時代の変化に対応すべく、新規事業を立ち上げるための相談が増えています。
この記事では既存事業を持つ企業が、どのように新規事業を立ち上げていくのが良いのか?現実的なアプローチをご紹介します。
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Contents
アンゾフマトリクスと新規事業の考え方
いきなり具体的な方法論に入る前に、基本的な理論を。
単純な 4象限の図です。
アンゾフマトリクス、あるいはアンゾフの成長マトリクスと呼ばれています。
- 縦軸:商品サービスを既存・新規に分ける
- 横軸:顧客を既存・新規に分ける
既に事業が回っているということは、左上の領域が営まれています。
既存顧客に対し、既存の商品・サービスを展開しているということです。
いわゆる新規事業とは、右下の領域のことです。
顧客も、商品・サービスも新規のものを立ち上げることを指します。
起業したばかりの会社、特にスタートアップなどは、ゼロからここを立ち上げなければなりません。
難易度が高いのは言うまでもありません。
私は既に事業が回っている企業に対しては、まず右上か左下を攻めるべきだとお伝えしています。(特に右上を推奨しています)
詳細は後述しますのが、右上を攻める場合には「企画力」が必要です。
一方、左下を攻める場合には新規顧客を獲得するための「マーケティング力(市場開拓力)」が必要です。
必要なスキルが異なることを理解しておきましょう。
新規事業を立ち上げるのは、この2つのスキルが同時に必要になります。
難易度が高いことが改めて理解できるのではないでしょうか。
では、個別のアプローチ方法をご紹介します。
既存顧客のニーズを新商品・サービスで満たす
私が支援する場合は、右上を攻めるのを、まずお勧めしています。
つまり既存のお客様に対して、追加提案をすることです。
既にお客様がいる関係上、大きく3つのメリットがあるからです。
アプローチに掛かる時間・コストが小さい
新商品・サービスを企画するときに最も苦労するのは、時間やコストが掛かることです。
- アイデアを出す
- 商品・サービスを企画する
- 販売開始する
- 市場の反応を見て、修正する(2へ戻る)
- 売れる
非常にザックリ言えば、このような流れで進みますが、いずれも初めての経験ですから時間が掛かるのです。
しかし目の前に居るお客様の困りごとを解決するために新商品・サービスをつくれば、アイデア出しや企画の時間を削減することができます。
既に目の前にお客様がいるので、反応も得られやすいです。
顧客からの正直なフィードバックが得られやすい
メリットの2つ目は、顧客から正直なフィードバックを得られやすいことです。
既にお付き合いのある顧客ですから、ダメなものはダメと言って下さいます。
これが初めて出会ったお客様だと、本音のフィードバックは得られにくいもの。
正直なフィードバックを得られることによって、企画を修正しやすくなります。
小さな成功を素早く得られる
結果的に小さな成功を素早く得ることができます。
これが3つ目のメリットです。
小さな成功体験があれば、組織は動きやすくなります。
「今度はこうしたらどうだろう?」
「この点を変えた方が、もっと効果的なのではないか?」
このように組織が前向きに変化するには、小さな成功体験が欠かせません。
企画力を身につけるには
このやり方を実践する流れは以下の通りです。
- 目の前のお客様が困っていることを発見する
- それを解決するための方法を導き出す
- 同じようなことに困っている人・組織がいないか?汎用化する
- 汎用化したものを新商品・サービスの企画とする
1~2は、目の前のお客様に対する個別の提案力を高めることです。
営業やコンサルタントが得意な分野ではないでしょうか。
3~4は、目の前のお客様の事例をもとに、他の顧客にも価値を提供できるように汎用化する力が必要です。
いわゆる企画力が必要になります。
具体的な事例は、こちらの記事をご覧下さい。
ここで最も大切なのは、お客様の困りごとを発見することです。
日々の仕事を作業・ルーチンワークとしてこなしていると、お客様が潜在的に困っていることを見逃してしまいます。
- お客様は本来、どうなりたいのか?
- 現状はどのような状態なのか?
- この2つのギャップ(=課題)は何なのか?
このようなことを探り続けるスキルが、提案力・企画力につながっていきます。
左下への攻め方については、次の記事でご紹介します。
- 新規事業を立ち上げる前に、既存顧客への提案を行う
- その提案を元に新商品・サービスを立ち上げる
- 肝となるのは顧客の困りごとを発見する観察力
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【編集後記】
先週末のバイク・トレイルランニングの筋肉痛が全く消えません。
まだ立ち上がるだけで「痛たたた・・」と。。
早く回復すると良いのですが。
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