前回に引き続き、公益財団法人 神奈川産業振興センターでの、セミナーレポートです。
タイトルは、
中小企業のIT・IoT活用による働き方改革、生産性向上の方法
~小さく始めて大きな成果を得るノウハウ~
前回は働き方改革を実現する上で必要な3つの要素について解説しました。
今回は、働き方改革と生産性向上の関係についてです。
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働き方改革によって得られる効果
働き方を変えると、様々なことが変わってきます。
要点をまとめたのが下図です。
この図で大切なのは、働き方を変えたからと言って、直接的に生産性が向上するわけではないことです。その他の要素が良くなった結果として、生産性が上がるのです。
社員満足度の向上
働き方を変えることによって、社員満足度が向上します。
今までよりも柔軟な働き方ができるようなることで、以下のようなメリットが得られるからです。
- 時短勤務やリモートワークが認められ、出産後も仕事を続けられた
- ツールでコミュニケーションが活発になり、人間関係が良くなった
- 自分の仕事が他の人の役に立っていることが分かり、自分の存在価値を認められた
このような状態になることで、間違いなく採用もラクになります。
世の中、採用難が叫ばれていますが、実は働きたいのに働けない人が数多くいます。
実際、私のお客様でもフルリモートワーク(1日4時間)で募集をかけたところ、一瞬で採用が決まりました。
社員満足度が高まることによって、より理想に近い組織づくりができるのです。
業務効率の向上
働き方を変えると、業務効率が上がります。
目的のない無駄な作業が減り、価値ある仕事にフォーカスできるようになるからです。
- (お客様先に直行・直帰できるので)満員電車で疲弊することが減った
- 誰も読まない日報のためにオフィスに戻るなど、無駄な業務が減った
- 会社に戻らなくても、見積がつくれるようになった
- 月次決算が5営業日以内で終わるようになり、意思決定が速くなった
- 紙の書類が減って鞄が軽くなった
- 外出中でも在庫状況が確認できるようになった
顧客満足度の向上
業務効率を上げて、労働時間を削減するだけでは、道半ばです。
何のために無駄な労働時間を削減するのか?
それはよりお客様に喜んでもらうためです。
空いた時間を顧客接点の増加に充てたり、社内で顧客情報を共有・活用することによって、今まで以上に顧客満足度を向上させます。
- 今までよりもニーズを掘り下げてヒアリングする
- 掘り下げたニーズに対して、自社ならではの的確な提案をする
- 成功事例・失敗事例を社内で共有し、全員がレベルアップする
- 程よいタイミングでお客様に連絡を入れる
- お客様からの声を活かして、次のサービス企画につなげる
このような取り組みの集大成として、ファンとなってくれるお客様が増えていきます。
まとめると以下のようになるでしょう。
- 会社に感謝しつつ、自信をもって働く社員が増える組織づくり
- 過去の慣習にとらわれない、業務改善の追求
- ファンとなってくれるお客様の増加
これらの結果として、生産性が向上していくのです。
働き方改革は単なる手段ではなく、組織文化の醸成そのものであり、経営戦略でもあるのです。
セミナーレポートは、まだ続きます。
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