中小企業は価格で勝負すべきではありません。
価格で勝負しないためには、価格以外の勝負軸が必要になります。
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中小企業は価格勝負を避けるべき
中小企業は価格での勝負を避けなければなりません。
大量生産して安くさばくとか、人海戦術で対応するとか、そういう手法はリソースの限られた中小企業には合わないからです。
それはすなわち「下請け」「業者」というポジションからの脱却を意味しています。下請けである限り価格や納期で勝負することを強いられてしまいます。そんな状態で、仕事を面白くすることは困難です。
今、人が活き活きと働く会社と、そうではない会社の差は、ますます広がっていると感じています。自分たちが仕事に対して喜びや楽しさを感じられるかどうかは、下請け・業者であるかどうかと、密接に関係していると言えるでしょう。
経営者が自社に自信を持ち、社員が活き活きと働く会社になるためには、お客様と対等の関係になることが欠かせません。仕事の主導権をお客様に100%握らせるのではなく、自社も意見できる関係を構築すること。
そのためには価格や納期ではない価値を提供できるようにならなければなりません。では、「価値」とは何なのか?それをじっくり考えるためには「安易に価格を下げる」という発想を禁じ手とするしかありません。
価格戦術も必要
なお、誤解を招くといけませんので補足です。
低価格で勝負しないとは言え、価格のことは頭がねじ切れるほど考え抜かねばなりません。売上・利益に直結しますし、価格帯が変わるとお客様の層が変わるからです。
上述の通り、大企業と価格勝負するような低価格帯は避ける必要があります。
その低価格帯を避けつつも、「では具体的にいくらにするのか?」の戦術は必要なのです。価格が高いと考えられているアップルを見ても、その中で廉価版から高価格帯まで商品を揃えています。
中価格帯を狙うのか、高価格帯を狙うのか、あるいはその両方をカバーするようにラインナップを揃えるのか。
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価格以外の判断軸を設ける
商品・サービスによって、価格以外の判断軸は全く異なります。
お客様にどんな価値を提供するのか?を基準としつつ、以下のルールを守って軸を考えてみましょう。
価格と関係性のあるものは排除する
軸を考えるときに、縦軸と横軸に関係性があるものは排除します。
例えば「性能」「品質」は価格と相関関係があります。
価格が上がれば性能や品質が上がるのは当然です。
そうではなく、価格と全く関係ないものを判断軸として選びます。
ラーメンの場合、あっさり・こってりなどは価格と全く関係ない軸になるかもしれません。
顧客にとって買うかどうかの判断になるものを選ぶ
判断軸は自社の都合ではなく、お客様の都合で選ばなければなりません。
上記ラーメンの例で言えば、お客様が「どんなラーメンを食べようかなぁ〜」と考えるときの判断軸です。
商品・サービスを考えるときには、ついつい自社の都合で横軸を考えてしまいがちです。
しかしそれでは、お客様に提供する「価値」のことを忘れてしまいます。
お客様に提供する「価値」にフォーカスするためにも、横軸はお客様の都合で選ぶようにします。
自社の強みが発揮されやすい軸を選ぶ
とは言え、無駄な競争を避けるためには、自社の強みが発揮されやすい軸を探さなければなりません。ただ「強み」という言葉には誤解が多いので注意が必要です。
IT企業・製造業などで「うちの強みは技術力です」と言われることが多いです。
残念ながら、これは「強み」ではありません。
技術力が強いことで、お客様にどんな価値を提供しているのでしょうか?
技術力があると言っても、
- お客様に最適な提案ができるのか?
- バグや欠陥のない商品を提供できるのか?
お客様に提供できる価値は全く異なります。
「強み」とは、お客様に選ばれる理由です。
この例で言えば、「技術力が高い」は強みになりませんが、「個々のお客様にとって最適な提案ができる」ことは強みになり得ます。
この場合は、判断軸を
- お客様ごとに最適な提案を行う(個別の顧客対応)
- 全てのお客様に最高の商品を提供する(全ての顧客に共通の対応)
というように分けると良いでしょう。
- 中小企業は価格競争をしてはいけない
- とは言え、価格戦術は必要
- 価格以外の判断軸を設ける
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