商品・サービス企画

生産性とは「付加価値」と「効率性」の掛け算

生産性向上というと、なぜか労働時間を減らすことだけに注目が集まる。
誰しもが感じる「モヤモヤ」ではないでしょうか。そうじゃないんだよ、と。

最近、そのモヤモヤが解消してきたので、私の考え方をご紹介します。

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生産性とは「付加価値」と「効率性」の掛け算

一般的に生産性とは、「アウトプット ÷ インプット」と言われています。
確かにそうなのですが、ビジネスの現場では、これだけだと良く分かりません。
その結果、とにかく労働時間を減らそうという短絡的な考えに至ってしまうのです。

私は生産性を「付加価値 × 効率性」で考えると良いのでは、と考えています。
図にすると、こんな感じです。

つまり生産性を最大化しようと思うなら、

  • 業務の効率性
  • お客様や社会に提供する付加価値

の両面を高めていかなければなりません。

時間削減だけを追い求める会社の末路

この2つのうち、一方だけを追求するとどうなるでしょうか?
日本の企業に多いのは、ひたすら業務の効率化(というより時間削減)だけを求める会社です。

仮に効率化が実現できたとして、価値の低い商品を売っているので、組織全体の生産性が上がりません

1円の製品を月に100個売っていた組織が、月に200個売れるようになったら、効率は2倍になっています。凄まじい改善です。でも、そこまで追求したところで、売上は100円しか上がらないのです。

ここまでの改善をするのに、おそらく現場は疲弊していきます。朝から晩まで集中し続けなければいけませんから。ゆっくり食事もとれない、仲間と雑談する時間もなくなる。長い目で見ると、組織が弱くなっていく可能性すらあります

もちろん、無駄を省いて気持ちよく働ける環境を整えるのは大事ですが、ひたすら効率だけを求めていくと、組織や人は弱っていくのではないでしょうか。

付加価値の向上を忘れない

それならいっそのこと、多少効率が悪かったとしても、1円の製品を100円にした方が、よほど気持ちが良いのではないでしょうか。

高い価格でも買ってくれるお客様がいるということは、喜んだり、感謝してもらえます。そこで働く人も温かい気持ちになったり、自信を持ったりすることができます。

日本は人口減少期に入り、既にモノが溢れる飽和経済です。
ですから、付加価値を高めるための新商品・サービスの企画・開発は非常に重要なのです。

ただ、せっかく高い付加価値を生み出したのに、業務効率が悪すぎると、多くの人には提供できません。それに業務効率を含めて、お客様は満足度が変化します。

究極的に美味しい食事を出してくれるレストランであったとしても(=高付加価値)、
頼んだメニューが出てくるまでに2時間も掛かってしまったら(=低業務効率)、
お客様は満足してくれないのではないでしょうか。

それに業務効率が悪いと、売上・利益も伸ばせません。
要するに、組織全体の生産性が低いという意味では、低付加価値の会社と変わりません

ですから、業務効率を改善しつつ、付加価値を高めるための商品・サービス企画を行っていく。その両立が大事なのだと考えています。生産性がこの2つの掛け算であるという理由も、ここから来ています。

私が業務プロセス改善と新商品・サービス企画の両面を支援しているのも、この理由からです。目指すは、どちらも高い組織になること。

真に生産性が高い状態とは、

付加価値の高い商品・サービスを、高い業務効率でまわせている状態

と言えるのではないでしょうか。
生産性を向上させるためには、付加価値と業務効率の両面から取り組んでいきましょう。

まとめ
  • 生産性とは、付加価値と業務効率の掛け算である
  • 時間削減などの業務効率だけを追求しても、組織は疲弊する
  • 空いた時間で付加価値を高めて、2つを両立させていく

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【編集後記】
今週はインプット中心。
近い先に予定されている仕事の準備や、プログラミング学習など。

ちなみにまだ腰痛が治らないので、トレーニングはお休み中です。。
(もう一歩な感じ)


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渋屋 隆一
プロフィール
マーケティングとITを駆使した「経営変革」「業務改善」を得意としています。コンサルティングや企業研修を通じて、中小企業の経営支援をしています。中小企業診断士。ドラッカーや人間学も学び中。趣味はトライアスロン・合気道。 詳細はこちらです。
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