「ドラッカー、気になるけど書籍も範囲も広すぎて、どこから手をつければ良いのか分からない」
そんな声を良く聴きます。
そこで今回、「経営者は最低限、ここだけは押さえておこう」というポイントをまとめました。
そのポイントとはズバリ「5つの質問」と「8つの重要領域目標」です。
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ドラッカー5つの質問
1つ目はドラッカー「5つの質問」です。
- われわれのミッションは何か?
- われわれの顧客は誰か?
- 顧客にとっての価値は何か?
- われわれにとっての成果は何か?
- われわれの計画は何か?
究極的に言えば、経営者の仕事とは、この 5つの質問への答えを探し続けることと言って良いのではないでしょうか。
例えば「売上を伸ばしたい」というご相談を頂いたときには、私は 1~3番の質問をします。
- どんな顧客に対して
- どんな価値を提供することによって
- 売上を伸ばしたいのですか?
- それ以前に、ミッションやビジョンは何ですか?
という感じです。
これらの確認をしないまま、単に数字上の売上を伸ばそうとしたところで
- 具体的にどんな活動をすれば良いのか分からず、現場が混乱する
- 自社の価値観と合わない顧客が増えてしまい、現場が疲弊する
(結果、離職が増えて組織が弱まってしまう) - 売上は伸びたとしても、誰も幸せにならない
という不幸を呼び込むことになってしまうからです。
このように、私が経営者の支援をさせて頂くときも、常にこの 5つの質問を頭の片隅に置いています。
以下、関連書籍です。
読むと得られることもありますが、より大事なのは、この質問を常に回し続けることだと感じています。
8つの重点領域目標
「5つの質問」に続いて「8つの重点領域目標」です。
5つの質問に比べると知名度は下がりますが、ドラッカーの教えのなかでも、経営者はぜひ押さえておきたいです。
なぜなら、5つの質問に答えるだけだと経営者の頭のなかのイメージだけにとどまりがちだからです。
5つの質問に答えた後、それを具体的な目標として組織に浸透させるには、「8つの重点領域目標」が役立ちます。
- マーケティング
- イノベーション
- 人的資源
- 資金
- 物的資源
- 生産性
- 社会的責任
- 利益(条件としての利益)
この 8つの領域に対して、それぞれ目標を掲げます。
それぞれの項目に、どんなことを挙げれば良いのか?
今回、詳細は省きます。
なお、こちらの本の第1章4節に8つの項目とその解説が書かれています。
ただ、常に 8つ挙げるというよりも、今から行う行動に対して、上記 8つの視点で確認をしておこうという使い方でも良いと思われます。
実際、私が企業支援に使うときにも、そのような使い方をしています。
大事なことは利益目標は最初に挙げるものではなく、最後にあることです。
利益は目的ではなく、事業継続の条件に過ぎないからです。
「5つの質問」と「8つの重点領域目標」の使い方
中小企業の経営者は現場プレイヤーとしての役割を担っていることも多く、とにかく時間が足りません。
ドラッカーをじっくり読む時間がないこともあるでしょう。
ですから、個々の項目について、詳細を最初から知っておく必要はありません。
むしろ、最初にやるべきことは、この「5つの質問」と「8つの重点領域目標」をいつでもチェックできる状態にしておくことです。
例えば、新規事業を立ち上げようとしているときに
- (5つの質問)顧客は誰か?
- (5つの質問)顧客にどんな価値を提供するのか?
- (8つの重点領域目標)マーケティング:流通チャネルをどうするか?
- (8つの重点領域目標)人的資源:どんな能力開発が必要か?
というような考え方ができれば十分です。
最初はなかなか書き出せないと思いますが、表をつくって書き込み、書籍と行ったり来たり。
あるいは社内での対話を通じて、具体的かつ一貫性のあるものに少しずつステップアップしていくでしょう。
また、冷静な外部の人間を「壁打ち相手」としてご利用いただくのも良いかもしれません。
- 経営者が最低限押さえておきたいドラッカーは「5つの質問」と「8つの重点領域目標」
- これらをチェックリストとして利用し、視点の抜け漏れを防ぐ
- 現場との対話にも活用し、事業・組織の方向性を浸透する
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【編集後記】
どうにも疲れが抜けにくくなっているので、週末は普段よりゆったり過ごしました。
常に全力で走ることはできないので、ケアも大切ですよね。
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