中小企業は、ITに関して、どのくらい投資をすれば良いのでしょうか?
「ITが必要な時代になっていることは分かるけど、何に・どれくらい投資すれば良いの?」
という疑問に答えます。
<スポンサードリンク>
IT投資額の目安
まずはITにどれくらいの投資額が必要なのか?です。
無理せず増やしていく
言うまでもなく、お金を使うことが目的ではありません。
他の投資と同じで、最終的にはリターン(効果)を得ることが目的です。
したがって、最初は無理せず小さな金額から投資しつつ、社内に知見を蓄積していきます。
知見・経験がたまるにつれて、少しずつIT投資額を増やしていくと良いでしょう。
IT投資(つまりIT活用)ができるようになると、売上高・利益率ともに、上がっていきます。
(平成28年度 中小企業白書より抜粋)
この統計を見ても、私の個人的な経験でも、しっかりIT活用できる企業は売上・利益ともに伸びていくので、さらにIT投資ができるようになっていきます。
売上高に対して3%を目指す
増やしていくときの、1つの目安が売上高に対する比率です。
スモールビジネスにおいては、3%を目指すと良いと考えています。
年間売上高1億円の会社であれば、300万円の投資です。
中小企業のデータはあまりないのですが、大企業に関してはデータがあります。
一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会の『企業IT動向調査』です。
これによると「売上高に対するIT予算比率」は、2014年度が1.11%、2015年度が1.21%で、やや回復傾向にあります。また、業界の差が大きくて、金融業界が7.82%と高く、逆に建設・土木の比率は0.49%です。
このように、日本では「売上高の1%」が目安と言われていますが、欧米では「売上高の3.6%」というデータもあるようです。さらにスモールビジネスの場合は、IT活用することで効果がすぐに得やすいので、目安を「売上高の3%」にすると良いでしょう。
もちろん、もっと効果を得るために攻めるのもあり得ますし、逆にそこまでは不要と判断することもあり得ます。
何に投資するべきか
次に何に投資するかです。
最低限のIT環境(ITインフラ)を構築
最初に行いたいのは、最低限のIT環境構築です。
- パソコン
- スマートフォン
- 社内Wi-Fiなどのネット環境
- 外出時のモバイル通信環境
- オフィススイート(文書、表計算、プレゼンテーション、カレンダーetc)
- コミュニケーションツール(チャット、Web会議)
なぜなら、これらの環境が整うか否かで、仕事の効率が圧倒的に異なるからです。
上に挙げた環境が利用できないのは、例えるなら「電気を使えない」のと同じくらい不便です。
他の会社がこれらのツールを活用して生産性を高めている以上、企業規模に関わらず、これらのツールは当然に使いこなさなければなりません。
ただ、実際にこれらを使いこなしている中小企業は、せいぜい数パーセントです。私が見る限り10社に1社も使いこなせていません。高度なIT活用以前に、まずはこれらを活用することが喫緊の課題だと感じています。
ITインフラ構築にかかる費用
ちなみにオフィス1か所で社員10人の会社で上に挙げた環境を全部整えると、以下のような金額が掛かります。
- パソコン:200万円(20万円 × 10人)
- スマートフォン:50万円(5万円 × 10人)
- 社内Wi-Fiなどのネット環境:5万円(月額3,000~5,000円程度)
- 外出時のモバイル通信環境:30万円(月額2,000~3,000円程度 × 10人)
- オフィススイート(文書、表計算、プレゼンテーション、カレンダーetc):16万円(月額1,360円 × 10人)
- コミュニケーションツール(チャット、Web会議):3万円(月額2,000円)
パソコンとスマホは2年に1度交換すると仮定すると、実際にかかる金額は半分です(実際にはもっと長く使う会社が一般的ですが)。
とすると年間で200万円弱掛かります。
売上高の3%を目指すと言いつつ、最初のインフラ構築で、結構かかってしまう印象を持たれたかもしれません。
もちろん、このなかでコストを抑えられるところもありますし、逆に増やした方が良いケースもあります。
ITインフラを構築しながら人材育成を
ここで強調しておきたいことが2点あります。
ITベンダーに頼り切るのではなく、同時にIT人材を育成することです。
詳細はこちらの記事で紹介していますが、最も投資すべきは人材への投資です。
特に経営者がITに強くない場合は、IT人材育成が絶対に必要です。
もう1つは、最初からシステム開発してはいけないことです。
それが事業の本丸であれば、起業直後からシステム開発することもあります。
が、顧客管理のような一般的なことにシステム開発すると、無駄な費用を使ってしまうことが多いのです。
上述のIT人材育成が進んで、ある程度のIT投資に対する経験が溜まってから、システム開発の判断ができるようにしましょう。
次回は、IT人材の育成についてお伝えします。
- IT投資額は少しずつ増やし、売上高の3%を目指す
- 最初に投資するのは、ITインフラ環境の構築
- それと同時にIT人材を育成する
[the_ad id=”2141″]
【編集後記】
腰痛で、神奈川マラソン(ハーフ)は棄権。
妻は自己ベストを更新していました。
ますます差が・・
メルマガ『経営は100種競技!』を毎日配信しています。
マーケティングやITを身につけたい。
ビジネスを楽しみたい。
変化・成長したいというビジネスパーソンにお読みいただいています。