2000年代前半頃、大企業ではCRMブームがありました。
しかし、その多くは成果を得ることなく終わってしまいました。
なぜCRM導入で失敗してしまうのか?どうすれば上手く活用できるのか?を3つの基本と共にご紹介します。
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CRM導入とは、マネジメントと現場の連携である
まず最初に、CRM(顧客関係管理:Customer Relationship Management)とはシステムの名前ではありません。
多くの失敗は「CRM=システム導入」と考えてしまったことが原因です。
CRM活用は、単なるシステム導入ではなく、経営手法の抜本的な刷新です。
経営者も現場も、従来の考え方を大きく変える覚悟がなくては、活用できません。
その新しい経営手法を実現するサポートとして、システムがあるだけです。
とは言え、これまでの自社の強みや良かったことを捨てる必要はありません。
むしろ、それらを活かすのがCRMであると言えます。
顧客満足度や顧客ロイヤルティの向上を通じて、売上拡大・収益性向上を目指す。
そのために顧客データを活かして組織運営する。
これがCRMの基本です。
- 経営者はデータを活かして戦略を練る
- 現場はデータを元に顧客と関係性を深める
この連動が非常に大事です。
経営者も現場も勘に頼るのではなく、共通のデータを元にした動きが求められます。
売上を構成する5つの要素
「CRMを活用して売上・利益を最大化させる」
響きは良いですが、具体的に何をするのでしょうか?
CRMに限らず、売上を伸ばすには5つの要素を改善するしかありません。
基本の1つ目として、この5つの要素は理解しておきましょう。
- 新規顧客の数を増やす
- 既存顧客の流出を減らす
- 顧客単価を上げる
- 購買点数を増やす
- 購入頻度を増やす
行動計画を立てる際、この活動は5つの要素のうち、どれにアプローチしているのか?を考える習慣がつくと、データ活用が組織に根付いていきます。
CRMを活用すると、この5つの要素すべてに対して、アプローチすることができるようになります。
例えば顧客のフォローアップを行うことで既存顧客の流出を減らすことは、私が良くお客様に提案する手法です。
優良顧客を識別する
基本の2つ目は、優良顧客を識別することです。
CRMには大きく分けて2つの要素があります。
- 顧客を識別する
- 顧客との関係を構築する
まず、顧客を識別することです。
どんなに売上が最大化できても、赤字になるような顧客ばかり増えてしまったら利益は残りません。
売上だけを見ていても、誰が優良顧客なのかは分かりません。
分析を行って、大切にすべき優良顧客を判別することが、CRMにおける1つの要素です。
従来からある手法としては、デシル分析・RFM分析などを活用して優良顧客を識別します。
さらにコスト要素を加えて、利益が確保できるお客様を識別することもあります。
顧客との関係構築
基本の3つ目は顧客との関係構築です。
優良顧客を識別できたら、次はその顧客と関係を構築します。
準優良顧客にアプローチして、優良顧客になってもらう取り組みも含みます。
私たちスモールビジネスは、人的リソースが限られています。
そのため、努力が実になる対象に時間を使いたいものです。
全てのお客様に満遍なく最高のコミュニケーションをできるわけではありません。
良い悪いではなく現実問題として、時間を割くべき顧客を絞り込むしかないのです。
顧客と良い関係構築を目指すときに、最も役立つのがエース営業のやり方です。
既に顧客と良い関係を構築している人から学び、それをテンプレートに落とし込んでいきます。
もちろん、たまたまエース営業とその顧客の間だけで上手くいっているケースもありますので、属人性は無くすようにしつつ、学べるところから学ぶのです。
CRMを単なるシステムとしてではなく、経営手法として活用していきましょう。
- CRMはシステム導入ではなく、経営手法
- CRMの基本要素は、顧客の識別と、顧客との関係構築
- 優良顧客を識別し、より深く関係構築していく
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【編集後記】
今日は久々の電車移動です。約3ヶ月ぶりでしょうか。
挙動不審にならないように気をつけます(笑)
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