どんなに良い商品・サービスであっても、その価値がお客様に伝わらなければ、意味がありません。どのように価値を伝えれば良いのでしょうか?この記事では、価値を伝える手法の1つ「使い方提案」をご紹介します。
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お客様は購入まで、商品・サービスの良さは分からない
「良い商品・サービスなのに売れない」という嘆きを聴くことがあります。しかし、この嘆きは、ほとんど意味がありません。良い商品・サービスであったとしても、購入し利用する、あるいはサービスを受けるまでは、良さは分からないのです。
購入/利用を決める前の状態は「良さそうに見える」だけであり、本当に良いのかは分かりません。その典型例が食事です。食べる前には「美味しそう」に見えるだけであり、本当に美味しいかどうかは、食べてみるまで分からないのです。
ですから、「美味いのに売れない」というのは、無意味な嘆きなのです。売れるかどうかは「美味しそうに見せているかどうか」で決まります。他の商品・サービスも同様です。「良さそうに見せているか」つまり「価値を伝えているか」が大切です。
なお、本当に良い商品・サービスを体験した場合には、リピートとクチコミにつながります。ファンになるお客様を増やすためには、商品・サービスの質が重要なことは、言うまでもありません。
価値を伝えるための「使い方提案」
お客様にとって価値を感じるためには、お客様の立場に立って「使い方」の提案をするのが有効な方法の1つです。
例えば、目の前にバッグがあったとして
- このバッグは何リットル入ります
- 防水加工がしてあるのでIPXいくつです
- どこどこ地方での生産でして
こんな風に説明されたとして、分かりますか?私にはサッパリ分かりません。
しかし私の長くいたIT業界では、今でもこういう説明を良く聴きます。
- クラウドネイティブなアプリで
- iPhone/Androidに対応しています
- プッシュ通知も可能です
みたいな。しかし、こういう自分(売り手・作り手)が主体の説明は、お客様には全く刺さりません。それよりも使い方(時間・場所・機会)を伝えるべきです。
バッグの場合であれば、
- このバッグは、女性のフォーマル(ドレスなど)に向いています
- 結婚式のときに邪魔にならない大きさですが
- お化粧ポーチがしっかり入るので安心です
と言うように。(女性向けバッグを売ったことがないので、文章は適当ですが・・)
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秀逸な「サイボウズ式」の例
もう1つ例を挙げましょう。B to Bの場合も、使い方を提案することで、お客様がイメージできるようになり、その価値が伝わります。
kintone(キントーン)を販売しているサイボウズさんが運営するブログ「サイボウズ式」が実に秀逸です。1つ記事をご紹介します。
サイボウズ式のページより
この記事は「管理職って別にいらなくない?」とマネージャを廃止した事例について書かれています。一部上場企業の突拍子もない取り組みに、ついつい文章に引き込まれます。
最後までkintoneの売り込みもなく終わるのですが、とても自然体で、kintoneを使っていることが書かれています。図中の水色で塗られている文章「オンライン上で情報共有をオープンに行っているから評価がしやすい」がありますが、このオンライン上で情報共有をしているツールこそ、間違いなくkintoneです。(と読者は思うでしょう)
この記事を読んだ人は「kintoneを使って情報共有をオープンに行えると、管理職の仕事を軽くすることができるのかも」ということを学びます。
このようなバズる記事がいくつもいくつも並んでいます。自社のニーズに合った事例を読み進めていくと「使い方」を提案されているので、「じゃあ、kintoneでウチもやってみようかな」になるのです。
繰り返しになりますが、kintoneの細かい機能の説明などは、何1つされていません。売り手の都合で機能や価格の説明をするよりも、「使い方を提案」する方が、よほどお客様に刺さるのです。
- 商品・サービスが売れるかどうかは、価値の伝え方で決まる
- 価値の伝え方の1つに、「使い方提案」がある
- いつ・どこで・どのように使うのかを提案することで、価値が伝わる
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