起業・創業直後ならいざ知らず、事業が何年も続いてきたら、顧客管理(営業・案件管理)をエクセルでやってはならないと考えています。
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簡単にコピー・編集ができてしまうから
エクセルを使ってはならない最初の理由。それは簡単にコピーや編集ができてしまうから。
全社員が同じ情報を見られるのは良いことですが、事故を防ぐ仕組みがありません。仮に悪意を持った人がいたら、全データをコピーして業者に売ることも簡単にできてしまいます。
個人情報保護に対する社会の目が厳しくなっている時代に、これでは「何の手も打っていない」と言っているようなものです。事故の影響を最小にするには
- 営業担当者は、自分が担当の顧客だけが見られる
- 営業マネージャや経営者は、全顧客が見られる
というように権限を付与した方が良いでしょう。ただ、これをエクセルで実現するのは、簡単ではありません。つまり営業担当者が複数人になってきたなら、エクセルを卒業した方が良いのです。
データ入力や運用に手間が掛かるから
2つ目は入力の手間が掛かることです。エクセルファイルが1台のパソコンに置いてあったら、会社に戻るまで顧客情報の更新ができません。
Office365(Excel Online)を活用したり、ファイルをDropboxなどのクラウドストレージに入れておいたとしても、やはり入力には手間が掛かります。
そもそも、顧客情報が作成・更新されるキッカケは多数あるのです。
- 名刺をいただく
- ホームページからお問い合わせいただく
- SNSでいいね!される
- メルマガ登録される
- 展示会にお越しいただく
- 案件のステータスが変わる(ニーズ分析→提案→見積提出)
- 受注する
などなど。
デジタルデータとして顧客情報が入ってくることもあれば、名刺のようにアナログのことも。さらには案件ステータスが変わって、営業が入力する必要がでてくることもあります。これら多様な入り口をエクセルで受け止めるのは不可能です。
さらに、顧客情報は部署異動や退職などにより、常に変わります。同じ顧客から何度も名刺をいただくこともあります。これらの履歴を蓄積したり、重複チェックをするのに、エクセルは適したツールではありません。
顧客データは重複してしまうと、必要なデータが正しく取れなくなり、無用の長物と化してしまう恐れがあります。
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専用のツール(SFA/CRM)を活用しよう
これらの問題は専用のツール(SFA/CRM)を使うことで解決します。
- 顧客(取引先)毎に、営業担当者を設定する
- 顧客・案件情報や、各種レポートは営業担当者は自分の分だけが見られる
- 管理職は、顧客・案件の全体を見ることができる
- データを一覧(CSV)でダウンロードできるのは、システム管理者だけ
という設定をすることで、仮に誰かが悪意を抱いても、仕組みで被害を極小化することが可能です。
余談ですが、人間誰しも、悪意を抱いてしまうことはあるでしょう。そんなときに、仕組みで防止されていれば諦めがつきます。簡単に事故を起こせてしまう環境が、悪意を増長させるのです。経営者には、そういう仕組みづくり(ガバナンス)が求められるのです。
データの更新についても、専用ツールの方が便利です。
- スマホアプリで外出先からも入力・参照が可能
- ホームページ、SNS、メルマガなどのデジタルデータは、そのまま登録
- 名刺などのアナログデータは、スマホアプリで撮影して登録
- 案件ステータスの変更は、選択肢を変えるだけ
もちろん、データの重複などをチェックし、クリーンな状態を保つには苦労が伴います。それでも専用ツールなので、エクセルで行うよりも楽になります。
ツールには、向き・不向きがある
最後に補足ですが、別にエクセルを否定しているわけではありません。エクセルは非常に強力なツールです。ただ、ツールには向き・不向きがあります。組織における顧客や案件を管理する目的においては、エクセルは向いていないのです。
- 企業にとって大切な顧客・案件データを守る仕組みが必要
- 顧客・案件データは常に変化し、変化のキッカケも多様
- 汎用的なエクセルではなく、専用のSFA/CRMが適している
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