値引きを代表例とするキャンペーンには、様々なリスクがあります。このリスクを知らずに多用してしまうと、経営を弱体化させてしまうのです。
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利益を削ってしまう
キャンペーン(顧客に購入を促すための活動)の代表例は、値引き・ポイント付与・オマケの追加などです。その多くは会社からの持ち出しが発生します。つまり利益を削ってしまうのです。
売上は以下の式で示されます。
売上=客数(A) × 客単価(B) × 購入頻度(C)
キャンペーンを行ったことにより、客数(A)や購入頻度(C)が増えるかもしれませんが、客単価(B)が減ることを考慮しなければなりません。
さらに、どんなに売上が増えたところで、値下げをして粗利(売上総利益)を削ってしまうと、なかなか利益を確保することが難しくなります。
値引きを行うときには、以下の2点を忘れないようにしましょう。
- 客単価の減少(B)と、客数(A)・購入頻度(C)の変化を分析する
- 粗利益の変化を分析する
キャンペーンは投資です。やるからには、やらないときよりも短期・長期の利益を回収できているか?のチェックが必要です。短期的には、客数や購入頻度向上から得られる利益。長期的には、新規顧客の獲得や、顧客の流出防止などが対象になるでしょう。
理由がなければ購入しなくなる
顧客の購買行動は記憶に刷り込まれることが研究で分かっています。キャンペーンで購入することばかりを繰り返していると、キャンペーンがなければ購入しなくなってしまうのです。
数円の差額を求めて、常にスーパーのチラシをチェックしている主婦を想像すると分かりやすいのではないでしょうか。顧客は同じパターンの購買行動を繰り返しやすいのです。キャンペーンが多すぎると、望まぬ結果を招くことになってしまいます。
ですからキャンペーンを行うときは、何らかの理由を持たせることです。「雨の日限定キャンペーン」は雨の日に客足が遠ざかりやすい店舗ビジネスで、良く使われます。この理由は別に何でも構いません。「店長の誕生日キャンペーン」とか、お客様に関係のないことでも良いのです。
理由を持たせる目的は、キャンペーンをやらない状態が通常であることをお客様に認識してもらうためです。理由なくキャンペーンを行わないようにしましょう。
顧客に提供する価値を見失ってしまう
値下げで購買を促すのは簡単です。簡単すぎて、頭を使わなくなってしまいます。本来、ビジネスとは、顧客に価値を提供し、その対価としてお金をいただくものです。ですから、ビジネスを成長させようとするのであれば、顧客に提供する価値を上げることに、苦心に苦心を重ねなければなりません。
しかしキャンペーン漬けになってしまうと、一番頭を使わなければならない価値向上に、気がまわらなくなってしまいます。売り手が頭を使わなくなり、買い手もキャンペーンで麻痺してしまう。決して、良い状態とは言えないでしょう。
ですから上述の通り、理由のあるときだけキャンペーンを行い、通常時に提供する価値を高めることに頭を使いましょう。
- キャンペーンは利益を削る。それ以上の収益をもたらしているか?
- 顧客の購買行動は習慣化する。キャンペーン漬けは危険。
- ビジネスの本質は価値交換。価値を向上することに頭を使おう。
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