前回は名刺を元に顧客データを構築することについてご紹介しました。いきなりCRMなどのシステムを使うのには抵抗があっても、まずはエクセルやGoogleスプレッドシートなどの表計算ソフトからでも始められます。
ただデータを上手く入力しないと、後で大変なことになります。せっかく表計算ソフトで顧客情報を共有するなら、上手く活用できるように、いくつかの注意が必要です。
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重複データを避けるための注意点
顧客データを活用する上で、頻繁に起きる悲劇は「重複データ」です。後述しますが、様々な悲劇を生みます。長く運用していると、避けられないことではあるのですが、わざわざ重複データをつくらないように、注意が必要です。
会社名は正式名称以外は利用しないようにしましょう。重複データを発見すると、こんなことが良く起きてしまっています。
同じ会社が様々な表記で登録されているのです。理由は会社名を正式名称以外で入力するからです。
- 「株式会社」の前後にスペースを入れない(それが正式名称なら良いです)
- (株)は利用しない
- 略称は使わない
- アルファベットを勝手にカタカナにしない(正式名称なら良いです)
- 半角カタカナは利用しない
「こんなミス、する人いないでしょ」と感じるかもしれませんが、大量のデータを扱っていると、一定数こういう入力ミスを必ず発見します。
会社名だけでなく、他には以下のようなものがあります。重複データとは異なりますが、大量のデータを扱う上で、不便が発生することが多いのです。
- 郵便番号や電話番号の全角/半角の違い
- 郵便番号や電話番号にハイフン(-)を入れるかどうか
- 住所に出てくる数字の全角/半角
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表計算ソフトで入力のミスを防ぐ
Excelなどの表計算ソフトを使う場合には、例えば郵便番号・電話番号の列を入力するときには日本語入力をOFFにするなどして、必ず半角で入力するように促すことができます。
エクセルの場合、まず郵便番号の列を選択します。[データ]タブ-[データツール]-[データの入力規則]アイコンを選択すると、次のウィンドウが開きます。
半角英数を入力の場合は「オフ(英語モード)」を選択します。逆に取引先名や住所などのように日本語入力にしたい場合は、「オン」を選びます。これだけでも、日本語入力ON/OFFの手間が省けますし、何よりもミスを減らすことができます。
重複データが悲劇を生む
ここまで重複データを防ぐ方法をお伝えしてきましたが、そこまでして重複データをつくりたくないのは、悲劇が起きるからです。せっかく顧客情報を活用したいにも関わらず、売上などの数字がきちんと把握できなくなるのです。
A社がA社とA’社と2つ以上登録されていると・・
- 売上が分散してしまって、正しい売上が分からなくなる
- その結果、A社から得られている利益も分からなくなる
- 最後の取引日から、本日までの経過日数が正しく把握できなくなる
など、重要な意思決定に関わる情報が、全く意味をなさなくなってしまいます。顧客数が少なければ、すぐに気づきますが、取引先が多い場合には気づかないまま運用してしまっているというケースもあります。
余談ですが、某所で重複データを全て消し去るまでに数ヶ月かけて、大変な目に遭ったことがあります。(会社員時代の話。エクセルが得意な人にメッチャ頑張ってもらいました。。)
なお、顧客データの活用を本格的に進めていくと、どうしても重複データは生まれてきてしまいます。その場合は名寄せと呼ばれるような作業を行って、データをキレイな状態に保つようにします。
- 顧客情報を活用する上で、入力ミスを減らすことが大切
- 入力ミスは、人の努力では防げないので、仕組みで防ぐ
- 重複データが生まれてしまうと、レポートの情報が全て信じられなくなる
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