前回は情報システム担当(IT担当)の仕事について、まず全体像をご紹介しました。
それから「サポート・ヘルプデスク」「ITインフラの企画、構築、運用、保守」の中身をお伝えしました。
今日は「情報システムの企画」についてです。
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情報システムの企画・構築・運用・保守
前回は「ITインフラ」の企画・構築・運用・保守までお伝えしました。
ITインフラは、業界・業種に寄らず、パソコンやスマホ、ネット環境など、誰もが使う環境のことでした。
今回は「情報システム」です。
情報システムになると、業界・業種ごとの特性が出てきます。例えば、
- 小売業であればPOSや販売管理システム
- 製造業であれば生産管理システム
- 経理であれば会計システム
というように、現場の要望が色濃く出てくるシステムです。
情報システム企画時のIT担当の役割
「ITインフラ」は情報システム(IT)担当者が主体的に企画を進めることができます。
しかし「情報システム」に関しては、主導権はそのシステムの利用者(現場)にあるといっても過言ではありません。
ただ、現場が勝手にシステムを決めてしまうと、以下のような問題が出る可能性があります。
- 情報(データ)が散乱してしまい、何がどこにあるのか分からない
- 他システムと連携できない(販売管理と会計を連携するなど)
- 他部署と似たようなシステムを導入してしまった(大企業で良くある光景です)
- セキュリティレベルの低いシステムになり、情報漏洩などの経営リスクが増してしまう
そのため、IT担当者は全社的にシステムを把握している立場から、意見を出す必要があります。
日本の企業は現場が強く、意見が素通りになってしまうことが多いのですが、全体最適を目指すには、現場の意見を鵜呑みにしてはならないのです。
情報システム企画時の苦労
ITインフラ企画も大変なのですが、情報システム企画は、もっと苦労します。以下、2つの理由をお伝えします。
業務の理解が必要
まず、業務の理解が必要だからです。
ITインフラは、パソコンやOS(WindowsやMac OSなど)、ネットワークやグループウェアなど、IT屋としての知識で企画を進めることができます。もちろん、その知識を常に最新版にすべく、ベンダーから話を聞いたり、セミナーに参加したり、ネットで調べたりなど、苦労は絶えないのですが。
しかし情報システムを企画する際は、さらに業務の知識・理解が必要になります。例えば小売業でPOSレジを導入するとしても、以下のようなことを理解・考慮しなければなりません。
- 現場でお客様対応(レジの利用)やどう行っているか?
- 商品登録を、いつ・どのように行っているか?
- 現状、どのような点に苦労しているのか?
- 入力された情報をどのように活用すべきなのか?
POSレジや販売管理システムのベンダーから、最近のトレンドや商品・サービス紹介の話を聞きつつ、現場からのヒアリングを通じて、自社として最適な企画にまとめていくことになります。
その際、他の業務や、他システム・ITインフラとの整合性を考えなければなりません。これは日頃、専門家であるITコンサルタントが行っている仕事と変わりません。それだけ幅広く、かつ深い知識が必要になるのです。
「パソコンやスマホが得意な若手にIT担当を任せよう」という発想が、どれだけ安易なものか?お分かり頂けるのではないでしょうか。
業務担当者との意見のすり合わせが必要
現場にいる業務担当者は、今すぐに楽になることを求めがちです。しかも、新しいシステム・ツールの勉強はしたくないので、すぐに使えそうなものを望みがち。
一方、情報システム担当は、全社として最適な提案が必要です。
そのようなときに意見の衝突が起きることがあるのです。
経営者がIT担当者に仕事を丸投げしている場合、ここで問題が起きます。
経営者自身が学んでないと、どちらの案が最適なのか、判断するための基準を持てないからです。すると
「どっちの方が安いの?」と価格しか見れなくなったり、
「(内容が分からないのに)現場の意見を優先しよう」と現場に忖度したり、
まともな判断ができません。
そして、システム導入後になって問題が起きるのです。
自分なりの提案をしていたにも関わらず、なぜか情報システム担当者が悪者扱いされるなど、心苦しい場面を何度も見聞きしてきました。現場も経営者も一緒になって敵になってしまい、担当者は「努力が報われなかった・・」と会社を辞めていきます。
そんなことにならないよう、経営者には、意思決定ができるレベルのIT知識が求められるのです。
次回は、IT担当者が現場の業務を理解するための視点についてご紹介します。
- 情報システムは業界・業種に特化したシステム
- ITインフラ以上に現場を理解し、すり合わせる力が必要
- 全体最適な意思決定をするためには、経営者のIT理解が必須
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【編集後記】
昨日は息子の水泳大会の応援でした。
私は少しずつ腰痛が改善してきているので、軽くバイクに乗り始めました。
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