすることもない業務です。
どれだけやっても、何も生まれないどころか、やっている人が疲弊していく業務とも言えます。

  • ハンコをつく作業
  • 目的の無い会議
  • 上司に説明するためだけの資料づくり
  • 読まれない日報提出

こんな業務は、早々に止めた方が良いでしょう。

後者は、瞬間的には無駄に見えるけれども、長い目で見ると意味のあることです。
その代表例が雑談ではないでしょうか。

「仕事中に雑談するな」という組織が多いですが、私の経験上は、雑談が頻繁に行われている組織の方が、チーム力は高いように見受けられます。日頃から人間関係ができているので、お互いを深く理解した上で、仕事に取り組むことができるからでしょう。

敢えて無駄をつくる

前者の本当の無駄を省いて、無駄・無意味な時間を減らします。
それで空いた時間は、単に早く帰るのではなく、異なることに使いたいものです。

それが後者の「実は意味があること」です。
雑談以外にも、個々人が心を動かされることであれば、どんどん取り組んでみましょう。

私が最近、取り組んだこと

私は仕事と全く関係なく見えることであっても、興味を抱いたことには取り組むようにしています。最近だと、以下のようなことをやりました。

  • 安岡正篤先生の勉強会に参加
  • 合氣道を習い始めた
  • DQウォークをやってみた

また以前からやっているトライアスロン・マラソンも、同じ位置づけです。ずっと仕事には役立たないかもしれませんし、いつかは役立つかもしれません。いつ、何がつながるかは分かりません。

初心にかえるために、全くの門外漢に入門してみる新しい挑戦をするには、今まで上げてきた成果をリセットして新1年生に戻るような覚悟が必要になります。右往左往しながら新たな経験を楽しむマインドも必要でしょう。それらを身につけた人が、新たな経験と今までの経験を結び付けて、シナジー効果を得ることができます。...

それでも仕事のヒントをいただけることは頻繁にありますし、つながらなかったとしても、人生が彩り豊かになれば、それで良いのではないでしょうか。

お客様での取り組み

一番手軽なのは、やはり雑談でしょう。
もう少し仕組みとして取り入れている例としては、朝礼で最近の出来事などを1分で順番に発表している企業もあります。

その他、以下のような活動を見たことがあります。

  • 勉強会(仕事に関係することも、しないことも)
  • 部活
  • ゲーム大会
  • BBQ
  • マラソン

これらの活動を通じて、組織の立場・階層に関係なく、人間関係が構築されていくことが特徴です。また、仕事と関係ないことからの学びが得られます。

最初から何が生まれるかは計画できませんが、人間や組織を豊かにしていく結果として、新たな創造性・価値がつくられていくのではないでしょうか。

今、ひたすら効率性を追い求めている組織は、このような「遊び」を取り入れてみてはいかがでしょうか。

まとめ
  • 効率性ばかり追い求めている組織には、成長の余地がない
  • 本当の無駄と、一見すると無駄(でも本当は意味がある)を見分けよう
  • 遊びを組織に取り入れると、組織が強くなり、創造性が発揮される

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渋屋 隆一
プロフィール
マーケティングとITを駆使した「経営変革」「業務改善」を得意としています。コンサルティングや企業研修を通じて、中小企業の経営支援をしています。中小企業診断士。ドラッカーや人間学も学び中。趣味はトライアスロン・合気道。 詳細はこちらです。
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