「着る疲労回復」が売りになっているイオンのプライベートブランド「セリアント(CELLIANT)」。
少し前にインナーを購入して、ヘビーローテしています。
この商品の利用体験を通じて、商品企画の難しさを感じています。
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効果を感じにくい商品はリピートされにくい
セリアントの効果は、Webサイトでこのように書かれています。
「セリアント」は数種類の鉱石を繊維の中に練り込んだ素材です。赤外線の作用により温熱効果をもたらし、着用部位の血行を促進することで、疲労回復の効果が期待できます。
(おっさんの肌着で恐縮ですが・・商品イメージ)
ただ、私の個人的な感覚では、疲労回復が促進しているのか?実は良く分かりません。
それでも毎日着続けているのは、以下の2つの理由からです。
- どうせ何か着るなら、効果があると言われているものの方が良い
(自分では効果が分からないが、一般医療機器だしWebにも説明があるし) - 速乾性は間違いなくあるので、ヒートテックより良い
ただ、追加で購入するか?はまだ分かりません。
セリアント(2,880円)とヒートテック(990円)を比較したときに、後者のコスパの高さは間違いないですし。
効果の分かりやすさ
ヒートテックの売りは「温かさ」。
温かい・寒いは、直感ですぐに分かります。
効果が分かりやすいので、あれだけ売れ続けているのでしょう。
一方「疲労回復」は、そのときの状況によって大きく変わります。
前日の運動負荷・食事・睡眠時間など。
着ている服が直接関与できる範囲が「温かさ」に比べて小さいのです。
結果的に「セリアントを着たから、すぐに回復した!」とはなりにくい。
食事が良かったのかもしれませんし、ぐっすり眠れたからかもしれません。
つまり効果を感じにくい商品なのです。
効果を感じにくい商品は、リピートを促すのが難しいのでは?と感じています。
市場(マーケット)の違い
また「寒さ」は多くの人が感じることですが、「疲労」を感じている人の方が数は少ないでしょう。
私の場合は日常的に(普通の人と比較すると)負荷の高いトレーニングをしているので、「疲労回復」は強い魅力を感じるのです。
ヒートテックが万人を対象にしているのに比べて、セリアントは、
- トレーニングしている人
- 動き続ける仕事・立ち仕事をしている人
などが主な対象となるマーケットなのではないでしょうか。
その点から考えても、ヒートテックの方が数が売れるのは納得です。
ちなみにこの市場は、「リカバリーウェア」「コンディショニングウェア」などと呼ばれています。
C3fit(シースリーフィット)・リフランス・VENEX(ベネクス)・SKINSなどが、この市場では有名です。
余談ですが、ベネクスは神奈川県にある企業なので、ずいぶん前から存じ上げていました。
これらはTシャツでも1万円くらいすることもあり、セリアントはそれらと比べるとかなりお安いですね。
分かりやすい効果を追求する
2つ目の「速乾性」、これは分かりやすい効果です。
私は部屋で筋トレやストレッチを良く行います。
特に筋トレは、冬であっても多少は汗をかきます。
そんなとき、ヒートテックなどを着ていると汗冷えするし、気持ち悪いんです。
スポーツウェアと比べると、明らかに乾きにくいですから。
一方のセリアントは、むしろスポーツウェアに近いです。
すぐに乾きますので。
このような分かりやすい効果があることで、私はむしろリピートしてしまうかもしれません。
次はインナーではなく、パジャマ替わりになるウェアやソックスを買うのも良いかな?と考えています。
どうせ何か買うなら、(感じられないとしても)疲労回復効果がある方が良いですし。
このようにメインの効果が分かりにくい商品は、もう1つ分かりやすい効果を追求するのも良いと思います。
セリアントの場合は以下の2つが分かりやすさかもしれません。
- ヒートテックなどの一般的なウェアな商品と比べると「乾きやすい」
- 他のリカバリーウェアと比べると「安い」
分かりやすい効果の事例
他の商品で、メインの効果ではなく、2つ目の効果が圧倒的に分かりやすい例があります。
自転車に乗る人達に向けて開発された ACTIVIKEさんの「リカバリープロテイン」です。
普通のプロテインは筋肉を増大させることがメインの目的です。
しかし、このプロテインは自転車やランニングなど、有酸素運動をした人が素早く疲労回復することを目的としています。
ただ、セリアントと同様、本当に疲労回復が素早く行われるか?は、なかなか感じ取りにくいもの。
この商品は分かりやすい効果があります。
ダマになりにくく、めっちゃ美味しいのです。
プロテインメーカー各社は、マズいというプロテインのイメージを払拭すべく頑張っていますが、ACTIVIKE リカバリープロテインの美味しさは圧倒的です。
個人的には、他のメーカーのプロテインが飲めなくなってしまいました。。
「美味しさ」は非常に分かりやすい効果です。
メインの効果に力を入れつつ、分かりやすい効果も追求することで、リピート購入を促せるのではと思います。
今回はひとりのユーザーとしての利用経験を通じて、商品企画に思いを巡らせてみました。
- 効果が分かりにくい商品は、リピート購入を促すのが難しい
- 分かりやすい2つ目の効果を追求してみる
- 分かりやすい効果があると、購入を促すことができる
【編集後記】
2度目の緊急事態宣言で、昨日予定していた「よこはま月例マラソン」が中止に。
ひとりで近所をランニングしましたが、レースのようには追い込めませんね。。
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