CRM(顧客関係管理)を導入することで得られるメリットは何でしょうか?ツールだけ導入して、失敗する企業が後を絶たないので、原点に立ち戻り、CRM導入の目的について整理してみました。
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経営手法を現代版にアップデートする
CRM(顧客関係管理)はマネジメント手法です。ツール・システム名として呼ばれることもありますが、あくまでも前提はマネジメントです。
CRMを導入する目的を端的に言えば、経営(マネジメント)手法を現代版にアップデートすることです。従来のような経営者の勘に頼った経営手法には限界が来ているからです。
- 市場変化が速い
- 顧客ニーズの多様化
市場の変化する速度は、ますます速まっています。顧客のニーズも日々変化しています。また、顧客ニーズは多様化が進んでいて、経営者の感覚と乖離していることも増えています。
このような時代において、経営者が勘だけでビジネスを続けることは非常に危険です。そこでデータに基づいた経営にアップデートすることが求められるのです。CRMでは主に顧客に関するデータを活用することでマネジメント手法を変えていきます。
また、ビジネスはますますデジタル化の方向に向かっています。デジタル・トランスフォーメーション(DX)は、世界的な潮流です。特にマーケティングの世界は、いち早くデジタルマーケティング・Webマーケティングが主流になってきています。この基盤として、CRMが重要な位置を占めています。
なお余談ですが、このブログのタイトルは『中小企業のデータ経営』です。データに基づいた経営を行う中小企業を増やし、世の中をもっと面白くしたいと考えています。
売上・利益の最大化
「マネジメント手法のアップデート」や「データに基づいた経営」、何やら良く分からん・・と思われた方もいらっしゃるでしょう。
より明確な目的を言えば、CRM導入の直接的な効果は、売上・利益の最大化です。
CRMにより、顧客の識別ができるようになります。そして、個々の顧客に最適な提案を行うことができるようになります。その結果、優良顧客を獲得し、維持・育成することができるのです。優良顧客が増えることで、必然的に売上・利益が最大化されます。
今の市場は既に成熟・飽和しています。新商品を投入すれば新規獲得ができた時代は、バブル崩壊と共に終わりました。人口・法人数ともに減少フェーズに入っています。したがって、既存の顧客と関係を構築し、長くお付き合いすることで優良顧客になっていただくことに注目が集まりました。正にCRMの考え方です。
逆に言うと、狭義のCRMには新規顧客獲得は入っていません。そこはMA(マーケティング・オートメーション)などを活用することになります。ただ、昨今のCRMツール・システムには、新規顧客獲得フェーズの機能も搭載されています。
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仕組みで売れる体制づくり
もう1つ。データ経営を行うことにより、営業個人のスキルで売るのではなく、仕組みで売れるようになる体制づくりを行います。
今は人材の獲得・育成が難しい時代です。終身雇用が崩壊したことで、できる営業個人に頼る経営はリスクが高くなりました。労働力人口も減っていることから、採用もなかなかうまくいきません。
そのため、人数が少なくとも、ある程度の成果が出せる仕組みが必要です。その仕組みがCRMです。
業務プロセスを定義して、見える化を行います。それによって誰もが自分のやっている業務を理解し、自ら進めることができるようになります。CRMを通じて人材育成を行いつつ、セルフマネジメントができるように促していきます。
また、顧客が欲しているときに、欲している提案を行います。顧客に関わらない間接業務はできる限り自動化して、コストを削減します。例えば、営業報告の簡略化です。業務プロセスが見える化されているので、わざわざ報告書を作成しなくても、管理職は状況を把握できるようになるのです。
その他にも、CRMからは様々なメリットが得られます。また別記事でご紹介します。この記事では、まずはCRM導入の大きな目的を理解いただければと思います。
- CRM導入の目的は経営手法を現代版にアップデートすること
- それにより優良顧客が増えて、売上・利益を最大化すること
- 個人スキルではなく、仕組みで売れる組織をつくること
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